【初心者~上級者向け】詰まりトラブルを自分で解決!難易度別の対処法まとめ

【初心者~上級者向け】詰まりトラブルを自分で解決!難易度別の対処法まとめ

「水漏れ」と違って「詰まり」は詰っている物が見えない為、軽い詰まりなのか大変な詰まりなのかという難易度の判断が難しい水トラブルです。

これは水道修理のプロでも同じで、判断が難しいつまり症状は良くあります。
ただし、詰まり方(水の溜まり方、水の減り方)や詰まっている場所からある程度、詰まりの難易度を知ることができます。
初心者でも対処できる詰まりなのか、上級者だったら対処できるかもしれないつまりなのか、という詰まりの難易度がある程度わかれば、自分で修理するのか専門の業者に依頼するべきなのかの判断ができるでしょう。
今回はそんな詰まりを難易度別に分け、それぞれの対処法をご紹介いたします。

詰まりトラブルが起こった時の修理難易度とは?

詰まり解決の難易度について

詰まりとは排水の通り道に何か原因物があり、排水が流れなくなったり、流れが悪くなったりして起こります。ただ、一口に詰まりといっても軽度の詰まりもあれば重度の詰まりもあります。

軽度な詰まりや重度な詰まりなど、詰まりの難易度はどうやってわかるんですか?
子レンジャー
子レンジャー
親レンジャー
親レンジャー
詰まりの程度を知る為には「量」「固さ」「距離」という3つのポイントがあります。

それでは、詰まりの程度を知る為の3つのポイントを説明いたします。

「詰まりの原因物の量」
詰まっている原因物の量が少ないほど軽度で、多いほど重度となり解消するが大変です。
「詰まりの固さ」
詰まっている物が柔らかいほど軽度で、固いほど重度となります。例えば台所・キッチンの排水管に溜まった油詰まりの改善は自分でやるには難易度が高いです。
「詰まりの原因箇所までの距離」
詰まり起こってる箇所までの距離が近いほど軽度で、遠いほど重度となります。そして皆さんがお手持ちの工具が単純に届かない場合もあります。

軽度、重度というのは「改善のしやすさ、しにくさ」ということになります。
なので、量が少なく、柔らかい物が近い場所に詰まっている場合は軽度の詰まりであり、改善も比較的に簡単にできる場合が多いです。
量が多く、固い物が遠い場所で詰まっている場合は重度の詰まりであり、改善も困難ということになります。
これが一般的な詰まりトラブルの難易度分けとなります。

今回は、より具体的にして行く為にその難易度を「初級」「中級」「上級」という3つのレベルに分けて説明して行きます。

それでは初級の詰まり、中級の詰まり、上級の詰まりがどういった作業レベルの人に合っているのかを見て行きましょう、下の表をご覧ください。

詰まりの難易度対象(DIYのレベル)
初級詰まりの解消作業をした事がなかったり、詰まりの解消作業を1回したことがある
中級詰まりを1~2回は解消した事があったり、水回り各所の排水トラップの脱着できる、ワイヤー式パイプクリーナーで詰まりを解消したことがある
上級水回りの設備の構造が分かっている、一通りの工具や電動トーラーや高圧洗浄機などを持っている

本来、上級の詰まりは水道業者に頼んだ方が良いレベルの排水詰まりですが、上級にカテゴライズされる詰まりでもDIYに慣れていて工具・機材を持ってる方であれば解消できるかもしれないという意味合いとなっています。

【場所別】水まわりの排水詰まりの難易度表

場所別の詰まり難易度

家の水回りであるキッチン、洗面所、洗濯場、お風呂、トイレ、5ヶ所の詰まりを初級・中級・上級に分けてみましたので下の表をご覧ください。

場所初級中級上級
キッチン排水口詰まり
排水栓トラップ詰まり
物落としによる詰まり
蛇腹ホースの詰まり
床下排水管詰まり
排水マス詰まり
洗面所排水口詰まり物落としによる詰まり
排水トラップの詰まり
床下排水管詰まり
排水マス詰まり
洗濯場排水口詰まり  排水トラップの詰まり床下排水管詰まり
排水マス詰まり
お風呂排水口詰まり  排水トラップの詰まり
浴槽の詰まり
床下排水管詰まり
排水マス詰まり
トイレ便器内詰まり(ペーパー詰まり)    物落としによる詰まり
床下排水管詰まり
汚水マス詰まり

「初級」の難易度に分類できる詰まりは排水口付近の詰まりとなります。
詰まりの難易度の所でも説明しましたが、難易度を決めるポイントの一つに「詰まりまでの距離」があります。
排水口は最短距離の場所なので、排水口付近の詰まりは軽度な詰まり、初球の詰まりと言え皆さんでも解消できる可能性が高いでしょう。

またトイレの詰まりも、便器内の詰まりは最短距離の場所なのとペーパー詰まりだと「詰まりの固さ」も柔らかい為、便器内のペーパー詰まりはトイレ詰まりの中で一番軽症の詰まりと言えます。

次に「上級」の難易度について解説いたします。
上級に分類できる詰まりは床下排水管詰まり、排水・汚水マス詰まりとなります。
この床下排水管詰まりとマス詰まりには「詰まりの量」「詰まりまでの距離」「詰まりの固さ」全てが関係しています。
これらの詰まりは基本的に詰まりの量が多いです。

また、詰まりの場所も遠くなっています。
詰まりの固さで言えば、代表的な詰まりはキッチンの油詰まりで、床下排水管や排水マスにキッチンの油が詰まると石鹸の様に固くなります。
家で起きる多くの詰まりの中でも、強固で量の多いキッチン床下排水管、排水マスの油詰まりは最高難易度と言っても過言ではありません。
またトイレの物落とし(固形物)の詰まりも上級難易度になります。
便やトイレットペーパー以外の固形物(例えば検尿カップ、尿漏れバッド、消臭剤の蓋等)を落として流れてしまった場合は、便器の脱着作業が必要になります。
便器の脱着は専門知識、専門工具、専門技術が必要になる難しい作業です。

最後に「中級」の難易度について解説いたしますが、中級は排水口先~床上排水管までの詰まり、お風呂や洗濯場など床に排水口がある場合は排水口先の排水トラップの詰まりが対象になります。
尚、中級の詰まりでは、排水部品を分解して戻したり、工具を使用したり必要な作業になってきます。

詰まりの解消で使いやすいDIY用の工具

詰まりが起こった際にDIYで主に使われる詰まり解消工具を紹介いたします。

工具名内容
ラバーカップノーマルな半円ゴムが付いている物。
空気圧で詰まり解消する。
ツバ付きラバーカップ半円のゴムにツバが付いている物。
空気圧で詰まり解消する。
ツバが付いているので節水型トイレに対応可能。
真空式パイプクリーナー先端に半円のゴムが付いていて押し引き出来る取っ手が付いている物 。
空気圧で詰まり解消する。
動かせる空気量が多い為、ラバーカップよりも強力。
ワイヤー式パイプクリーナーワイヤーの工具で先端が螺旋状になっている物。
取っ手が付いていて、取っ手を回すとワイヤーの先端が回転する。
排水管の中にワイヤーを入れ、詰まりに直接アプローチして解消する。

価格帯としてはラバーカップ系が500円~1,000円位、真空式パイプクリーナーが1,000円~2,000円位、ワイヤー式パイプクリーナーが2,000円~3,000円位となっていて、ホームセンターやインターネット通販等で購入出来ます。初級程度の詰まりトラブルのあれば解消できるでしょう。

難易度によっては自分でできる?詰まりトラブル対処法

【難易度別】自分でできる排水詰まり対処法

初級、中級、上級詰まりの対処方法を説明して行きますが、その中でも代表的な詰まりについて解説して行きます。

【初級の対処法】トイレの紙詰まりや水回りにある排水溝の目皿詰まり

初級編(初心者でも対応できるつまりトラブル)

・各所の排水口にある目皿の詰まり
台所、洗面所、浴室で流れが悪いと感じたら、排水溝を覗いてみましょう。
ゴミ受けや目皿にゴミが溜まっていたら取り除きましょう。 特別な工具はいりませんが、ゴム手袋は付けて行いましょう。
また取り除いたゴミや髪の毛は排水口に流さず、必ずゴミ袋に捨てましょう。排水溝に流してしまうと更なる詰まりが起こってしまう可能性があるので注意して下さい。

・軽度なトイレ詰まり(紙詰まり)の対処法
トイレットペーパーを使いすぎて、水が流れなかった場合は紙詰まりの可能性が高いです。
軽度な詰まりはラバーカップがあれば簡単に解消できるでしょう。
ポイントは、「ラバーカップにも種類があり、トイレに合ったラバーカップを用意して行なう」「トイレの排水溝にセットしたらゆっくり押して、勢いよく引く事」です。
しかし、詰まらせた原因が分からない場合は無理にラバーカップを使用するのはオススメしません。
親レンジャー
親レンジャー
異物を落とした事によっての詰まりだった場合は、原因物を排水管の奥に押し込んでしまい水道業者でも簡単に取り出せない状況になってしまう事があります。

【中級の対処法】各所の排水トラップ内に溜まる汚れによる詰まり

中級編(中級者なら対応できるつまりトラブル)

中級の詰まりの代表的なものは「各所のトラップ詰まり」です。
トラップは排水口付近にあり、「防臭」「防虫」を目的に取り付けられています。
※ちなみにキッチンの排水栓トラップは一番脱着が簡単なので初級に分類してあります。

・場所毎の排水トラップの分解清掃の方法

洗面所の場合は、樹脂製のトラップ場合は前後のナットを手で回します。金属製のトラップの場合はウォーターポンププライヤーで回して取り外しましょう。排水が詰まってる場合は灯油ポンプ等で水をできるだけ汲みだしてから外すようにしましょう。また通常時でもトラップ内には水が溜まってるので空のバケツやタオル等を用意しておきましょう。
外し終わったら水の入った大き目のバケツを用意し、その中で洗って汚れ、詰まりを落とします。この時に古い歯ブラシ等を使うと掃除がしやすいでしょう。

注意点としては、ナットが固くて外れない場合や古くてサビ等が発生してる場合は無理をしないようにして下さい。無理をしてトラップ自体を破損させてしまうと、トラップを交換するまで使えなくなってしまいます。トラップを戻したら水を流して詰まりトラブルが直ってるかと必ず水漏れがしてないかの確認をして下さい。

お風呂、洗濯場の場合は、浴室内の床や防水パンに排水口が有り、その中に排水トラップもあります。
トラップは反時計回りに回して取り外しますが、トラップの円筒にある4つの出っ張りを利用して取り外します。
トラップを外すと排水口内に汚れが溜まっているので全て掻き出しましょう。
またトラップの円筒も汚れていると思うので、キレイに清掃しましょう。 

親レンジャー
親レンジャー
排水トラップをしっかり取り付けられてないと水漏れしたり悪臭がするようになる事もあるから気を付けて下さい

【上級の対処法】ワイヤー・高圧洗浄が必要な排水管詰まりやトイレ物落としトラブル

上級編(上級者なら対応できるかもしれないつまりトラブル)

トイレの脱着が必要な状況やご自宅全体の排水トラブルや汚水桝が溢れてるような詰まりは基本的に水道業者へ依頼した方が賢明です。
大きな理由としては、作業や詰まり解消が難しいのと2次被害が起こる可能性が高いからです。
上級と言われる排水詰まりトラブルは原因物の量が多い、固く、距離は遠い以外の要因である場合もあるからです。

・電動トーラー機や高圧洗浄機での詰まり除去
上級にあたる詰まりトラブルの中でもDIYで改善できるかもしれないのは、ちょっとしたマス詰まりや排水管内に滞留した軽度の汚物による詰まりでしょう。
ただし、排水管経路が曲が多かったり複雑だったりすると上手く入っていかず難航したり、排水管内でワイヤーが絡まって抜けなくなってしまう事もあったりするので慎重に作業する必要があります。また今の時代は高圧洗浄機をお持ちのご家庭は意外と多いと思いますが、排水管内用のホースがないと詰まりの除去はできませんので確認してみてください。

自宅内の排水溝からワイヤーや高圧洗浄はしない方がいいんですか?
子レンジャー
子レンジャー
親レンジャー
親レンジャー
現場の状況を見ないと大丈夫と一概には答えられないんです。
特に二次被害が出てしまった場合に、大きなトラブルになりかねないです。
古めの集合住宅の上階に住んでいるお客様が、台所の流れが悪いからと自分でワイヤーを挿入して詰まりを取ろうとしたら錆が原因だったらしく排水管に穴が空いて下の階に水漏れした…、なんてこともありました。

また原因物の量が多い、固く、距離は遠い以外で起こる詰まりトラブルの一例を紹介します。 
・排水桝の沈下、破損、勾配が悪くなってる
排水桝が沈下し接続してる排水管の勾配が取れなくなり流れが悪くなったり、破損した箇所に汚物などが引っ掛かり詰まる事があります。
・排水管が破損してる
埋設してる配管の場合は、破損箇所から砂利や木の根が侵入してつまりが起こるケースもあります。
親レンジャー
親レンジャー
原因が紹介したどちらかのケースであった場合、高圧洗浄等で一時的に詰まりトラブルが改善できたとしても排水工事をしない限りは根本的な解決はできないでしょう。

・トイレを脱着しないといけない場合
トイレの物落とし場合も難易度が高いです。
それは便器を取外す為の工具(プラス・マイナスドライバー、灯油ポンプとバケツ、モンキーレンチ、ビニールシートや大きめのタオル等)が基本的に必要となるのと、ご自宅で使用されてるトイレによって作業工程が若干変わってくるからです。
そして状況によってはガスケット(Pシール)や給水管部分のパッキンの交換が必要となることもあります。

トイレの脱着のおおまかな流れとしては

① 止水栓か元栓を閉める
② タンク内の水を流し、便器の封水をくみ取る
※ウォシュレットが付いてる場合はコンセントを抜いてから取外す。
③ 給水管をタンクから外す
④ タンクと便器を繋げてる密結ボルトを外す
※見えない部分にあるので難しい
⑤ 便器を床に固定してるナットやネジ類を外し、便器を外す
⑥ 便器内または排水溝に異物があれば回収する
⑦ 逆手順でトイレを戻していく
※戻す際も密結ボルトを締めすぎるとタンクを破損させてしまったり、重たく便器を落として割ってしまった等のトラブルも。

以上のように、作業内容も大変でトイレを破損させてしまうリスク等もある為、よほど慣れてない限りはDIYで行なうのはおすすめはしません。

作業員が語る:キッチンの詰まりトラブル事例

「キッチンが詰まってしまった」という依頼がありました。
現場はマンションの4階で、キッチンの床下排水管で詰まっていました。
キッチンの床下排水管の詰まり解消には電動トーラー機と高圧洗浄機を使用します。

そして本来、床下排水管の詰まりはシンク側からではなく、外のマス側からアプローチするのが基本です。
もちろんシンクに近い場所で詰まっていた場合はシンク側からのアプローチになりますが、シンク側、マス側共に同じ位の位置で詰まっている場合はマス側からとなります。
何故かというと、シンク側からだと高圧洗浄をかけた時に水が逆流してしまうからです。

近くで詰まっていてほしいという期待も込めてシンク側から電動トーラーを入れて行くと4m位先に詰まりがありました。
ただし、そこからどれくらい詰まりが溜まっているかわかりません。

これは決して近い位置にある詰まりとは言えません。
マンションで2階以上の場合はシンク側からしかアプローチ出来ないので、大変な作業になることが良くあります。
電動トーラーを入れで回転させ、しばらくしてワイヤーを引き抜いてみると先端に白い油の塊がビッシリと付いていました。
先端をキレイに洗って再度投入、回転、引き戻し、そして先端の洗浄を繰り返し行ないます。

確実に詰まりは減って行きますがかなり時間のかかる作業です。
時々水を加えて詰まりの貫通具合を確認しながら電動トーラー作業を続けること約2時間ぐらいで、ようやくワイヤーが詰まりを貫通しました。

この段階ではまだ油詰まりに穴が空いただけなので、排水管の中には大量の油の塊りが残っていてこのままだと早い段階で、また詰まりが起こってしまいます。
これを高圧洗浄で吹き飛ばして洗浄します。
高圧洗浄での作業も1時間位かかったので、この詰まりの現場は3~4時間かかりました。

マンション等の集合住宅でのキッチン床下排水管詰まりは、上級の詰まりトラブルの中でも特に大変な作業になることがあります。
キッチンの床下排水管で詰まった場合はDIYで頑張らずに、早く水道業者を呼んだ方が賢明です。

まとめ

今回は詰まりトラブルの難易度を分け、DIYで行なえそうかを解説して来ました。詰まりに関しては「詰まりの量」「詰まりの固さ」「詰まりまでの距離」が難易度を決めるポイントになる事が多いです。
自分で作業をする時は、このポイントで見て、解消できそうな詰まりなのか、自分では解消できない詰まりなのか参考にしてみてください。解決が難しそうな詰まりだと思ったら無理な作業は行わず水道業者に相談してくださいね。