【原因別の掃除法】ユニットバスの床に蔓延る黒ずみ・汚れの落とし方集!

ユニットバスの床や隅、つなぎ目に、いつの間にか現れる黒ずみを見たことはありませんか?
実はこの黒ずみ、石けんカスと黒カビが主な原因です。
「掃除したはずなのに、すぐにまた黒ずんでくる…」という経験をされた方も多いでしょう。
一度こびりついた汚れはなかなか落ちにくく、頑固な黒ずみになってしまうことも少なくありません。
特に壁や床が白やベージュなど明るい色の場合は、黒ずみがより目立ってしまい、毎日お風呂に入るたびに気になる…なんてこともありますよね。
そこで本記事では、
- ユニットバスの床や壁にできた黒ずみの落とし方
について詳しく解説していきます。
気になる黒ずみをしっかり落として、清潔で気持ちのよいバスルームを取り戻しましょう!
ユニットバスと在来工法の違いについて
浴室の黒ずみの落とし方を考える前にユニットバスとはどのようなものかを見て行きましょう。
お風呂には大きく分けて、在来工法のお風呂とユニットバスの2種類があります。
■ 在来工法の浴室とは?
在来工法とは、好みに合わせて自由なデザインや素材で作られるオーダーメイドの浴室のこと。
壁や床にはタイルが使われていることが多く、個性やこだわりを反映できる一方で、施工に時間がかかり、防水対策にも注意が必要です。
■ ユニットバスの特徴と種類
一方のユニットバスは、床・壁・天井・浴槽などがあらかじめ工場で製造され、現場で組み立てる方式です。
そのため、工期が短く、すき間が少ない構造なので防水性が高いというメリットがあります。
また、ユニットバスには「浴室のみ」のタイプのほかに、トイレや洗面台とセットになったタイプもあり、特に賃貸住宅やマンションで多く採用されています。
「お風呂と洗面」が一緒になったものが2点ユニットバス。「お風呂と洗面とトイレ」が一緒になったものは3点ユニットバスと呼ばれます。
1点ユニットバス
ドアを開けたら洗い場があり浴槽があるタイプが1点ユニットバスです。
多くのメーカーがブランド名をつけて出しているのがこのタイプです。

2点ユニットバス

二点ユニットバスは洗い場と浴槽があり浴室内に洗面がついているタイプです。
一人暮らしの賃貸の部屋などに多いタイプの浴室です。
3点ユニットバス

三点ユニットバスはホテルなどによくあるタイプで洗い場と浴槽とトイレが浴室内にあります。
浴槽にシャワーカーテンをつけて使うことが多いでしょう。
水回りが一カ所にあるため掃除のしやすさが特徴です。
石けんカスの汚れは白ではないのですか?
ユニットバスの床の黒ずみとは
ユニットバスの床の黒ずみは黒カビと石鹸カスです。
どちらの汚れも掃除をしてもお風呂を使っていたらまた復活する汚れで定期的な掃除が必要です。
床に広がる黒ずみの原因
ユニットバスの黒ずみの原因として考えられるものには3つあります。
- 黒カビ
浴室の隅やユニットバスのつなぎ目に発生しやすい汚れ - 酸性石鹸
石鹸の油脂成分と皮脂が一体化してできた黒っぽいべたべたした汚れ - 金属石鹸
石鹸の油脂成分と水中の金属成分が一体化してできた白っぽい汚れ
その中でも厄介なのが黒カビ

黒カビは、空気中を漂うカビの胞子が浴室内に付着して繁殖することで発生します。
浴室は、カビにとってとても好条件の環境です。
というのも
- 室内は湿度と温度が高く、
- 壁や床には皮脂汚れや石けんカスなどの栄養分が豊富に残っているからです。
こうした環境が整っていると、カビの胞子が付着した際に一気に繁殖し、やがて黒ずみとして目に見えるようになります。
「しっかり掃除していたつもりなのに、すぐに黒くなる…」という悩みの多くは、こうしたカビの性質によるものです。
浴室内の水が残りやすい場所や湿気がたまる場所が黒ずんでいる時は黒カビが原因と考えられます。
掃除をしてもいつの間にか復活するため定期的な掃除とともに発生しやすい場所の目視確認やスクイージーなどで水分を取り除くひと手間をかけたいものです。
酸性石鹸の黒ずみ汚れ

酸性石鹸は石鹸で身体を洗った時に出る皮脂と石鹸の油脂成分が一体化してできる汚れです。
身体を流すときに床に落ちて排水口へ流れずに床に少しずつ残ったものが原因となります。
皮脂は石鹸を使った時だけでなく温かいシャワーを浴びたときにも流れ落ちています。
少しずつ床にたまっていき時間がたつと黒ずみとして目に見える汚れになります。
お風呂は身体を洗うために入る場所ですので皮脂が流れ落ちるのは止めようがなく汚れを防止する対策はありません。
汚れが固着してしまう前の掃除がポイントになります。
白っぽく見える金属石鹸汚れ

金属石鹸は石鹸の中の油脂分と水の中の金属成分が結合してできた汚れです。
色は基本的には白です。
しかし床についた酸性石鹸と金属石鹸が合わさり複合的な汚れになって黒や灰色に見えることがあります。
とくに床が白や淡い色の場合に目立ちます。
酸性石鹸は比較的落としやすい汚れですが金属石鹸は落としにくい頑固な汚れです。
【ユニットバスの黒ずみ(1)】黒カビ汚れの落とし方と予防

ユニットバスに発生した黒カビは初期であれば浴室用洗剤のこすり洗いで落とせます。
かなり繁殖した状況であればカビキラーやカビハイターなどの塩素系漂白剤をつかいましょう。
ユニットバスに広がる黒カビ掃除の手順
塩素系漂白剤をスプレーして5分ほど置きナイロンたわしでこすり落としましょう。
塩素系漂白剤はカビを速やかに落とすだけでなく除菌効果もありますのでしっかりカビをやっつけてくれます。
塩素系漂白剤を使った時はしっかり水ですすぎ洗いしておきましょう。
コーキングに黒カビが発生すると黒カビが中にまで入り込んでコーキングに黒ずみを作ります。
コーキングに黒カビを発生させないように注意が必要です。
もしすでにカビがありスプレーしたくらいでは取れない場合は塩素系漂白剤を使ってカビ汚れの部分をパックして黒ずみを落とします。
黒カビ除去のパックのやり方
- カビに塩素系漂白剤を吹きかけ
- 細く切ったキッチンペーパーを貼り付ける
- その上からラップをかけて乾燥を防ぎ20~30分放置する
- ラップをはがして、スポンジでこすり洗いし、水で十分にすすぐ
浴室のコーキング(目地)部分に発生するしつこい黒カビには、ジェルタイプの漂白剤が効果的です。
ジェル状なので液だれせず、カビにピタッと密着して長時間とどまってしっかり漂白してくれます。
特に、コーキング部分のカビが広範囲にわたっている場合には、一度試してみる価値があります。
市販のカビ取りジェルは使いやすく、しつこいカビにもアプローチできるので、通常のスプレータイプで落ちにくい場合にも便利です。
浴室内を早く乾かして黒カビを防止
お風呂を使った後に汚れをざっとシャワーで流しスクイージーで水を切ります。
そのあと窓や扉を閉めて換気扇を回しましょう。
窓を開けて換気扇を回すと窓からの空気を換気扇が吸い上げるため床近くの空気が動かず乾燥が遅くなります。
入浴後に換気扇を回す場合は必ず窓と扉は閉めましょう。
【ユニットバスの黒ずみ(2)】酸性石鹸の落とし方

酸性石鹸は比較的落としやすい汚れです。
名前の通り、酸性石けんの汚れは酸性の性質を持っています。
そのため、この汚れを落とすには、反対の性質を持つアルカリ性の洗剤が効果的です。
アルカリ性の洗剤は、酸性の汚れに反応して汚れをゆるめ、落としやすくしてくれます。
市販のアルカリ性洗剤を使うのはもちろん、
- 重曹
- セスキ炭酸ソーダ
といった、環境や肌にやさしいナチュラル洗剤でも効果があります。
掃除の目的や汚れの程度に合わせて、洗剤を使い分けてみましょう。
重曹で酸性石鹸の汚れを掃除する準備
まずは重曹スプレーを使って掃除をしてみましょう。
重曹スプレーで取れない場合は重曹をそのまま振りかけて汚れを磨くといいでしょう。
重曹スプレーの作り方
スプレーボトルにぬるま湯100ccを入れ重曹小さじ一を入れてよく振って重曹を溶かします
重曹スプレーを使った掃除の手順
- 床の汚れがある部分に、重曹スプレーを吹きかけ、ラップをかけて20~30分ほど放置する
- 時間が来たらラップを派すして浴室用のブラシでこすり洗いをする(床は凹凸があるためブラシを使い縦や横など角度を変えてこすり洗いをする)
- 洗い終わったら水を流す。汚れが取れていたらそのまま綺麗にすすぐ
- 汚れが残っている場合は汚れの上に 重曹を粉の状態で振りかけてブラシを使って汚れを洗う
(重曹は細かな粒子があるため、粒子で汚れを掻き出す) - 洗い終わったら水できれいにすすぐ
水を流した後にまだ汚れが取れていない場合は、金属石鹸が原因の可能性があります。
次に金属石鹸の落とし方をご紹介します。
【ユニットバスの黒ずみ(3)】の金属石鹸の落とし方

金属石鹸はアルカリの性質をもった汚れですので酸性の洗剤で汚れを緩めて落とします。
浴室の白いこびりつき汚れの正体は、金属石けん(石けんカスと水道水中の金属成分が結合したもの)であることが多く、非常に落ちにくいのが特徴です。
この金属石けんはアルカリ性の汚れなので、酸性の洗剤で中和して落とすのが基本です。
ナチュラル洗剤を使う場合は、クエン酸が効果的。環境にも優しく、安心して使えます。
一方で、頑固な汚れを短時間でしっかり落としたい場合は、市販の浴室用酸性洗剤を使うのがおすすめです。
ここでは、
- クエン酸を使った金属石けんの落とし方
- 市販でおすすめの酸性洗剤
をご紹介します。汚れの程度に合わせて、最適な方法を選んでみてください。
クエン酸スプレーの作り方
スプレーボトルに200ccを入れクエン酸小さじ一を入れてよく振って溶かします
クエン酸スプレーを使った掃除の手順
- 床の汚れがある部分にクエン酸を吹きかけラップをかけて20分ほど放置する
- 時間が来たらラップをはずしてスポンジたわしと浴室用のブラシでこすり洗いをする
- 洗い終わったら水を流す。汚れが取れていたらそのまま綺麗にすすぐ
- 汚れが残っている場合は市販の酸性洗剤を購入して吹きかけこすり洗いをおすすめします
市販の洗剤は金属石鹸や水垢など落ちにくい汚れをターゲットに作られていますので汚れはよく落ちます。
酸性洗剤であれば壁や浴槽周りステンレス蛇口の水垢も落とせますのでこの機会に水垢も一緒に掃除をしてはいかがでしょうか。
市販のおすすめ酸性洗剤と注意点
- 技・職人魂 技職人魂シリーズ 風呂職人(液性:酸性)
金属石鹸のマグネシウム汚れに特化した洗剤で金属石鹸を溶かして落とすタイプ - アズマ 洗剤 アズマジック浴室洗剤(液性:酸性)
湯垢・水垢・石鹸カスをターゲットに作られた洗剤で汚れを浮かして落とすタイプ - 茂木和哉 お風呂用洗剤「なまはげ」(液性:酸性)
界面活性剤が含まれているため金属石鹸だけではなく皮脂汚れも落とせる
【まぜるな危険】
酸性洗剤やクエン酸は塩素系漂白剤と混ざると有害なガスが発生します。
カビキラーなどを使った後は十分に洗い流してから使うか日をあらためて使用することをおすすめします。
ユニットバスのキレイを保つ掃除のコツ
ユニットバスを清潔に保つためには、カビや汚れが定着する前にこまめに掃除することが大切です。
特に湿気がこもりやすい浴室は、放っておくとすぐにカビや汚れが目立ってしまいます。
とはいえ、毎日床や壁、浴槽をこすり洗いするのは現実的には大変。
時間も手間もかかるため、なかなか続けられないという方も多いのではないでしょうか。
だからこそ、「頑張りすぎずに続けられる掃除習慣」や「汚れがつきにくくなるちょっとした工夫」が重要になります。
「毎日の掃除」「週1度の掃除」「月に一度の掃除」と分けてメリハリのある掃除をしていきましょう。
毎日サッとやるべき簡単掃除
最後にお風呂に入った人が浴槽の湯垢を落として壁やエプロン・床をシャワーで流して置きます。
スクイージーで水切りをして水分を減らし換気扇を回しておくと乾燥が早いため黒カビの発生を押さえることができます。
週1度でOK!床や壁をスポンジでこすり洗い
ユニットバス内の壁・床・エプロン部分などは、汚れがつきやすい場所です。
掃除の際は、洗剤をスプレーで吹きかけてからスポンジなどでこすり洗いしましょう。
まだ汚れが軽い段階であれば、浴室用の中性洗剤でも十分にきれいになります。
ただし、水垢や石けんカスが気になるときは、より効果的に落とせる酸性洗剤を使うのがおすすめです。
汚れの性質に合った洗剤を選ぶことで、無理なく効率よく掃除ができます。
天井や壁の高い部分は月に一度の掃除でキレイを保つ
普段の掃除に加えて、週に一度はユニットバスの天井や壁の高い位置までしっかり掃除しましょう。
見落としがちな場所ですが、湿気がたまりやすいため、放っておくとカビの温床になります。
● 天井の掃除
カビがまだ発生していない場合は、フローリングワイパーにキッチンペーパーを取り付け、除菌用アルコールを吹きかけて拭き掃除をしましょう。
直接手が届かない場所も、ワイパーを使えば簡単にお手入れできます。
● 浴室乾燥機のフィルター
浴室乾燥機があるご家庭では、フィルターの掃除も忘れずに。
ほこりがたまると換気効率が落ちるだけでなく、湿気もこもりやすくなります。
● 棚や収納ポケット
シャンプー類を置いている棚やポケットも、一度取り外して洗い、しっかり乾かしてから元に戻しましょう。
ぬめりや石けんカスがつきやすいので、こまめに洗うことで清潔を保てます。
ユニットバスの床の黒ずみはこまめなお掃除で
ユニットバスの床にできる黒ずみの取り方についてご紹介しました。黒ずみの主な原因であるカビや石鹸カスは、頑固な汚れになる前にこまめに掃除することが何より大切です。
浴室は毎日使う場所なので、掃除はどうしても大変に感じてしまいますよね。そこで、掃除のパターンを決めて習慣化することがおすすめです。
毎日のバスタイムがもっと快適になるでしょう。



