キッチンが流れない!?自分で流しのつまりを解消する方法と予防策まとめ

キッチンが流れない!?自分で流しのつまりを解消する方法と予防策まとめ

洗い物中に、流しのつまりを感じたという経験をお持ちの方は、意外と多いのではないでしょうか。実は、流しはつまりやすい場所といえます。

水の流れがいつもより悪い状態は起こりがちで、この時点で対処すれば深刻なつまりは避けられます。放置すれば悪臭や自分で対処できず修理業者への依頼が必要になるケースもあるため、自分でできる対処法を知っておくと安心です。

この記事では、ラバーカップやペットボトルを使った自分でできる解消法を7つ紹介し、業者に頼むべき判断ポイントや料金相場、つまり予防のコツまで詳しく解説します。

キッチンの流しでつまりが起こる主な原因とは

キッチンの流しがつまる原因はいくつか考えられますが、多くは日々の洗い物が原因です。ここでは代表的な原因を3つに分け、それぞれの特徴とつまりに至る過程を見ていきましょう。

油汚れが排水管内に付着し冷えて固まる

油汚れは、キッチンの流しのつまりで最も多い原因です。

調理後に皿やフライパンに残った油が流れると、排水管内に付着します。サラダ油なども原因ですが、肉や魚に含まれる脂が厄介です。冷えると固まり、排水管内に層になって蓄積します。そこに、他の食品カスやゴミが付着してかさが増し、つまりが進行してゆくのです。

油汚れによるつまりの特徴
・水では落ちず、時間が経つほど固まりやすい
・食品カスと結合し、かさが増し、つまりの症状が進行する
・排水トラップやパイプの接続部にたまりやすい

排水溝のワントラップが油で汚れてる

実際に、賃貸住宅で流しのつまりの修理に伺った際、排水溝のワントラップが脂で固まって外れなくなっていた事例がありました。

お客様は「掃除をしようとしたら、外れないのでこういう構造なんだ」と思い込んで使っていたそうです。賃貸契約時に「現状渡し」で借りたため、前の住人が掃除をしていなかったことが原因と考えられました。

油汚れは放置すると、自力では解消できないほど頑固になります。

親レンジャー
親レンジャー

排水管の掃除はなかなかできませんが、排水溝のトラップはこまめに掃除を行いましょう。

排水管内のぬめりに食品カスが付着する

キッチン 排水溝の油汚れ

排水管内のぬめりは、食品カスが付着すると一気につまりや悪臭の原因になります。
排水溝のゴミ受けをすり抜けた米粒や野菜くずの小さなかけらが、油汚れやぬめりに絡みつき、水で流れにくくなります。排水トラップは構造上ゴミが沈殿しやすく、放置すると雑菌が繁殖してぬめりが増し、つまりが進行して悪臭にもなります。

微細な食品カス対策
 ・排水溝のゴミ受けに目の細かいアミをかぶせる
 ・定期的に排水溝やトラップの掃除を行う

食品カスを排水溝だけでなく、排水管にも流さないようにすることが、つまりの予防につながります。

異物が流れて引っ掛かりつまりの原因に

キッチン 歯ブラシを落とした

歯ブラシ、つまようじやタワシの破片など、本来流してはいけない異物が排水管内で引っかかると、つまりの原因になります。排水トラップ内や排水ホースで止まれば拾い出せますが、さらにその先の排水管まで流れてしまうと、自力での回収は困難です。

排水溝に落としやすい異物
・つまようじ ・ストロー ・調味料の内ぶた
・輪ゴム    ・スポンジやタワシの破片  ・歯ブラシ

異物は油汚れや食品カスと絡み合い、なかなか取れないつまりを引き起こすため、流さないように工夫することが大切です。

基本的に排水溝のワンを外した状態で排水を流さないようにしましょう。

キッチンの流しで起こるつまりの予兆や見分け方

キッチンの流しは、完全につまる前に予兆があります。「水の流れが悪くなる」「コボコボという音がする」「悪臭がする」など、小さな変化を見逃さず対処することが早期解消につながります。主なサインを見ていきましょう。

水がゆっくり引く、ゴボゴボ音がする

キッチンの流れが悪い

■チェックポイント

  • 水がなかなか引かない
  • ゴボゴボと気泡が上がる音がする

排水のスピードが以前より遅いと感じたら、つまりの初期症状かもしれません。
また、流しの排水溝から「ゴボゴボ」という音が聞こえる場合も要注意です。排水管内が狭くなると、空気がうまく抜けず、空気が水中を上がってくる際に音が発生します。

水の引くスピードと音は、異変に気づける重要なサインです。早めに原因を探り対処すれば、自分でつまりを解消することも可能です。

排水溝から異臭がする

■感じられる異臭

  • 油っぽい臭い:油や食品カスの腐敗
  • カビ臭い:ぬめりやカビの発生

排水溝から不快な臭いがする場合は、排水トラップや管内にたまった汚れが腐敗している可能性があります。気づいた時点で掃除すれば、つまりや臭いの悪化を防ぐことができます。

床や収納内が濡れている(水漏れ)

■水漏れで確認すべき場所

  • 床や収納内の湿りや水たまり
  • 排水ホースや継ぎ目からの水漏れ
キッチン 床下の排水管接続部

床が濡れていたり、シンク下収納の内部が湿っている場合は、排水が逆流して漏れ出している可能性があります。排水管が床より先で詰まっている場合のほか、ホースの破損や配管の継ぎ目、パッキンの劣化が原因となることもあります。
早期に発見できれば、大きな水漏れ被害になるのを防げるため、水漏れが疑われる場合はチェックが大切です。

自分でできる!キッチンの流しのつまり解消法7選

キッチンの流しつまりは、軽度であれば自分で解消できる場合があります。ここでは、家庭にある道具や市販アイテムを使った7つの方法の、手順とポイントを紹介します。

1.排水溝のワントラップを取り外して掃除する

排水溝の掃除

排水溝のトラップは、臭いや虫が上がってくるのを防ぐ役割があります。ぬめりや油汚れが発生しやすく、ゴミもたまりやすい場所です。定期的に取り外して掃除することで、つまりの原因となる汚れの固着を予防できます。

項目内容
準備するものゴム手袋、掃除用スポンジや古歯ブラシ、中性洗剤
掃除の手順① 排水溝のふた、ゴミ受け、ワントラップを外す

② 各パーツの汚れやぬめりをスポンジやブラシで除去し、しっかり水洗いする

③ 排水管の内部も洗えるところはブラシで洗う。その際、汚れは流さずに掻き取ってゴミとして捨てる

④ 各パーツを元に戻す
注意点ゴミ受けの裏側はぬめりがたまりやすいため、丁寧に掃除を。
またワントラップを外してる時にスポンジや歯ブラシを落とさないように気を付けましょう。

使い捨ての目の細かいネットをゴミ受けにかぶせて、掃除を楽にするのがおすすめです。

2.お湯で油汚れを溶かして流す

配管内に付着した油汚れは、水では落ちにくいため、60℃程度のお湯を流し、油汚れを溶かして流す方法です。

項目内容
準備するものお湯(60℃)、タオル
手順① 排水溝のふた、ゴミ受け、ワントラップを外す。

② 排水溝にタオルの端を詰め、片端は水栓にかけるなどしておく

③ 60度のお湯をシンクに満たし、タオルを引き抜いて一気にお湯を流す

④ 手順の②と③を2~3度繰り返す

⑤ 水が流れるようになれば、①で外したものを戻す
注意点熱湯は樹脂製配管を変形・劣化させる恐れがあるため使用はNG。
また完全につまってる状況では行わないでください。

流れが悪い程度の軽いつまりや悪臭の予防には効果的ですが、水が流れないほど頑固な油つまりの場合は、他の方法で流れるようになってから行なうことをおすすめします。

3.ラバーカップ(すっぽん)・真空パイプクリーナーを使う

ラバーカップや真空パイプクリーナーは、吸引力でつまりを動かして水を流れるようにします。軽度から重度のつまりまで対応できるため、キッチン用として1つ常備しておくと安心です。

項目内容
準備するものラバーカップまたは真空パイプクリーナー
手順①排水溝のパーツを外す

②シンクに水をため、カップが1/3程度水に浸かるようにして、排水溝にラバーカップを密着させる

③ゆっくりカップを押し込み、勢いよく引き上げる動作を数回繰り返す

④つまりが取れたら、たまっている水が流れる

⑤水栓からも水を流して確認
注意点引く際につまりが取れるため、押す際は「ゆっくり」が鉄則。
つまりが解消しないからと無理にやりすぎると設備状況によっては水漏れする事もあるので注意。

ラバーカップや真空パイプクリーナーによるつまり取りは、作業時間が短く簡単で、つまりが取れやすい効率的な方法です。

4.ペットボトルで簡易吸引を試す

ペットボトルを使った簡易吸引法は、ラバーカップが手元にないときに試せる応急処置です。使用するのは柔らかい丸型ペットボトルです。

項目内容
準備するもの空の柔らかい丸型ペットボトル(500ml、1.5Lなど)
手順① ワントラップを外し、排水管入り口にペットボトルを密着させる

② ボトルを手でへこませ、勢いよく空気を送り込む

③ ボトルを外し、膨らませる
※①~③を繰り返す
注意点密着性が低く、強力な吸引力は期待できない

数十回行っても改善しない場合はラバーカップの使用を検討

あくまで応急的な方法ですが、道具がないときために覚えておくと便利です。

5.シンク下の蛇腹ホースを外して掃除する

蛇腹ホース内の油汚れ

シンク下の蛇腹ホースを外して中を覗いてみると、油によるつまりの様子を目視できるため状況が把握しやすいでしょう。ただし、他のつまり解消方法に比べ、やや難易度は高めです。

項目内容
準備するものバケツ、雑巾、ゴム手袋、古歯ブラシ、中性洗剤、ウォーターポンププライヤー(ナットが固い時用)
手順① シンク下を雑巾や吸水シートなどで軽く養生する。

② 排水管から蛇腹ホースを引抜き、排水トラップとのナットを緩め、蛇腹ホースを外す

③ バケツと歯ブラシを使い蛇腹ホース内を掃除して元に戻す

④ 水を流してつまりが直ってるかと水漏れしないかを確認して終了
注意点柔軟性がなくなった古い蛇腹ホースの場合は、ホース自体の交換をした方が良いでしょう。また防臭パッキンをしっかりセットしないと下水臭が上がってきてしまうようになるので気を付けて下さい。

蛇腹ホースの取付けに失敗したり、古い蛇腹ホースの場合は破損して水漏れが起こり水浸しになる恐れがあります。設備の状態を見て判断が難しい場合は水道業者につまりの除去含めて修理を依頼するようにしましょう。

6.パイプクリーナー(パイプユニッシュ)を使う

パイプクリーナー(例:パイプユニッシュ )は、排水管内の汚れを分解するパイプ専用洗剤です。固まった油汚れやぬめりを溶かして流しやすくします。

項目内容
準備するものパイプクリーナー(パイプユニッシュなど)、ゴム手袋
手順① 排水溝のパーツを外す

② 洗剤の指示量を排水溝へ直接注ぐ

③ 表示時間放置後に、水でしっかり流す(パイプユニッシュは15~30分)
注意点【混ぜるな危険】酸性タイプの洗剤との混合は有毒ガスが発生する
作業時は必ずゴム手袋を着用し、換気をしながら行う

つまりかけの排水管に使用した場合、溶けてはがれた汚れが、完全に詰まらせてしまう可能性があります。

親レンジャー
親レンジャー

つまりの兆候が表れた初期段階で使うか予防に使うのが最適です。

7.ワイヤーブラシでつまりを物理的に掻き出す

キッチン排水溝 ワイヤーでつまり除去

市販のパイプクリーナー(ワイヤータイプ)は、先端のブラシやフックで排水管内のつまりを取り除く道具です。ホームセンターや通販で、2,000~3,000円程度で購入できます。

項目内容
準備するものパイプクリーナー(ワイヤータイプ)
手順① 排水溝のパーツを外す

② 排水溝からワイヤーをゆっくり差し込む

③ ワイヤーを回転させながら奥へ進め、汚れを絡め取る

④ 引き抜いてゴミを処理し、水で流す
注意点力任せに押し込むと排水管に傷付いたり、抜けなくなる恐れがあるので注意

頑固な汚れや排水溝より先のつまりに届くため、定期的なメンテナンスにも使えます。しかし、上手く排水管に入ってかない場合は押し込まないようにして下さい。

流しのつまりを自分で解消できない時は業者へ

流しのつまりが自分で行った作業で改善しない場合や、悪化している場合は無理せず業者への依頼をおすすめします。ここでは、依頼の判断基準や料金相場、注意点を紹介します。

業者に頼むべき判断ポイント

キッチンの流しつまりは、症状や状況によっては業者に依頼する方が早く解消できます。配管の奥や床下でのつまり、原因不明の水漏れなどは対応が難しいためです。放置すると流しが使えないだけでなく被害が拡大する恐れもあります。

業者に依頼する目安は、下記のケースです。

  • ラバーカップやパイプクリーナーで改善しない
  • 数日~数週間で繰り返しつまりが発生する
  • 床や収納庫内が濡れている。排水溝から水が逆流するが、原因が不明
  • ゴボゴボという音が続く

これらの症状がある場合は、無理に自分で直そうとせず水道修理業者へ相談し、早期のつまりや水漏れの解消を行いましょう。

流しのつまり取りの料金相場

キッチンの流しつまり修理の作業料金は、一般的には8,000〜20,000円程度が目安です。

軽度の作業か排水管奥の洗浄が必要かで費用は大きく変動します。業者の料金体系によって費用が異なるため、問い合わせの際には出張料金や基本料金、夜間などの緊急料金を確認しましょう。正確な金額は自宅での見積もり後になるため、見積が無料かどうかも確認が必要です。

下記表はキッチンのつまり除去作業の料金相場の一例です。

作業項目一般的な料金相場内容
トラップの分解・清掃6,000円~10,000円トラップ部分を分解して汚れを取り除く
薬剤作業3,000円~6,000円薬剤でつまりを溶かして流れを改善する
ローポンプ8,000円~12,000円吸引してつまりを解消
トーラー機での作業15,000円~30,000円ワイヤーを排水管に入れてつまり除去
高圧洗浄作業15,000円~30,000円排水管内を高圧洗浄で洗浄してつまりを除去

トーラー機と高圧洗浄機での作業は、排水管の距離やつまりの状況によって大幅に変動する事があります。現地(自宅)での見積もりの際は、見積書を書面でもらい、作業内容と金額をしっかり確認したうえで納得できたら依頼しましょう。

悪徳業者に注意!相見積もりをしっかり取って業者を選ぼう

業者を選ぶ際は、信頼できるかどうかをしっかり調べてから依頼することが大切です。

依頼する業者の候補が何社か決まったら、実際に見積もりを取ってみましょう。その時に必ず2~3社は見積りをもらって金額や対応を見比べて依頼する業者を選ぶようにしましょう。

もし、見積りの予定が作業を始めそうになったら断る勇気も必要です。見積もりを出す前に作業を始める業者や、「このままでは大変なことになる」と不安をあおってどんどん作業を進めたり、追加の作業を提案してくる業者には注意が必要です。

キッチンの流しをつまりにくくする予防策 5つ

流しのつまりは日頃の心がけや工夫で予防できます。油汚れや食品カスの蓄積を防ぎ、配管をきれいに保つための5つの予防策をご紹介します。

洗う前に油を拭き取る

キッチンをつまりにくくする予防策

流しのつまり予防で最も効果的なのが、洗う前に油を拭き取ることです。
鍋や食器に残った油や脂分は、キッチンペーパーで除去してから洗いましょう。

また、天ぷら油を処分する際は、新聞紙に吸わせるか、市販の油固め剤で固めて燃えるゴミとして処分するのが基本です。

こうした一手間が、排水管のつまりや悪臭の発生を防ぎます。

ネットで食材カスをキャッチ

排水溝には、目の細かいネットを設置して小さな食品カスまでキャッチしましょう。
ネットは汚れやすくすぐにゴミが溜まるため、こまめに交換するのが理想です。100均などで販売されている使い捨てタイプなら衛生的で手間もかからず、使い勝手がいいでしょう。
排水溝で小さなゴミもストップして、排水管内への付着を防ぐことがつまりの予防につながります。

週1でパイプクリーナーを使用

市販のパイプクリーナー(パイプユニッシュなど)を予防目的で定期的に使用するのも効果的です。排水管内のぬめりや油汚れを蓄積させないことが、まりの予防につながります。

使用頻度は1~2週間に1回程度が目安ですが、料理の頻度や油の使用量によって最適な間隔は異なるため、状況に合う頻度で行いましょう。
使用時は必ず換気を行い、製品の説明書を守って安全に作業しましょう。

トラップやゴミ受けは毎日掃除

ゴミ受けやワントラップは、食品カスや油汚れがたまりやすいため、キッチンを使い終わったら、取り外して洗いましょう。軽く水洗いするだけでも、ぬめりが減り排水管への汚れの蓄積を減らせます。
汚れがひどい場合は、塩素系漂白剤(ハイターなど)に浸け置きするか、泡タイプの漂白剤をスプレーすると、除菌効果も期待できます。
排水溝を清潔に保ち、ぬめりを予防する習慣も大切です。

シンク下キャビネット・桝も定期的に確認

キッチンシンク下点検

シンク下キャビネットは、定期的に開けて臭いや水漏れがないか確認しましょう。
水漏れなどのトラブルを早期発見できれば、大きな被害を防げます。

戸建ての場合は、屋外の排水桝もチェックし、油の塊や落ち葉などがあれば早めに取り除きましょう。
排水溝から排水管までをきれいに保つことが、スムーズな排水につながります。

キッチンのつまりは早めに対応してスッキリ解決

キッチンの流しのつまりは、異音や異臭などの予兆を感じたら放置せず、早めに対処することで大事に至らずに解消できます。早めの対応が、費用や被害を最小限に抑えるポイントです。
ラバーカップやお湯、パイプクリーナーなどを使って、自分でできるつまり解消を試してみましょう。

頑固なつまりで、自力での解消が難しい場合や水漏れ・逆流がある場合は、信頼できる水道修理業者へ依頼することが早期解決への近道です。