【要注意】油で排水溝が詰まる!キッチンのつまりを解消する方法と予防策
「キッチンの排水溝には油が詰まる」「キッチン排水の詰まりの原因は油」、このようなことを聞いたことはありませんか?油はドロッとしているけど液体なので、排水溝や排水管の中に入っても流れて行くのでは…、こう考える方もいると思います。
しかし、結論から言うと、キッチン排水詰まりの一番の原因は「油による詰まり」です。
それではどのようにして、キッチンの排水溝が油で詰まるのかをわかりやすく解説して行きます。
また、自分でできるキッチン排水溝詰まりの解消方法や、詰まりを起こさない為の予防策もご紹介して行きます。
目次
キッチンで起こる詰まりについて
家の中にはキッチン、洗面所、お風呂、洗濯場、トイレという5種類の水回りがあります。
それぞれの場所で詰まることはありますが、どれも詰まりの原因は違います。
それでは、キッチンの詰まりは何が原因で起こるのでしょうか?
キッチンの詰まりの原因を見て行く前に、キッチンはどんな使い方をする場所なのかを今一度、確認してみましょう。
キッチンの一番の使用目的は「調理」です。
朝食、昼食、夕食といった食事をキッチンでは作りますよね。
作る料理によって調理方法も様々で、まな板の上でお肉や野菜などの食材を切ったり皮を剥いたり、フライパンや鍋で焼いたり煮たり、炒めたり揚げたりといった様々な調理が行われます。
また、キッチンのもう一つの大きな使用目的は「洗い物」です。
食器や調理器具に付いた汚れを洗い流します。
それでは調理と洗い物をすることによって、何がキッチンの排水溝に流れて行くかを見て行きましょう。
キッチン排水溝に流れて行くもの | 詳細 |
調理油 | 調理に使用した油 |
食材の脂 | 調理で出た食材の脂 |
食材の切れ端 | 野菜等を切った時の細かな切れ端 |
細かな食材 | 米粒、種類等 |
料理の汚れ | 食器や調理器具についたもの |
洗剤 | 洗い物をする時に使用 |
水 | 調理でも洗い物でも使用 |
これらの混ざり合ったものが「キッチンの排水」となります。
尚、食材の切れ端や細かな食材などはシンク排水口の目皿に溜まり、排水溝までは行かないことも多いですが、それ以外の物は流れて行きます。目皿を超えて流れて行くものは「調理油」「食材の脂」「料理の汚れ」「洗剤」「水」になります。
ちなみに、料理の汚れには調理の油分も食材の脂分も入っています。
こうみるとシンクの排水溝に流れて行くキッチンの排水には、油脂成分が含まれていることが分かります。
よく、「シンクの排水口に直接、油を流したりしないから油が原因で詰まることは無い」と仰る方もいますが、普通にキッチンを使用しているだけでも油脂成分は排水溝に流れて行っている為、どの家庭でも油が原因のつまりが起こるリスクを抱えています。
油脂成分は熱によって形態が変化するという特徴があります。
それでは「ラード」を例えにご説明します。
ラードは豚の脂を精製した油脂で、調理に使用されるものです。通常は白いクリーム状の物ですが、加熱すると透明な液体の油に変化します。
逆に冷えると元の固体に戻って行きます。
これはラードに限らず、油脂成分全般に言えることで、温度が高くなる液体になり、温度が低くなると固体になるというのが油脂の特徴です。
排水溝、排水管の中は温度が低いので、そこに油脂成分が流れて行けば冷えて固体になります。
ただし、キッチンの排水はほとんどが水なので、1回の排水だけではその中に含まれている油脂成分が排水溝、排水管内に付着して固体化したとしても1mm、2mmの厚さといった微細なものでしょう。しかし、これが5回、10回、100回、1000回と回数が増えれば、回数の増加に比例して固体化した油脂の量も増えて行きます。
また不純物を含んだ油脂は固体化すると、より硬化してラードの様なクリーム状ではなく、固形石鹸にように硬くなって詰まりとなります。
尚、今説明したのは排水の中に含まれる油脂成分の量が少なく、食材の切れ端や細かな食材が流れていない場合です。
要は、かなり気を付けていても流していてもいつかは詰まるリスクがあるということです。
逆に気を付けず、食材の切れ端や細かな食材をガンガン流し、油も大量に使っていた場合は100%に近い確率で詰まると言って良いでしょう。
油脂成分がどうやって詰まりになるのかをまとめると、「キッチンの排水溝には多かれ少なかれ、必ず油脂成分が流れて行き、流れた油脂成分は冷えると固形物化する、排水の回数が増えれば増えるほど固形物化した油脂の塊りは大きくなり、最終的に詰まりとなる」ということです。
キッチンの詰まり方で詰まりの重症度がわかる?!
キッチンの詰まり方には大きく分けて2種類の詰まり方があります。
また、その詰まり方でどんな詰まりが起きているかを想定することができます。
- 前から徐々に流れが悪くなっていて、最終的に流れなくなった
この詰まり方のポイントは「徐々に流れが悪くなった」という点です。
先ほども解説した様にキッチンの詰まりは油詰まりがほとんどで、固形物化した油はゆっくりと体積が増えて行くので徐々に流れが悪くなります。
この詰まり方は油詰まりの可能性が高いです。
また、時間をかけて油脂の塊りが大きく硬くなっている可能性がある為、この詰まり方は重度の詰まりになっていることが多くあります。 - 今まで流れていたのに急に流れなくなった
この詰まり方のポイントは「急に流れなくなった」という点です。
その時点で油詰まりの可能性は低くなり、何か固形物が流れた可能性が高くなります。例としては、カットした野菜やペットボトルのフタが流れた場合です。
もし、この詰まりが起きた時に排水口の椀トラップを外していたら、固形物が流れた可能性が高くなります。
椀トラップを外していない場合は、椀トラップに汚れが溜まった可能性があります。
この詰まり方は詰まりの位置も排水口から近く、軽度の詰まりのことが多いです。
自分でできる3つのキッチン詰まり解消方法
キッチンの詰まりを自分で解消する方法はいくつかありますが、ここでは3つの解消方法をご紹介いたします。
・3分間60℃のお湯を流す ・重曹とクエン酸を使用する ・ワイヤー式パイプクリーナーを使用する |
それでは一つ一ずつ見て行きましょう。
3分間60℃のお湯を流す
これは今回紹介する中で最も簡単な方法です。
給湯器の設定温度を60℃にして、3分間お湯を流します、それだけです。
最初にも解説いたしましたが、油は熱に弱いのでその特性を利用した方法となります。ただし、この方法は出来る詰まりと出来ない詰まりがあります。
出来る詰まり症状は「詰まっているけど時間が経てば流れる」です。排水の通り道は狭くなっているが完全に塞がれていない状態です。
これは60℃のお湯が通って行くことによって周りに固着している油脂を溶かす意味合いがあります。一瞬流れるだけでは、油は溶けないので3分間流すことにより、溶けやすくしています。
それでは手順をご紹介いたします。
- 設定温度を60℃に変更する
家族がお風呂に入っている時には絶対に行わないでください。
また、家族がお湯を使わない状態の時に行いましょう。 - キッチンシンク排水口の椀トラップを取り外す
椀トラップをしていると水流が弱くなるので取り外します。 - 排水口の上からお湯を出す
排水口の上から直接お湯を出すことより、60℃に近い温度で詰まりまで到達させます。
また水量は、お湯がシンクに溜まり過ぎない様に調整して出しましょう。 - 3分間待つ
3分間は他のことをせず、よく観察しておきましょう。
3分経たずに流れが良くなった場合はお湯を止めてOKです。 - 設定温度をいつもの温度に戻す(38℃~40℃位が一般的)
3分経ったら設定温度を元の温度に戻します。
これを忘れると火傷をする恐れがありますので、ご注意ください。
また温度を戻しても最初は熱いお湯が出て来るので、数秒から数十秒お湯を出して設定温度通りに戻ったかを確認しましょう。
重曹とクエン酸を使用する
重曹とクエン酸を使用する方法ですが、これも簡単な解消方法です。簡単に言えば、投入して待つだけです。
これはアルカリ性である重曹と酸性のクエン酸が混ざる時に起こる化学反応によって、汚れを取り除くという方法です。重曹とクエン酸が混ざるとシュワシュワと泡が発生します、この泡に汚れを除去する効果があります。
これはキッチンシンク付近の詰まりに効果が期待できます。
それでは手順をご紹介いたします。
- クエン酸100gを100㎖の水で溶かしクエン酸水を作る
粉末同士よりも液体の方が反応しやすいのでクエン酸水を作ります。よく混ぜてクエン酸を溶かしましょう。 - 排水口内に重曹100gを満遍なく振りかける
目皿を外して重曹を振りかけます。この時、椀トラップは付けたままでOK。 - 振りまいた重曹の上から、クエン酸水を満遍なく振りかける
化学反応が起こるので換気扇を回すのを忘れないようにしましょう。
しっかりと重曹の上に振りかけるのがポイントです。 - 化学反応で泡が発生するのでそのまま30分間待つ
30分放置しますが、これは時間も長いのでずっと張り付いている必要はありません。
時間を覚えておくか、アラームをセットして他のことをしましょう。 - お湯を流して洗い流す
30分時間が立ったらお湯で洗い流します。
詰まりが解消していた場合は、そのまましばらくお湯を流し続けましょう。
ワイヤー式パイプクリーナーを使用する
最後はワイヤー式パイプクリーナーです。ワイヤー式パイプクリーナーは詰まりに直接アプローチして詰まりを解消する為の道具です。
先端が螺旋状になった細長いワイヤーを排水管の中に通して行き、詰まりに当たったらワイヤーを回転させて詰まりを砕いて行きます。
この作業の難しい点は詰まっている箇所が目視確認できないところです。手から伝わる感覚のみでいろいろと判断しなければいけません。
ちなみに、プロの水道業者も似た様な工具を持っていますが、業者が持っているのは「電動トーラー」という工具です。排水管内にワイヤーを入れ、ワイヤーを回転させ詰まりを砕くということはワイヤー式パイプクリーナーも電動トーラーも同じですが、両者では圧倒的にパワーが違います。
もちろん電動トーラーの方がパワーは強力です。
排水管内の油脂の塊りが強固であればあるほど強いパワーが必要になる為、ワイヤー式パイプクリーナーで解消できない場合は業者に依頼し、電動トーラーで詰まりを除去してもらう必要があります。
それではワイヤー式パイプクリーナーの手順をご紹介いたします。
- シンクの排水溝にワイヤーを入れて行く
排水溝にワイヤーを送り入れて行きます。 - ワイヤーが入って行かなくなったらワイヤーを固定して、手元のハンドルを回転させる
ワイヤーが入って行かなくなった場合は「詰まりに当たった」か「排水管の曲がり角に当たった」かのどちらかです。
排水管の曲がり角だった場合は、少し回転させていると急にワイヤーが入って行くようになるので、また送り入れて行きます。 - 5分ほど回転させたら一度ワイヤーを引き抜く
ワイヤーを引き抜いた時に先端の部分に汚れ(油脂の場合は乳白色の物)が付いている場合は、先端の汚れを取り除き、またワイヤーを入れて回転させます。
そしてまた、5分程経ったらワイヤーを引き抜く…ということを繰り返します。
3回ほどやっても詰まりが解消しない場合は業者に依頼した方が良いでしょう。
また、最初にワイヤーを引き抜いた時に先端に汚れが付いていない場合は詰まりまで到達していないか、相当強固な詰まりであることが考えられます。
どちらにせよ、作業は中断し、業者に依頼した方が良いです。
ワイヤー式パイプクリーナーは詰まりの位置が排水口から近ければ効果が期待できますが、パワーが弱いので、遠い場合はほとんど詰まりの解消は出来ません。「詰まりの位置が遠い」と感じたら、早めに作業を止めて水道業者に依頼した方が時間も体力も無駄にしないで済みます。
キッチン詰まりを起こさない為の3つの予防策
キッチンは気を付けて使っていても、いつかは詰まりが起こってしまう可能性の高い場所です。
しかし、予防策を講じることによって詰まりのリスクを下げることが出来ます。
今回は3つに予防策をご紹介いたします。
・3分間60℃のお湯を流す ・定期的に椀トラップを清掃する ・カゴにネットを付ける |
それでは一つ一ずつ見て行きましょう。
3分間60℃のお湯を流す
キッチン詰まりの解消方法でもご紹介しましたが、この方法は予防策としても効果的な方法です。詳しくは詰まり解消方法の所をご覧ください。
定期的に椀トラップを清掃する
椀トラップの周辺や裏側に油汚れが固着することがあります。
取り外して椀トラップの裏も確認しましょう。
油汚れが大量に溜まっていた場合は排水溝に流さず、ビニール袋に入れて別で捨てましょう。
排水溝に流してしまうと、それがきっかけで詰まってしまうことがありますので気を付けましょう。
清掃はスポンジと洗剤でOKです。
油が大量に溜まっていた場合はスプーンなどで取り除くと良いでしょう。
清掃のタイミングは家庭ごとで違います。一人暮らしの家と4人家族の家では、キッチンで料理をする量も頻度も違うので当然、汚れの溜まり方も違います。
目安としたら1ヶ月に1回の清掃をしてみましょう。
月1回の清掃で全然汚れていない場合は3ヶ月に1回、半年に1回と伸ばし、自分の家の効果的な清掃タイミングを見つけましょう。
カゴにネットを付ける
カゴや目皿には目の粗い物もあり、それだけだと「食材の切れ端」や「細かな食材」を取り除けないこともあります。そこで、カゴや目皿にネットを付けることによって、食材の切れ端、細かな食材が排水口に流れて行く確率をほぼ0%に出来ます。
ただしリスクがあるとすれば、ネットは目が細かいので少し汚れが溜まっただけでも流れ方がゆっくりになることです。
スッキリ流れないのでカゴを外したくなる気持ちも分かりますが、カゴを外して排水してしまうとネットを付けている意味がなくなってしまいます。
あまりに排水がゆっくりでストレスを感じてしまう場合は、こまめにネットを取り替えるようにしましょう。
まとめ
キッチンの油による排水溝詰まりについて見てきました。
キッチンの排水はその性質上、油脂成分が含まれているので、排水の回数が増えれば詰まりのリスクは高くなります。
そして、油脂成分は冷えると固形物化するので、排水溝が詰まった時は固形物化した油が原因であることが多いです。
詰まりの解消方法を試しても直らない場合や自分では作業できない場合は、アクアレンジャーまでご相談ください。