水道の修理を業者に依頼する時に気を付けるべきポイントや注意点まとめ
水道業者に依頼する機会はめったにないため、どんな業者を選べばよいのか判断が難しいです。
しかし水道業者には良し悪しがあり、ハズレの業者に依頼してしまうと高い費用を支払ったのにすぐ不具合が生じた、という事態に発展することも案外多いです。
また、いわゆるぼったくり業者と呼ばれるようなところも存在します。
そのような事態に陥るのを防ぐためには、業者選びを慎重におこなうしかありません。
たくさんある業者の中から、信頼のおける優良業者を見つけ出しましょう。
水道業者に依頼する際にはどのようなことに気を付けたらよいのか解説していきます。
目次
水道業者を選ぶ時に見るべきポイント
水道業者にも色々なところがあります。
そのため選ぶのが難しく、何を基準に選べば良いのか悩むかもしれません。
良い水道業者を見つけるためには、いくつかポイントを押さえておく必要があります。
悪徳業者に依頼してしまうのを避けるためには、対応がきちんとしている業者を見つけ出すべきです。
普段利用する機会が頻繁にある訳ではないため選ぶのが難しいですが、どのような業者に依頼すべきか具体的に解説します。
料金設定
水道業者に依頼するにあたりまず見ておきたいのが、料金設定です。
水道修理の金額設定に決まりはなく、業者が独自で金額を決めることができます。
とはいえほとんどの業者が相場程度の料金を設定していますが、中には極端に安かったり、逆に高い業者も少なからず存在します。
相場からズレた料金設定をしている業者は、何かしら訳アリの可能性が高いです。
安いから良いということではなく、その分技術力が劣っているなど問題があるかもしれません。
よって料金設定に問題はないかという点は、水道業者を選ぶうえでのポイントになります。
修理内容次第で修理の相場は異なるため、一概に比較するのは難しいですが、相場から大きくかけ離れていないかという点をよく見るようにしましょう。
追加費用の発生に注意
料金を見るうえで特に気を付けたいのが、追加費用の有無です。
水道業者の中には、さまざまな名目で費用を上乗せしてくるところもあります。
たとえば以下のようなケースです。
- 現地で見積りをしてもらったところ概算金額より大幅に高額だったため断ろうとしたら、出張料を請求された
- ホームページでは安価だったため依頼したところ、実際には出張料や見積り料などが発生した
- 必要のない追加修理を提案され、部品代が発生した
- 修理で直るにも関わらず交換を勧められ、新品への交換費用を請求された
概算金額の提示があるか
上述のように、悪徳業者は何かにつけて追加費用を上乗せしたり、不要な部品を追加してきたりします。
まともな業者は、お客様に納得してもらうため、最初にきちんと概算金額を提示します。
水道の状態を聞けばどのような修理が必要なのかおおよその検討は付くため、問い合わせの段階でその金額を伝えてくれるはずです。
さらに実際に現地で見積りをした後も、修理開始前にもう一度概算金額を示してくれます。
きちんと金額を伝えず、修理終了後にそれとらしい名目で費用を上乗せするのは、まさにぼったくり業者の手口です。
もし修理中にトラブルが発生し追加修理が必要となった場合も、優良な業者は都度説明をしてくれます。
またお客様が拒めば応急処置だけをおこない、無理に修理を続行しないはずです。
対応エリア
水道業者に依頼する際は、対応エリアも確かめておきましょう。
基本的に水道業者は全国どこでも対応可というわけではなく、修理対応できる地域が限定されています。
そのため、そもそも自分の地域が対応エリアに含まれているかという点を確かめなければなりません。
また、対応エリアに入っていたとしても、事業所から遠い場合には出張料も高くなりがちです。
よって依頼する場合は、なるべく近場を拠点としている業者を探すのがおすすめとなります。
全国各地に支店を設けているような大手の業者なら、対応エリアは広範囲です。
ただし技術力の高いスタッフが別の支店に出払っている可能性も考えられるため、きちんと専門スタッフが常駐しているかも確認した方がよいでしょう。
修理実績
水道修理は、技術力の差が大きく反映されます。
腕の良いスタッフなら修理がスピーディーで、しかも再度不具合をきたすようなことは少ないです。
一方で技術力が低いスタッフの場合、すぐにまた水トラブルが生じることもあります。
よって実力のある業者に依頼するのは、実はすごく大事なことです。
そのために参考になるのが修理実績です。
技術力に自信のある業者であれば、ホームページなどに実績をきちんと記載しています。
どのような事例を多くこなしているのか確かめましょう。
運営会社の知名度
水道業者には法人化しており全国各地に支店が存在するような大きな会社もあれば、個人経営だったり中小規模で地元密着型の会社もあります。
どちらが良い悪いということではなく、どちらにも以下のようなメリットとデメリットが存在します。
項目 | 大手の会社 | 中小企業 |
---|---|---|
メリット | 幅広い修理に対応できる どのスタッフも研修などである程度の技術力を維持している 相談窓口が用意されている | 費用が比較的安い 近場のため早く駆けつけてもらえる |
デメリット | 費用がやや高め 抱えている顧客数も多いため、希望の日程に来てもらえるとは限らない | 運営会社の知名度が低く、口コミ情報などを集められない サービスの充実具合に差がある |
ただし依頼しようとしている中小規模の業者の身元がハッキリとしているわけでないのなら、大手を選んだ方が無難です。中には運営者情報や連絡先が全く掲載されていない業者もいます。
たとえば知名度のある大手メーカーですと、実際に修理をおこなうのは下請け会社のことが多いです。
下請け会社にも当たり外れはありますが、万一顧客とトラブルを起こし元請けに苦情が入った場合、悪質な内容ですと仕事を打ち切られる事態に発展します。
そのような事態に発展しないよう、下請け会社はきちんと仕事をおこないます。
よって知名度のある会社に依頼すれば、ぼったくりに合うリスクは限りなく低いです。
水道局指定工事店の認定を受けているか
水道業者選びの段階で確かめておきたいこととして、水道局の指定を受けているかという点があげられます。
水道関連の修理をおこなえるのは、きちんと許可を得た業者だけです。
これは法律で決められています。
よって水道局の指定を受けていない業者は最低限度の基準も満たしていないわけですから、やめておきましょう。
確かめ方としては、お住まいの自治体を担当している水道局のホームページから検索できます。
ただし、水道局の指定を受けるというのは、最低限の水準に過ぎません。
水道局指定工事店全てが優良業者という訳ではなく、たとえ水道局の指定を受けていたとしても残念な業者は存在します。
もちろん明らかな悪徳業者ではないものの、技術力やサービス面が優れているかというとそれはまた別の話です。
安易に水道局指定工事店だからと安心するのではなく、具体的にどのような業者なのか深堀して調べることが大事でしょう。
非指定業者はぼったくり業者
上述の通り、水道工事をおこなうためには、きちんと水道局の認定を受ける必要があります。
許可されるのは給水装置工事主任技術者という国家資格所有者が在籍している業者だけです。
要は行政のお墨付きを得た技術者がいるため、きちんと許可を得た業者であれば一定水準に達していると思ってよいでしょう。
逆に許可を得ていない業者がおこなう水道工事は、違法行為です。
行政の許可を得なくてもおこなえる作業もあるのですが、ごく一部に限られています。
水道業者として仕事をするためには、さまざまな修理に対応できる必要があるため、真っ当な業者であればきちんと許可を得ているはずです。
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水道業者に修理依頼する際の注意点
水漏れや詰まりなど、水トラブルが発生した際には急ぎで修理を依頼したい気持ちになります。
しかし焦って依頼するのは失敗の元です。
何も考えずに修理依頼をしてしまうと、思わぬ損を被る可能性もあります。
失敗しないためにも、修理依頼する際には何に気を付けたらよいのか把握しておきましょう。
修理依頼時の注意点についてご紹介します。
正式依頼は相見積もりを取ってから
修理依頼する際のポイントとして、1社だけでなく複数社の費用を見比べて選んだ方がよいです。
要は相見積もりを取りましょう。
業者の修理費用は、不具合の状況によって左右されるため、非常に分かりにくいです。
また作業代だけではなく部品代や出張料なども発生することが多く、結局のところトータルでいくらになるのかピンとこないかもしれません。
ホームページなどにおおよその修理費用は提示されているものの、そこからズレてしまうケースも多いです。
よって提示された金額が適正なのか判断が付きにくいですが、複数社と比較すると相場を掴むことができます。
相場から大きく逸脱した金額でないかというのが判断材料となるため、相見積もりを取ることは失敗しないために有効です。
ただし見積り費用で稼ぐ業者もあり
ただし見積りのために現地まで来てもらうと、出張料が発生する業者も多いです。
それ自体は問題ではないのですが、中には見積り無料と宣伝しながらも、断ると高額なキャンセル料を請求してくるような業者も存在します。
よって、相見積もりをおこなう場合、見積り後に断っても大丈夫なのかという点を必ず確認しておく必要があります。
もしくは電話での相談なら、無料で概算金額を提示してくれる業者がほとんどです。
具体的な状況を説明すれば実際の修理と大きく開きが出る可能性も少ないため、電話で複数の業者に問い合わせてみるという方法もあるでしょう。
ただし状況次第では追加工事を余儀なくされるケースもあるため、信憑性に関してはやはり現地確認をした方が正確ではあります。
キャンセル規定を確かめよう
見積り後のキャンセルに付随して、キャンセル料に関する規定がどのようになっているかも確かめておきましょう。
キャンセルに関する扱いは業者によりけりで、見積り後のキャンセル可のところもあれば、現地に到着後はキャンセル料が発生する業者もあります。
とはいえキャンセル料の発生が必ずしも悪いことと言う訳ではありません。
キャンセル料は取られるけれど、その分肝心の作業代を抑えているという業者もあるからです。
大切なのはキャンセルに関する扱いをきちんと明示しているか、そしてそれに自分が納得できるかということです。
急ぎで修理依頼する際はどうしても疎かになりがちですが、トラブルを防ぐためにもキャンセル規定に関しては目を通しておきましょう。
時間外料金が発生することも
業者に修理依頼する際は、依頼する時間帯に注意しましょう。
と言いますのも、業者の中には深夜や早朝に依頼すると時間外料金を請求する業者も多いからです。
24時間対応であっても、実際にはこのような時間外料金として、おおよそ2000円前後追加請求されるのが一般的になります。
よって急ぎの場合でも深夜や早朝は避けて、営業時間内に駆けつけてもらうようにした方が無難です。
水漏れ時など急を要する場合すぐに来てもらいたくなりますが、応急処置なら自分自身でおこなえます。
この後詳しく紹介しますが、元栓もしくは止水栓を閉めることで一旦水は止まるため、業者が来るまでの間それで凌ぎましょう。
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水道業者に依頼する前におこなうべきこと
ここまで水道業者の選び方や依頼時の注意点について見てきました。
水トラブルが発生した際は、すぐに水道業者を決めて問い合わせをしてしまいがちですが、実は依頼する前にやるべきことがあります。
状況によっては、業者選びは後回しにした方が賢明です。
まず応急処置を施すなど、状況を一旦落ち着かせる必要があるからです。
水道業者に依頼する前におこなうべきことを解説します。
元栓もしくは止水栓を閉める
業者を呼ぶ前に、まずは応急処置として元栓もしくは止水栓を閉めましょう。
どちらかをきちんと閉めないことには、いつまでも水漏れが続きます。
水漏れが長引くと、水道代が高くなりますし、掃除も大変です。
また、詰まりの場合も結局修理前に元栓か止水栓を閉めることになりますので、詰まりが発生した時点で閉めてしまいましょう。
元栓もしくは止水栓をしっかりと閉めれば、一旦状況は落ち着きますので、そうなってからゆっくりと業者選びをすることをおすすめします。
ちなみに元栓と止水栓は役割が異なります。
設置箇所も違うため、下記の表で確認しましょう。
項目 | 元栓 | 止水栓 |
---|---|---|
役割 | 家に供給できる全ての水を調整する。元栓を閉めれば全部の蛇口が使えなくなる。 | 各水栓に対し、個別で水の供給を調整する。どこか1か所止水栓を閉めても、他の蛇口は使える。 |
設置箇所(一戸建て) | 屋外の道路そば付近に埋まっていることが多い | それぞれの設備付近に設置されていることが多い |
設置箇所(集合住宅) | PS部分もしくは他の部屋と一緒に、専用の収納部屋に設置されていることが多い | 一戸建てと同様 |
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自分で修理できないか確かめてみる
いきなり業者に助けを求める前に、余裕があるようなら自分自身で修理できないか一旦考えてみることをおすすめします。
水道水漏れ時の原因は、部品や本体の経年劣化であるケースがほとんどです。
本体の経年劣化ですと蛇口自体の交換が必要になるため修理が少し難しいですが、部品の劣化であれば部品交換で対処できます。
内部に使われているパッキンやカートリッジの交換であれば、それほど修理は大変でありません。
たとえば一般的な単水栓における三角パッキン交換は、以下の手順でおこないます。
- 元栓か止水栓を閉めて水が流れないようにする
- ハンドル上部の留め具を外して、ハンドルを上に引っ張り抜く
- 見えてきたナットをレンチで緩めて回しながら外す
- スピンドルを緩めたら古い三角パッキンをピンセットなどで取り外す
- 新しい三角パッキンへと交換する
- 逆手順で組み立て直し、水漏れが収まったことを確かめる
このように行程としてはそれほど難しくないため、工具をお持ちであれば自分自身で対処できる可能性が高いです。
業者に依頼すると数千円~1万5000円程度費用が発生しますが、自分でおこなえば部品代の数百円~5000円程で済みます。
賃貸の場合は確認を
賃貸にお住いの場合、勝手に修理依頼することは基本的に出来ません。
管理会社や大家さんの許可を得てからでないと修理できない規約となっているはずですので、いきなり業者を呼ぶ前に確認を入れましょう。
激しい水漏れが生じた場合など、状況によってはパニックになってしまい急いで業者を呼びがちです。
しかし集合住宅にお住まいの際も、元栓を閉めればとりあえず水は止まります。
状況を落ち着かせたら、まずは管理会社か大家さんに連絡を入れましょう。
まとめ
水道業者は善良な会社だけとは限りません。
極まれに悪質な業者も存在し、さまざまな名目で追加費用を請求してきたり、必要のない追加工事を押しつけてくることがあります。
そのようなぼったくり業者に引っかからないためには、業者選びの段階で注意しておくことが大事です。
水トラブルは予期せず発生するため慌てて選んでしまいがちですが、きちんとどんな会社なのか確かめましょう。
料金は相場からズレていないか、きちんと水道局指定工事店になっているかなど、細かな点ではありますが確認することで失敗を防げます。
また、余裕があるのであれば相見積もりを取っておく方法が有効です。
複数社の費用を見比べることで、本当に妥当な金額なのか考える材料となり、金額面に不安のある業者を回避できます。