水道工事を業者に依頼してかかる料金は?工事店の選び方のポイント
家の水回りでトラブルが起こったとき、自分で修理しても直らない時は専門の工事店に依頼すると解決できます。
しかし水道業者に頼むと高い、また時々悪徳業者が紛れているから怖い、そんな心配の声もまた聞かれますね。
事実として違法な業者は一定数ありますが、大部分の工事店は法律と適性価格を守って営業しています。
その中でも特に優良な業者を選ぶにはどうしたらよいのか、それは質の良い業者に共通した特徴をチェックすればいいのです。
水道トラブルの基礎知識と併せて、良い工事店を選ぶためのポイントを紹介しましょう。
目次
身近で起こりやすい水道トラブルの事例集
井戸や川まで水を汲みに行っていた昔とは違い、蛇口をひねるだけで必要な水が確保される、そんな当たり前のような一コマの中で水道トラブルが突然起こると慌ててしまいます。
まずは家庭の水回り4か所で起こりやすいトラブルと、その症状を挙げてみましょう。
トイレ
トラブルが起こって最も困る場所がトイレ、衛生上の問題もあるのでいち早く解決したいですね。
トイレで起こりやすい症状には以下の3つが挙げられます。
- トイレが詰まる
- 水が溢れる、流れない
- 蛇口やウォッシュレットからの水漏れ
浴室
浴室は最も多くの量の水を使われ、体をきれいにするだけでなく一日の疲れを癒す場所、お風呂場に多いのは以下の3事例です。
- 排水口の詰まり、流れない
- 蛇口からの水漏れ
- 配管からの悪臭
キッチン
キッチンは毎日必ず、しかも高い頻度で使う場所です。
料理をするだけでなく食器を洗ったりシンクの掃除をしたりと生活と密接に関わっていますね。
キッチンではこんな症状がよく見られます。
- 排水口の詰まり
- 蛇口やハンドルの水漏れ
- 水質異変や排水管からの悪臭
洗面所
洗面所も一日の中で頻繁に使う場所、身支度や手洗いうがい、歯磨きなど、体の衛生管理に関わっています。
洗面所でよくあるのが以下のようなパターンです。
- 髪の毛などで詰まる
- レバーやハンドルからの水漏れ
- 配管から悪臭がする
水道トラブルの主な原因トップ3
家庭内の水回りで起こりやすいトラブルの症状は水漏れ、詰まりや水流変化などの給排水面、さらに水の色やにおいの変質といった水質に関するものが多くあることが分かりました。
こうしたハプニングがなぜ起こってしまうのか、その原因トップ3を並べてみました。
パーツの劣化や異物の詰まり
蛇口やハンドルレバー、壁についている根元からの水漏れは主に蛇口に使われているパーツが劣化することが原因です。
水道器具の内部には、水量を調節するカートリッジやケレップ(節水コマ)、接合部分の隙間を埋めるパッキンといった部品が使われています。
これらのパーツが水の使用と共に削られたり、錆や劣化を起こすと水漏れしやすくなります。
解決させるには部品を新しく交換すること、自分でもできますが水道工事業者に頼むとより早くて確実です。
また流れが悪い、トイレの水位が急激に上下するなどは詰まりが原因のことを多く見かけます。
主に見られるのがトイレットペーパーや髪の毛、時にはスマートフォンをうっかり落としてしまったなど、通常排水口に流すことのない異物によるものまで様々です。
さらに経年使用による錆付きや汚れが沈着していくことでも起こります。
対策は詰まりの元を除去することですが、排水管の奥の方まで行くと一般の人では手が届きません。
水栓や水道管、給湯器の寿命
パーツ交換したのに水漏れが再発した、詰まりを取ったのにトラブルが改善しない、色やにおいなど水の変質の頻度が増えた、こういう場合は蛇口や給排水管に寿命が来ていることが原因のことが多くなっています。
水栓や家庭内の水道管の寿命は平均10年ほどと考えられていますが、家族の人数が増えたりして使用頻度が高くなると、さらに早く寿命を迎える傾向が強まります。
次に給湯器が原因のトラブルも比較的よく見かけますが、これも器具の寿命が原因のことが頻繁にあります。
給湯器の寿命はメーカーによる違いはありますが、一般的なガス給湯器では平均10年くらいと考えられています。
給湯器からの水漏れは故障が原因?配管などチェックすべき部分と修理の方法
災害や凍結によるもの
大きな地震や水害に見舞われたり地盤沈下があった地区、さらに建設工事の什器の衝撃によっても水道管が破損し水漏れするケースがあります。
また冬になると低温によって凍結してしまう例もあります。
凍結の目安は氷点下4℃以下からとされているので、寒冷地でなくても冬の凍結には注意しなければなりません。
対策は内部に残った水を水抜き栓で抜く、外部に出ている水道管や給湯器を専用のシートで保温する方法があります。
水道工事料金の仕組み
水道にトラブルがあった時、一部の修理は自分でも補修できますがこれはあくまでも応急処置、作業に費やす時間を考えると工事店に依頼するのがベストです。
しかし気になるのは料金のこと、果たしてどのくらいかかるのかは誰もが知りたいですね。
水道工事にかかる料金の相場について解説しましょう。
まず、工事内容ごとに、平均的な価格帯を一覧表で見てみましょう。
工事内容 | 工事内容の詳細 | 最安値 | 最高値 |
---|---|---|---|
基本料金 | ベース料金 | 5,000 | 8,000 |
水漏れ修理 | 部品交換のみ | 6,000 | 8,000 |
水漏れ修理 | 蛇口交換(本体やパーツなど) | 10,000 | 70,000 |
水漏れ修理 | (施工費) | 6,000 | 12,000 |
詰まり除去(基本料金含む) | 薬剤投入 | 8,000 | 10,000 |
高圧洗浄機使用 | 10,000 | 30,000 | |
異物除去 | 8,000 | 15,000 | |
排水トラップ交換(キッチン) | 36,000 | 40,000 | |
便器脱着(トイレ) | 15,000 | 20,000 | |
給湯器修理(基本料金含む) | 器具の交換不要 | 10,000 | 20,000 |
交換要 | 100,000 | 800,000 |
基本料金って何?
水道工事店のチラシやサイトでよく見かける基本料金という言葉、それは1人の作業員を派遣するのに使う費用という意味があります。
具体的には車にかかる燃料費や駐車代の諸費用、人件費、修理器具を使うための経費といったものが含まれています。
蛇口交換の費用における注意点について
部品交換だけでは改善できないと判断された場合は蛇口本体の交換が必要です。
その場合の費用は基本料金の他に本体代、取り付けるための工事費(施工費用)が加算されます。
また蛇口のメーカーや仕様、デザインによって金額はかなり違います。
なお施工費の違いは蛇口の種類によるもの、水栓(蛇口)には水かお湯のどちらかを吐水する単水栓、両方を給排水する混合栓の2種類があります。
単水栓の方が取り付けが簡単なのでその分施工費も安くなります。
高圧洗浄機の修理で料金に差がある訳
トイレや排水口の詰まりを取る水道工事には、薬品を使って原因物質を溶かす方法と、高圧力の水を送って汚れを除去する高圧洗浄機の処置が主に使われます。
薬品による処置は基本料金の範囲内に収まることが多いですが、症状がひどい場合には高圧洗浄機でなければ解消できないこともあり、特殊な機械のため別料金になる場合がほとんどです。
ところで高圧洗浄機の作業ではなぜ価格に差が生じているのでしょうか、その訳は清掃する管の長さに関係しています。
汚れの範囲が広いほど作業する管の長さも増え、その分手間もかかります。
工事業者では作業範囲もある程度見越して見積もりを出しますが、実際に清掃していく中で管の長さが想定より長いと追加料金が生じることがあります。
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給湯器交換費用の価格帯が大きい理由
水漏れの他、水道トラブルには給湯器が原因のものでは機器を交換することもあります。
そんな時の費用料金もまた10万円単位の大きな差がありますが、これも機器の種類によるものです。
給湯器の相場は給湯専用のガス機器で6万円から、追い炊き機能のある給湯器では30万円くらい、この他床暖房機能がつくとさらに金額が加算されます。
ガス給湯器より電気給湯器のほうが高額な反面、平均寿命はそれぞれ7~10年、10年~15年と、長く使える点では電気の方がやや勝っています。
優良な工事店の特徴とは
水道工事の多くは専門業者の手を借りた方が早く解決しますが、いざ依頼しようと思ってもどの会社が優良なのか、今一つ分かりにくいですね。
さらに、水道業者とトラブルに遭った例も報告されているため、悪徳業者には絶対に当たりたくありません。
工事を頼む前に知っておきたい、優良な業者の特徴についてまとめました。
優良業者を見極めるチェックポイント
依頼する業者が優良かどうか、まずは以下のチェック項目を参照してみましょう。
料金 | 相場と比べて極端に高い、安いことはないか | ーーーー |
実績 | 創業年数はどのくらいか | お客様からの声はどんな内容か |
エリアや時間帯 | 自分の住むエリアに対応しているか | 夜間にも対応できるか |
営業形態、資格など | 水道局の認定は受けているか | 上下水道、どちらにも対応しているか |
作業員のマナー | 時間通りに来るか | 挨拶、接客の基本はできているか |
見積もり | 作業前に見積もりを出してくれるか | 料金についての説明はあるか |
この中でも特に注意したい項目のポイントをさらに解説しましょう。
料金について
工事を頼むには少しでも安くしたいのは誰もが思うことですが、あまりに安い会社には何かうまい話しが隠れていると思ってほぼ間違いありません。
もちろん良心的な価格で行う優良店もありますが、その場合でも相場から大きくかけ離れた料金設定ではありません。
実績について
工事店の実力を判断する一つの要素が業界経験、これが長いほど信頼されていると考えられます。
水道工事は新規参入が比較的容易な反面入れ替わりも激しいので、長く営業を続けていくのは相当信頼されていないと難しいです。
その他にぜひチェックすべきなのがお客様の声、実際に利用した人からの意見は大変参考になります。
エリアや時間帯について
水道工事店には、全国規模で行っている大手企業から地域密着で営業する小規模まで様々です。
どちらにもそれぞれの良さがありますが、住んでいる地域で対応しているかどうかはきちんと確認しましょう。
また水道トラブルは深夜であろうが年末年始であろうが、関係なく起こります。
時間外の修理の可否も確認しておくと、いざという時でも慌てずにすみます。
営業形態や資格について
工事店は営業するにあたって指定業者として水道局の認定を受けなければなりません。
しかし中には、指定を受けずに修理をしている業者があるのも事実、料金が異様に安い会社に見られやすい傾向が高いので、つい目が行ってしまいます。
しかしそのような会社が工事をすると、ペナルティとして水道供給を止められてしまうという例もあるので、必ず認定を受けた業者であるべきです。
また水道には上水道と下水道の2種類がありますが、水漏れや詰まりなどは上水道工事資格があればできます。
しかし配管の水漏れなど水道管に手を加える工事は下水道の資格を持っていないと行えません。
修理を進めていく中で水道管の大掛かりな作業が必要と判断された時、どちらの資格もある会社だと1回で済むので、ぜひ確認しておきましょう。
作業員のマナーについて
工事店への評判で最終的な決め手となるのが作業員のマナーについては言うまでもありません。
時間を守る、基本的な接客マナーがある、作業が丁寧なことはもちろんですが、何よりも重要なのが料金についての説明をきちんとするかです。
通常、作業をする前に依頼主から症状をヒアリングした上で現場を見て、その後修理費用の見積もりを出しますが、この時に追加料金について説明してくれる作業員であることは必要条件です。
ただし実際に作業をしていく中で想定外のことが起こることもあります。
そう考えると水道トラブルは早めに業者に依頼するに越したことはありませんね。
水道の修理を業者に依頼する時に気を付けるべきポイントや注意点まとめ
まとめ
家庭内の水回りで起こりやすいトラブルは水漏れや詰まりなどが多くなっています。
その原因は部品によるものであれば自分で補修できますが、器具の寿命や自然現象が原因の場合は対応できないことも多くあります。
その場合は専門業者の手が必要になりますがそのためには一定の料金が必要、金額も工事の難易度に比例して高くなります。
優良な工事店の特徴は適性な料金設定、豊富な業界歴、水道局から上下水道工事の資格を得た認定業者、そして仕事が丁寧で明確な説明力のある作業員がいることです。
水を毎日安全に使うためにも、水道トラブルをいち早く適切に解決するには優秀な工事店の力は大変大きいです。