自分でできる水道水漏れ修理の方法や直らない時プロに依頼する判断基準
水を使おうとして蛇口から水漏れを発見してしまうと、どうしても焦ってしまいますね。
実は水道水漏れ修理は自分で直すことも可能、その方法を知っていると大変便利です。
しかしそれでも直らない場合は、水道工事の業者の力を借りる時です。
そうは言っても業者に頼めばお金がかかるといった心配もつきもの、ですが大切なライフラインを長く安全に使うためには、プロの的確な判断と技術が必要な時もあります。
水道水漏れ修理を自分で行う方法と、直らない場合の依頼への判断基準について、手順や気になる費用相場も併せて紹介しましょう。
目次
水道水漏れ修理を自分で行える範囲はどこまで?
水道水漏れ修理は早い段階で気づけば、自分で処置することも可能です。
どこまでの範囲ならできるのか、その基準と手順、さらに気になる費用相場についてもまとめました。
水漏れの原因はパーツの劣化?交換なら自分で直せる?
水漏れを発見しても慌てず、まず水の動きを止めるために元栓を締めましょう。
その後、場所を特定し、それに合った方法で補修します。
一般家庭で主に使われている水栓(蛇口)は単水栓と混合栓の2つのタイプがあり、混合栓についてはさらに3つあり全部で4種類、水回りの基礎知識として知っていると便利です。
水栓の種類 | 単水栓 | 2ハンドル混合水栓 | シングルレバー 混合水栓 | サーモスタット 混合水栓 |
---|---|---|---|---|
ハンドルの数 | 1つ | 2つ | 1つ | 2つ |
特徴 | 水の出し止めをするだけのシンプルな機能 水か湯のどちらかだけを吐水する | 1つの吐水口に水と湯の出るハンドルが2つある ハンドルの加減によって水温調節する | 1つのハンドルで吐水量、温度が調節可能 ハンドルを左右や上下に動かして使う | 温度調節やシャワーへの切り替え機能が搭載 |
主に使われる場所 | 洗濯機や庭 | キッチン、洗面台など | キッチン、洗面台など | 浴室など |
次に、水漏れの原因となりやすいパーツを3つ挙げましょう。
- パッキン(接続部を密閉するのに使うシール状の部品。ドーナッツ状や三角タイプがある)
- カートリッジ(主にシングルレバー混合水栓に使われ、水の出し止めや湯水を切り替えるために使う)
- ケレップ(水の出る量を調節するコマ状のパーツ、節水コマともいう)
部品交換の手順
水漏れが初めて起こった時は、水栓内部のパーツの劣化が主な原因となることが多いです。
正しい手順に従って部品を交換すれば、一時的には水の漏れを抑さえられます。
なお修理を自分で行うためには、パーツの他、器具をつけ外しするための工具も必要です。
主に以下のものがあれば便利です。
- モンキーレンチ(ナットの着脱用)
- プライヤー(ペンチ)
- ドライバー2種類(プラス、マイナス両方)
その他あると便利なものです。
- ブラシ(給水管の掃除用)
- タオル(蛇口に残った水がこぼれたら拭くため)
- 六角レンチ
- シールテープ
部品と道具をそろえたら、以下の手順に従って行います。
水栓のタイプによってやり方が違うので、適切な方法で補修しましょう。
なお交換が終わったら手順を逆にしてハンドルを元通りに組み立て、元栓を緩めて水の出を確認します。
この時に異常がなかったら応急処置は成功です。
名称 | 単水栓 | 2ハンドル 混合水栓 | シングルレバー 混合水栓 |
---|---|---|---|
手順(ケレップ、カートリッジ交換時) | 1. ハンドルの青いビスを外し、ハンドル本体を外す 2. 内部のケレップを交換する | 1.ハンドルを固定しているナットを外し、ハンドル本体を外す 2.内部のケレップを交換する | 1. レバーハンドルのネジを外し、ハンドル本体を外す 2. 外カバーも外す 3. カートリッジを抜いて新しいものと交換 |
手順(パッキン交換時) | 1. 吐水口を固定しているナットを外す(ハンドルから漏れている場合はハンドルも外す) 2. パッキンを交換する | 単水栓に同じ (根本のパッキンは水栓から外した後に行う) | パッキンがない場合はカートリッジ交換で対応 |
手順(壁掛けタイプで、水栓の根本部分からの水漏れ時) | 1. ハンドルを回して残留水を出す 2. 水栓を回して壁から外す 3. ブラシで内部をきれいにする 4. シールテープを付ける 5. 水栓を付け直して完了 | 1. 接合部のナットを外す 2. クランクを外す 3. ブラシで内部をきれいにする 4. クランクを取り付け、回転数と高さを確認 5. 一度外してシールテープを付ける 6. クランクを元の4.で確認した通りに取り付け、水栓を壁に接合して完了 | 壁掛けタイプは少ないので業者依頼がおすすめ |
※サーモスタット混合水栓は温度調節の機能などがあり手順も複雑なため、業者に依頼することがすすめられます。
混合栓の水道のパッキンは自分で交換できる?寿命や構造を詳しく解説
自分でやって直らない時は修理業者を呼ぶべき?その判断基準とは
新しいパーツに無事交換できたにもかかわらず、しばらくして再び水漏れが起こるという話も実は決して少なくありません。
そうなるともう部品交換だけでは対応不可能なので、業者の力を借りることが強くすすめられます。
ではどんな時にプロのお助けが必要か、その判断基準について挙げてみました。
2回目以降も同じ箇所で水漏れした時
初めての水漏れであれば自分で修理して一定期間は水漏れ被害が抑えられたように思えますが、2回目も同じ場所で起こると他の原因を考えなければなりません。
パーツ劣化と同じく原因となるのが水栓の寿命です。
蛇口の耐用年数は10年ほどと考えられていますが、家族の人数や使用頻度によってはさらに短縮される場合も珍しくありません。
10年程度使っていくうちに、主に以下のような兆候が見られます。
- 水漏れが頻発
- ハンドルやレバーが動きにくい
- お湯が出にくかったりぬるい
- 錆びた色の水が出てくる
このような現象が2回目以降も現れる場合は部品だけで改善することはありません。
忙しくて時間がない
水道修理だけに極力お金をかけないためなら自分でやってしまおう、多くの人がそう考えます。
しかし自分で行うとお金以上に時間がかかるという点も忘れてはなりません。
普段当たり前のように使っている水道ですが、その内部構造や設置方法まで熟知していないと、水漏れ箇所の特定やパーツを探し出す作業も時間がかかるのは当然です。
さらに作業方法の知識はあっても、実際にやってみると思いのほか汚れが溜まっていたりすると想定以上に時間を要し、時には半日程度かかることもあります。
一方業者が作業すると軽度の水漏れでは最短で1時間程度、蛇口交換でも平均数時間くらいで完了するので大幅な時間短縮になりますね。
仕事が忙しくて貴重な時間を使うのがもったいない、そういう人こそ業者に依頼すればあっという間にトラブル解決できます。
修理の技術に自信がない
水道水漏れ修理を行うには、レンチやドライバーなどの工具がよく登場します。
そのため普段から工具を使い慣れていない、まして滅多に見ない水道器具の内部に手を加えることに自信がなければ無理せず業者に頼みましょう。
水漏れの原因には、部品の接合が不十分という例もあります。
パッキンが緩んでいたり大きさが誤っていると、いくら直しても効果はありません。
またナットの締め付けが足りなくても同じことが起こります。
業者は日々の仕事で毎日のように専用工具を使っているので、そのような初歩的ミスによるトラブルはまず心配ありませんね。
工具やパーツを持っていない
水漏れの自己修理には工具の存在が欠かせませんが、必要な工具が全て揃っているとは限りません。
そうなると、工具を買うためのお金やホームセンターに行くための時間を費やすことになります。
またパーツの大きさも一律ではないため、最寄りのホームセンターで取り扱いがなかったり、メーカー取り寄せで在庫がない場合は余分な時間がかかってしまいます。
そのような時でも、業者に依頼すればそうした出費や手間も一切ありません。
修理業者では全国にあるあらゆる器具や水栓に対応できる様々な専門道具や部品が取り揃えてあり、依頼主の使用している機種に合ったものを選んでくれます。
水道修理のためだけにあれこれ準備する手間を考えるより、初めから業者の力を借りた方が考え事も少なくてすみますね。
水道工事を業者に依頼してかかる料金は?工事店の選び方のポイント
給湯器が原因の場合
水漏れの原因として意外と多く見かけるのが、給湯器が原因のものです。
給湯器とはガスや電気の力で水を温めてすぐに湯を使えるための機器、もはや現代の家庭には欠かせないアイテムの一つにもなっています。
その給湯器からも水漏れを起こしてしまう現象がありますが、その場合、自分だけで修理することはおすすめできません。
その理由は危険性があるからです。
ガス給湯器の水漏れの原因に多いのは、部品の経年劣化、冬場の配管凍結、業者の取り付けミスなどです。
もしそれを放置するとガス漏れが発生し、一酸化炭素中毒や爆発を起こしてしまいかねません。
また電気給湯器の場合でも、器具が経年劣化していれば配電盤などから漏電してしまうおそれもあります。
いずれにしても、最悪の事態は何としても避けなければなりません。
周囲への安全性も考えると、給湯器の水漏れはもはや専門業者の力を借りなければなりません。
もし給湯器から水漏れを見つけたら、以下の手順で対処しましょう。
- 1.給湯器のコンセントを抜く
- 2.水漏れの場所を特定
- 3.水抜き栓から水が出ていないかを確認
- 4.3.を踏まえ、水が出ている場合は再度電源を入れて作動するか確認(凍結による減圧の可能性)。出ていない場合、電源は抜いたままその他の部位を見る。
- 5.本体や接続部からの水漏れは、給水元栓も絞める
- 6.使用年数を調べ、業者に連絡する
給湯器の配管の水漏れは放置厳禁?原因や応急処置の方法をまとめました
マンションの共有部分の配管
マンションの共有配管からの水漏れの場合、自分で修理することは厳禁です。
共有部分だけあって配管は住人全員で使用するもの、もし誤った修理方法をしてしまうと問題が大きくなる恐れがあります。
この場合は一般の業者ではなく、まず管理会社に連絡をしましょう。
そこで状況を詳しく説明し、必要だと感じれば業者を手配してくれるでしょう。
ただしその場合は管理会社と提携している業者になる可能性が高いです。
費用については毎月支払っている管理費で賄える場合もありますが、水漏れの程度によって大掛かりな修理となると別途請求される可能性もあります。
配管からの水漏れ
キッチンや洗面台の下を開けると、ポリエチレン製の管と鉄製の太い管があることに気づきます。
この部分から水漏れするトラブルも比較的多いので、ぜひ知っておきましょう。
これら2種類の管のことを配管といい、鉄製の太い方が給水管(水が送られてくる方)、ポリエチレンの細い方を排水管(水を送る方)といいます。
それぞれの主な水漏れの原因は以下の通りです。
- 給水管の場合は高圧力が保たれ、そのため災害や凍結が起こると水漏れすることがある。
- 排水管の場合は、パイプ材質の経年劣化が多い。
いずれの場合でも専用のテープで防ぐことも可能ですがあくまで応急処置、被害が大きくなる前に業者に連絡しましょう。
地中の水道管による原因
水道管は家庭内にあるものだけでなく地中に埋まっているものもありますが、実はこの地下水道管が水漏れしてしまうということもあります。
地下水道管で多い原因のトップ3は以下の内容です。
- 経年劣化
- 地震や凍結による自然の現象
- 建設工事などによる物理的な衝撃
また近辺でもし以下のような現象が見られる場合、水道管の水漏れの兆候として考えられます。
- 水道代が急激に上がった
- 地面がいつも湿っている
- シューっという音が聞こえる
地中の水道管も配管の時と同様、専用のテープで応急処置をした後、すぐに業者に連絡しましょう。
セルフVSプロ、安いのはどっち?
最後に、最も気になる費用と所要時間について、自分でやるのと業者がやるのではどのように違いがあるか、最安値の平均を一覧表にまとめました。
項目 | 自分で修理 | 業者依頼 |
---|---|---|
内訳 | ||
パッキン代 | 200 | 0 |
カートリッジ代 | 200 | 0 |
工具(モンキーレンチ)代 | 3000 | 0 |
工具(ドライバー)代 | 2000 | 0 |
工事費 | 0 | 5000 |
蛇口本体(交換が必要な場合)※ | 5000(単水栓の場合) | 15000 |
合計 | 約6000~10000 | 20000 |
補足 | ※蛇口本体は形式やメーカーによって、数万円程度まで幅がある | ――― |
業者に依頼すると確かに1万円程度の差はありますが、逆に言えば、初めから業者に頼んでいればその修理代は必要ありません。
つまり、費用の面では意外にもそれほど大きな差がないことが分かります。
まとめ
水道から水漏れをしている時、自分で直せる場合と業者に依頼すべき場合をしっかりと見極めましょう。
早く気づいて被害も少なければ部品交換で補修可能、ただし通常水漏れするには何らかの原因があり、放置していて改善することはまずありません。
自分でやったけど直らない、器具や設備の寿命、配管や水道管に由来するもの、マンションの共有部分、そして時間や道具がない場合は迷わず業者に依頼しましょう。
さらに意外な事実として、費用の比較をしても自分で行う場合と結果的にはそれほど変わりありません。
いずれはやってくる水道管メンテナンスの時のためには、プロの手による仕事の方が確実性が高いのでおすすめです。