知らなきゃ損!洗濯機ホースの排水つまりを防ぐ簡単お掃除テクニック

洗濯機の排水口やホースの詰まりによって起こるトラブルには、大きく分けて2つのパターンがあります。
1つ目は、洗濯機が停止してしまい、途中から洗濯が進まなくなるというトラブルです。
2つ目は、洗濯パンから水があふれ、洗面所が水浸しになるといった被害です。
いずれのトラブルも、掃除を行えば修復は可能ですが、そもそも発生させないことが何より重要です。
今回は、洗濯機のホースや排水口に関するトラブルが発生した場合の掃除方法と、トラブルを未然に防ぐための掃除のポイントについて詳しく解説します。
洗濯機の排水つまりの原因

洗濯機の排水トラブルはホースが原因の場合と排水口が原因の場合、そして排水管が原因の場合があります。
このうち、掃除で対応できるのはホースと排水口のつまりのトラブルです。
まずは、洗濯機の排水の仕組みから見ていきましょう。
洗濯機の水の動きと排水の仕組み
詰まったときに、掃除がしやすいように、洗濯機の構造や排水ホースへ水が流れる仕組みを知っておきましょう。
洗濯機の中の洗濯物を入れる部分を洗濯槽と呼んでいます。
洗濯槽の外側には水槽と呼ばれる部分があり、水は水槽の中にたまっています。
ボウルの中にざるが入っている状態を想像するとわかりやすいかもしれません。
水をためる部分と、洗濯物を入れる部分の2重構造になっているわけです。
洗濯槽には穴が開いているため水槽の水はそのまま洗濯槽の水になります。
洗濯槽の下にある撹拌羽根(パルセーター)が回ると水流ができ、中の洗濯物が洗われます。
洗濯物についていたゴミや繊維くずは水中に漂った状態です。
それらのごみは糸くずフィルターがこしとっていますが、すべてのごみを集めることはできません。
洗濯やすすぎが終わったときや脱水などに排水するタイミングで、洗濯機下部の排水弁が開きます。
洗濯機の水は排水ホースから洗濯パンにある排水口へと流れ込みます。
洗濯機の排水ホースや排水口を詰まらせるものは何?
洗濯機から排水ホースへ流れる水には、糸くずフィルターで取りきれなかったゴミも一緒に含まれています。排水される水の中には、以下のようなものが混ざっていることがあります
衣類の繊維くずや、ポケットに入っていたティッシュペーパーなどの小物類
洗濯機内部に付着していたカビが水流で剥がれ落ちたもの
衣類に付着していた髪の毛
こうしたゴミが排水ホースの中にたまることで、つまりの原因となることがあります。
さらに、排水ホースのトラブルは「ゴミによるつまり」だけではありません。「ホースが折れている」「無理な角度で置かれている」など、ホースの状態や設置の仕方も、排水不良の原因になります。
洗濯機ホースの排水つまりトラブルの対策
洗濯機の排水ホースが詰まったときは洗濯機が動作を止めてしまいます。
原因とつまり解消の掃除方法を見ていきましょう。
洗濯機のホースが詰まるとどうなる?
洗濯機の排水ホースにつまりがおこると、洗濯が途中で止まります。
洗濯機にエラー番号が表示されますので、確認して洗濯ホースが原因の場合はホースを確認しましょう。
排水ホースのつまりがおこった場合は、洗濯機が排水を止めるため、洗濯パンから水が溢れるなどの被害は、基本的に起こりません。
排水ができない時の各メーカーのエラー番号
代表的な洗濯機メーカーの洗濯機に表示されるエラー番号を一覧にしました。
| メーカー | エラー番号 | 備考 |
| 日立 | C02 | 洗濯・脱水槽および排水ホースに水がたまっていて、正常に排水されないときに表示されるエラー |
| シャープ | E3 | 洗いやすすぎ後の排水ができなくなった時に表示するエラー |
| Panasonic | U11 | 洗いやすすぎ後の排水ができなくなった時に表示するエラー |
| 東芝 | C1 | 排水されないため[排水点検]が表示される |
原因別洗濯機の排水ホースの詰まりの解消方法と掃除
排水ができないときに洗濯機に表示されるエラーは一つですが、原因はいくつか考えられます。
【洗濯機ホースのつまりの原因1】ホースが折れている
洗濯機の横でホースが「折れる」「ねじれる」「何かが上に乗ってつぶれる」といった状態になると、水がスムーズに流れません。
まっすぐなるようにホースを直しましょう。
少々面倒なケースでは、洗濯機の下で排水ホースが折れている場合です。
見えない状態なので確認ができませんが、排水ができなくなる前に洗濯機を動かした場合は洗濯機の下で折れが発生している場合もあります。
思い当たる場合は、洗濯機の水をくみだすなどして、2人以上で確認しましょう。
無理に動かすと故障や破損、けがの可能性もありますので、十分注意しましょう。
【洗濯機ホースのつまりの原因2】ホースが一部高くなっている

洗濯機下から出た排水ホースが、排水口までに10cm以上高くなっている部分がある場合は、水が流れるようにホースの位置を下げましょう(縦型・ドラムどちらとも)。
15cm以上持ち上がって いると、排水が止まるメーカーもあります。
しかし、ホースはできるだけ平らに置くようにする方が、ごみのつまりも防げます。
【洗濯機ホースのつまりの原因3】ホース内部でゴミなどがつまっている
排水ホースの太さや、洗濯機から排水される水が大量であることを考えると、ホース内でつまりが起きることはまれです。
洗濯時には洗濯機内にゴミの排出が少なくなるよう事前の対策が大切です。
- ポケットの中にあるものを出す
- 目立つ糸クズやごみは取ってから洗濯機に入れる
- 全体に小さなゴミやホコリがついている服は、洗濯機に入れる前にブラシをかける
- 洗濯槽の裏につくカビ取りを定期的に行う
排水ホースの汚れとお手入れ
- 排水ホースに詰まりが発生する原因のひとつに、洗濯槽から流れてくる汚れやカビがホースの内側に付着し、通水部分が徐々に狭くなってしまうケースがあります。
- このような汚れはすべて洗濯機から排水とともに流れてくるため、以下の点に注意が必要です。
- お風呂の残り湯を使わない
おふろの残り湯は湯垢や人の皮脂・汚れなどが溶け込んでいます。
排水ホース内を流れるときに、内部に付着し、それ等を栄養分としてが発生するかもしれません。 - 洗濯機のゴミ取りネットやゴミ取りフィルターの掃除
ゴミ取り袋やフィルターからあふれた糸くずなどのゴミは排水ホースに流れ込みます。
ホースの内側が狭くなっていたら詰まる原因になるため、定期的にごみを取りのぞきましょう。
排水ホースの掃除の仕方

排水ホースのつまりが原因の場合は、排水ホースを取り外してホースの中を掃除しましょう。
<排水ホースの掃除道具>
- ビニール袋
- 輪ゴム
- お湯
- 酸素系漂白剤
- スポンジ
- ブラシ
- ジョウロ
<排水ホースの掃除方法>
- 洗濯機の電源を抜き、給水蛇口を閉める
- ホースを取り外すために洗濯機を動かすため、必要があれば給水ホースを外す(無理に引っ張ったり押されたりで給水ホースが痛む可能性がある)。給水ホースを外すときに、水が噴き出すため不要なタオルなどをかぶせてから外す
- 排水口の排水ホースを外す。洗濯パン内のエルボと排水ホースをつないでいるクリップを緩め外す
- 洗濯機下部に接続されている排水ホースを外す。排水ホース内に水が残っている場合があるので注意
※取り外す前に、取扱説明書で排水ホースの位置や外し方を確認しておく - 排水ホースの片側にビニール袋をかぶせ輪ゴムでしっかり止める
- ジョウロに40℃くらいのお湯を入れ、酸素系漂白剤(オキシクリーンなど)を溶かし、排水ホースにいっぱいまで流し込む。(例:水4Lに対してオキシクリーン をキャップ1杯 =28g入れる)
- 流し込んだ口にもビニール袋をかぶせ、輪ゴムで止めて30分放置する。温度が下がりにくいように段ボール箱に入れるかバスタオルで巻いておくと、汚れが落ちやすくなる
- 時間が来たらホース内のお湯を少し捨て、もう一度しっかり封をして、排水ホースを振って中の汚れが剥がれるように振る
- 中のお湯と汚れを捨て、ホース内を水で洗い流す
- 外側にほこりがついていたら、スポンジかブラシを使い中性洗剤で洗う
- 外した時と逆の手順で、排水ホースを取り付ける。給水ホースを取り付け、給水の蛇口を開けて、コンセントを入れる。
洗濯機を通常の一番少ない水量で確認のため動作させてみる。排水ホースからの漏れがなければ完了。
洗濯機のホースの取り替え
取り換える方が簡単ですっきりする場合は、取り換えを検討しましょう。
洗濯機の排水ホースはジャバラ状になっているため、内側をすみずみまできれいに掃除するのはなかなか難しい作業です。
そのため、ホースの掃除に時間をかけるよりも、新しいものに交換してしまうほうが効率的な場合もあります。排水ホースはホームセンターなどに売っており1,000円前後で購入でき、比較的手軽に入手可能です。
交換の際は、洗濯機の下にある排水口との接続部分から現在のホースを取り外し、新しいホースをつなぐだけです。洗濯機を一度動かす必要がある点は掃除のときと同様ですが、交換の方が手間は少なく、作業時間も短くて済むでしょう。
「詰まっているかもしれない」と感じたときには、排水ホースの交換も選択肢の一つとして検討してみてください。
洗濯機の排水ホースに異常がない時はエルボをチェック

エルボと呼ばれる、排水ホースと排水管をつないでいる直角に曲がったパイプがあります。
このエルボでつまった際も、洗濯が止まりエラーを表示します。
エラー番号はホースのつまりと同じですのでホースに異常がない場合は、エルボのつまりを確認しましょう。
排水溝周りがぬれるのは水がスムーズに流れず、少し溢れているからですね
排水トラップがつまりを起こしているときの対策

洗濯機の排水口は掃除を怠ると、つまりをおこす可能性が高い場所です。詰まると起こる現象と掃除の仕方を見ていきましょう。
排水トラップが詰まるとどうなる?
洗濯機の排水ホースからの水が排水口のトラップ内でつまると、水があふれます。
排水ホースからは水が排出されるため、洗濯機は察知できず排水は止まりません。
洗濯パンを水がこえると、洗濯機の周りが水浸しになりますので、洗濯機の排水トラップは定期的に掃除が必要です。
排水トラップはゴミがたまりやすい
排水トラップには、衣類の繊維くずやホコリ、髪の毛などのゴミがたまりやすくなっています。
これらの汚れが蓄積すると、トラップ内にカビが発生したり、内部が黒ずんで見た目が悪くなるだけでなく、嫌なニオイの原因にもなります。
月に一度程度は、トラップを外して中を確認してごみを取り除き、パーツの洗浄をおすすめします。
排水トラップの掃除の仕方

<道具>
- スポンジと古歯ブラシ
- 酸素系漂白剤(オキシクリーンなど)
- お風呂用洗剤
- 小さめのバケツかペットボトル
- 雑巾
- ゴム手袋
<手順>
- 掃除は洗濯機が止まっているときに、プラグを抜いてから行いましょう。
- 洗濯機の排水ホースを排水口から外す。上にまっすぐ持ち上げればホースごと外れる。エルボと排水ホースを止めている金具を外し、エルボをホースから抜く
- 排水トラップのパーツを外す。外す際に、中にゴミがたまっていないか確認し、ワンの中にゴミがあれば流さずにそのまま持ち上げて、ごみは絞ってゴミ箱に捨てる
(目皿・排水筒・消泡筒・ワンなどのパーツがあるので、慣れていない場合は、外した順番に並べ写真を撮っておく。戻す際に順番がわからなくなると確認するため) - 排水トラップ周辺と中をお風呂用洗剤とスポンジや古歯ブラシで洗い、ペットボトルかバケツで流す。水が澄んでくるのを確認する
- 排水トラップのパーツを洗う。お風呂用洗剤を使って、パーツを洗う。汚れがひどい場合は、酸素系漂白剤を溶かしたお湯に30分程度つけ置きする(水2Lに対して大さじ1の割合で溶かす。湯温は40~50℃)
- 時間が来たら水ですすいで、排水口にパーツを戻していく
- 洗濯ホースにエルボをつなぎとめ金具で止付けて排水口に差し込む
トラップを掃除しても排水が流れない場合は、トラップのさらに奥にある排水管で詰まりが発生している可能性があります。
排水管は床下や壁の中を通っているため、目視での確認や自力での掃除は難しいことがほとんどです。このような場合は、無理に対処しようとせず、専門の業者に相談・依頼することをおすすめします。
洗濯槽の掃除 で排水の中のごみを減らす

洗濯機ホースに流れ込むごみを減らすために、洗濯槽の掃除を行いましょう。
洗濯槽の裏側は水槽との間で水分が蒸発しにくい場所でもあるため、カビが発生しやすい環境です。
洗濯槽の裏側に汚れとカビがびっしりついているケースもあり、洗濯中にその汚れがはがれてゴミとなって流れていきます。
定期的に洗濯槽を洗浄することで洗濯槽の汚れを減らすことができます。
暑い時季は1か月に一度、寒い時季は2か月に一度を目安に掃除をしましょう。
洗濯槽の掃除方法
ここで紹介するのは、ドラッグストアで購入できる酸素系洗濯槽クリーナーを使って掃除する方法です。
洗濯槽クリーナーには塩素系と酸素系があり、塩素系クリーナーは殺菌力が強く、酸素系クリーナーは汚れをはがして取るパワーに優れています。
酸素系クリーナーは酸素系漂白剤(オキシクリーンやワイドハイター・粉末)で代用できます。
<道具>
- 洗濯槽クリーナー
<手順>
- 洗濯機の電源を入れ、高水位まで給水する
- 40℃前後のぬるま湯を使うと効果的に汚れを落とせる(風呂の残り湯は使用しない)
- 洗濯槽クリーナーを一袋すべて入れる
- 3~4分洗濯機を動作させてクリーナーを溶かし、3~4時間放置する
- 時間が来たら、そのままの状態で標準の洗濯コースを動作させる
- 洗濯後、洗濯槽に汚れが残っていたら、ごみ取りネットとごみ取りフィルターを掃除して、ごみが無くなるまで1~2ターム標準コースですすぐ。
専門業者に依頼するケースは
つまりの原因がホースではなく、洗濯機内部の排水経路にある場合
⇒ この場合は、洗濯機メーカーに修理を依頼する必要があります。
つまりの原因が電気的な故障によるもの(排水ポンプの不具合など)の場合
⇒ こちらもメーカーによる修理対応が必要です。
排水トラップより先、床下や壁の中にある排水管でつまりが発生している場合
⇒ 水道業者など、排水管の専門業者への依頼が必要です。
洗濯機が重く、自力で動かせずホースの取り換え作業ができない場合
⇒ 洗濯機は、縦型で約60kg、ドラム式では約80kg前後と非常に重いため、無理をせず水道業者などに依頼しましょう。
洗濯機の排水つまり取りの費用
業者に依頼する際に、気になるのは費用ではないでしょうか。下記はつまり取りの費用と配管清掃の費用の参考額の一覧です。
この表は一例で、依頼する業者により料金は異なります。
| 修理内容 | 費用相場 | |
| 洗濯場 | トラップの分解・清掃 | 8,000~15,000円 |
| 洗濯機の移動(縦型) | 4,000~8,000円 | |
| 排水管清掃 | トーラー作業 | 15,000~25,000円 |
| 高圧洗浄作業 | 15,000~30,000円 | |
※トーラー機や高圧洗浄機を使った作業の場合、排水管の距離数や詰まりの状況によって料金が変動する事が多いです。
依頼する際には、必ず費用と追加料金などの確認をしましょう。
自力で洗濯機ホースや排水つまりの掃除ができない時はプロの手を借りよう(まとめ)
今回は、洗濯機の排水つまりの原因となる排水ホースと排水トラップの掃除方法についてご紹介しました。
洗濯機の排水ホースやトラップのつまりを防ぐことが、トラブルを未然に防ぐ最も効果的な対策です。
以下の3点に気をつけるだけで、排水つまりのリスクを大幅に減らすことができます。
洗濯機を動かした際には、排水ホースの状態を必ずチェックする。
ゴミ取りフィルターやゴミ取りネットはこまめに掃除する。
月に一度は排水トラップを確認し、ゴミや汚れがあれば取り除きましょう。
万が一、つまりの解消やホースの交換が自分で難しいと感じた場合は、無理せず専門の業者に依頼することをおすすめします。洗濯機は重いため、無理に動かそうとして、怪我をしたり、洗濯機を破損したりの可能性もありますのでご注意ください。



