洗濯機の蛇口…毎回閉めてる?開けっ放しのリスクとその修理・交換法

「洗濯機の蛇口を毎回閉めるのは面倒だな」と感じてそのまま開けっ放しにしていませんか?
実は蛇口の開けっ放しは、思わぬ水漏れや故障の原因になることがあります。
面倒でも、洗濯機の蛇口は閉めるのが正解なのです。
この記事では、蛇口を閉めるべき理由や、開けっ放しで起こるトラブルを紹介します。
また、万が一、洗濯機の蛇口が水漏れが発生した場合の修理方法や、交換方法、安心して使える蛇口の選び方まで、わかりやすく解説します。
洗濯機の蛇口は閉めるべき?開けっ放しはリスクあり?
洗濯が終わったあと、蛇口を開けっ放しにしてしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし、蛇口を閉めないことで、水圧や劣化によるトラブルのリスクが高まります。
ここでは、開けっ放しで起こりやすい具体的な問題を順番に解説していきます。
蛇口の開けっ放しは水道代には影響しないが危険
洗濯機の蛇口を開けっ放しにしていても、水漏れなどのトラブルが起こらない限り、水道代は余分にはかかりません。
これは、洗濯機内部にある「電磁弁(ソレノイドバルブ)」が給水をコントロールしているため、不要時に洗濯機に給水されることがないためです。
【電磁弁のしくみ】
洗濯機のスイッチを入れてスタートボタンを押すと、電磁弁が開き給水され、規定量で自動的に電磁弁が閉じて止水されます。洗濯機を使っていないときは蛇口からの水は止まった状態です。
しかし蛇口を開けっ放しにすると、蛇口やホースの劣化で突然水漏れが発生するリスクがあります。
洗濯機の蛇口からの水漏れは、被害が大きくなる可能性が高いため、安全面から「毎回蛇口を閉める」ことが大切です。
水圧による蛇口やホースの破損
洗濯機の蛇口を開けっ放しにすると、洗濯機の「電磁弁」に常に水圧がかかり続けているため、部品への負担が高い状態です。
蛇口と電磁弁はホースで接続されているため、水圧の影響でホースが外れたり、亀裂が入って破損したりする可能性もあります。
長年使用しているホースやパッキンは劣化が進むため、交換などのメンテナンスが必要です。
電磁弁が故障すると、水漏れだけでなく給水ができなくなるケースもあるため、給水に異常がある場合は、早めに修理する必要があります。
ジョイント部分やパッキンの劣化
洗濯機の蛇口とホースをつなぐジョイント部分には、パッキンが使われています。
蛇口を開けっ放しにしていると、常に水圧がかかり続けパッキンの劣化が早くなり、接続部の密閉性が弱まるため、漏水トラブルにつながることもあります。
定期的な点検と交換とともに、パッキンに負担をかけないように、蛇口を閉めることが大切です。
地震や不在時の水漏れリスク
洗濯機の蛇口を開けたまま外出した際、ホースが外れてしまうと帰宅するまで気づかない可能性があります。
長期不在時に漏水すると、非常に大きな被害につながります。
また、地震や振動で洗濯機が動き、ホースが引っ張られて外れるケースがあるかもしれません。
集合住宅でホース外れの水漏れが起こると、階下への漏水被害も考えられます。
高額な請求のリスクを減らすためにも、洗濯機使用後に蛇口を閉める習慣が大切といえるでしょう。
開けっ放しで水漏れしたときの応急対処法
もし洗濯機の蛇口を開けっ放しにしたことで水漏れが起きたら、応急処置が必要です。
ここからは、すぐに実践できる対処法を順を追って解説します。
万が一の際は、落ち着いて対応しましょう。
STEP1. 蛇口を閉める
水漏れを発見したら、まずは蛇口をしっかり閉めて水を止めます。
蛇口からの水が止まらないときは、「水道の元栓」を閉める必要があります(洗濯機の蛇口には通常止水栓がないため)。
元栓は、戸建て住宅であれば屋外のメーターボックス内に、マンションの場合は玄関付近のパイプスペースに設置されているのが一般的です。
元栓を閉めると家全体の水道が止まりますが、被害を最小限に抑えるために早めに対処しましょう。
STEP2. 洗濯機の電源を抜く
蛇口を閉めたら、次に洗濯機の電源を必ず抜きましょう。
水漏れ時に電源が入ったままだと、感電や洗濯機本体の故障につながる危険があります。
洗濯機の電源をオフにした後、必ず乾いた手でコンセントを抜いてください。
もし床に水がたまっているような場合は、滑らないよう注意しながら操作を行いましょう。
安全のため、手が濡れていないことを確認したうえで、乾いた手でコンセントを抜くことが大切です。
STEP3. 漏れた水を拭き取る
電源を抜いたら、次は床や洗濯パンに漏れた水を速やかに拭き取りましょう。
タオルや雑巾で吸い取るのはもちろん、おむつなど吸収力の高いものを活用するのも効果的です。
濡れた床を放置すると、湿気でカビの原因になります。
賃貸住宅の場合は、被害状況を写真に記録しておくと、管理会社や大家さんへの説明がしやすくなります。
洗濯パンに水がたまり排水されない場合は、排水口が詰まっている可能性がありますので、排水口を掃除し、ゴミを取り除いてください。
STEP4. 蛇口の接続部のゆるみ・劣化を確認する
水漏れの応急処置ができたら、蛇口やホースの接続部を確認し、水漏れの原因を探りましょう。
ナットのゆるみが原因であれば締め直すだけで改善する可能性があります。
ゆるみが見当たらない場合は、パッキンやゴム部品の劣化かもしれません。
水漏れの起きやすい箇所を一覧にまとめました。
| 確認箇所 | 主な原因 | 対処法 |
| 壁と蛇口の間 | 取り付け部の緩み | ナットの締め直し |
| 蛇口本体 | 内部パッキンの劣化 | パッキン・パーツ交換 |
| ホース接続部(ニップルのビス) | ジョイントの緩みや劣化 | つなぎ直し・ホース交換 |
| 洗濯機への給水が止まらない | 電磁弁の故障 | メーカー・電気店修理 |
洗濯機への給水が止まらない場合は電磁弁の故障が考えられますので、自分での修理は難しく、業者やメーカー修理を依頼する必要があります。
洗濯機の蛇口・水栓の種類と特徴
洗濯機に使われる蛇口や水栓にはいくつかの種類があり、機能や特徴もさまざまです。
ここでは代表的な3タイプを紹介し、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
古いタイプ(万能ホーム水栓)

古い住宅に多いのが、ハンドルで開け閉めするシンプルな単水栓「万能ホーム水栓」です。
特徴を表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
| 特徴 | ハンドル付き単水栓、吐水口の角度調整可能 |
| メリット | 水栓の価格が安い、簡単な修理が自分で可能 |
| デメリット | 緊急止水機能なし、ホース接続にニップルが必要、外れやすい |
| 推奨対応 | 洗濯機用水栓への交換をおすすめ |
蛇口を開けっ放しにするとホースが外れたときに水が止まらず被害が拡大します。
現在では新築ではほとんど採用されないタイプです。
安全性を考えると、洗濯機専用の水栓への交換がおすすめです。
洗濯機用ホーム水栓

多くの家で採用されているのが「洗濯機用ホーム水栓」です。
使い勝手が良く、ホースが外れたときには自動で水を止めるストップ機能が付いているため、漏水トラブルのリスクを大幅に減らせます。
| 項目 | 内容 |
| 特徴 | ワンタッチ接続可能、自動ストップ機能付き |
| メリット | 安全性が高い、角度調整可能、簡単な修理が自分で可能 |
| デメリット | 従来タイプのデザインでおしゃれさに欠ける |
| 推奨対応 | 洗濯機用水栓としておすすめできる |
蛇口と洗濯機がぶつかりそうなときは、蛇口の角度を変えられるのが便利です。
簡単なパッキン交換など自分でメンテナンスできます。
見た目はシンプルですが、デザイン性に欠ける点がデメリットです。
安全性を重視するなら、古いタイプの万能ホーム水栓をこちらへ交換するのがおすすめです。
緊急止水弁付き水栓

「緊急止水弁付き水栓」は、洗濯機の給水ホースをワンタッチで接続でき、万一ホースが外れた際には瞬時に水を止める機能を備えています。
| 項目 | 内容 |
| 特徴 | ワンタッチ接続可能、緊急止水弁付き |
| メリット | 不在時でもホース外れによる漏水を防止、スタイリッシュでおしゃれ |
| デメリット | 他の水栓よりやや価格が高め |
| 推奨対応 | 安心を重視する家庭におすすめ |
マンションなどの集合住宅では、階下への漏水リスクを大幅に減らせるため安心度が高いといえるでしょう。
スタイリッシュで洗濯機回りがすっきり見えるメリットもあります。
その他の洗濯機用水栓
洗濯機で使われる水栓の中には、古いタイプで吐水口の角度を変えられない横水栓や、カップリング付き横水栓(吐水口にカップリングと呼ばれるパーツが付いている)などがあります。
この2つは、ワンタッチ接続機能や自動ストップ機能がなく、使い勝手が劣ります。
長期的な安心と漏水リスクを減らすという観点からも、洗濯機用ホーム水栓や緊急止水弁付き水栓への交換がおすすめです。
オートストップ機能の仕組み

オートストップ機能や緊急止水弁付き水栓は、蛇口の中から白いプラスチック部分が突き出ているのが特徴です。
給水ホースを取り付けると、このプラスチックの軸が水栓の中に押されて弁が開き、水が流れる仕組みになっています。
もし、ホースが外れると押されていた軸が戻り、弁が閉じて自動的に水が止まります。
ただし、止まるのは「蛇口側のホース接続が外れた場合」に限られ、洗濯機本体側のホースが抜けても水は止まりません。
そのため、蛇口を閉める習慣はやはり必要です。
自分でできる!蛇口の修理・交換方法
洗濯機の蛇口トラブルは、自分で対応可能なものもあります。
ここでは初心者でもチャレンジしやすい修理や交換の方法を解説します。
ナットのゆるみを締め直す

蛇口やホースの接続部からの水漏れは、ナットのゆるみが原因のケースがあり、モンキーレンチを使ってしっかり締め直すだけで解決できます。
無理に強く締めすぎるとパーツを傷める可能性があるため、適度な力で行うことが大切です。
パッキンの交換

蛇口内部のゴムパッキンは、長年使用すると劣化して固くなったり、破損して一部がかけたりして水漏れの原因になります。
パッキンは100円から数百円程度で、ホームセンターなどで購入できるため、費用を抑えたい方は自分で交換してみましょう。
正しい手順を踏めば初心者でも対応可能です。
水漏れ箇所によって使用するパッキンは異なりますが、経年劣化の場合は全て交換しておくと安心です。
万能ホーム水栓でのパッキンの場所と基本的な交換手順は下記になります。
【パッキンの場所】
- Uパッキン・・・吐水口のナットを外した中
- 三角パッキン・・・ハンドル部分のカバーナットの中
- コマパッキン・・・三角パッキンの下のスピンドルのさらに下
【交換手順】
- 元栓を閉め、蛇口を開けて配管内に残っている水を抜く
- モンキーレンチで水栓のナットを回して(左回り/反時計回りに)外し、古いパッキンを取り出す
- 新しいパッキンを同じ位置にセット(Uパッキンは方向に注意)して、ナットを戻してしっかり締める
- 元栓を開けて水を流し、漏れがないか確認する
事前にパッキンのサイズを確認してから購入しましょう。
給水ホース・ジョイント部の交換
洗濯機の給水ホースのひび割れや、接続部分に破損がある場合は、ホースを丸ごと交換するのが安心です。
ジョイントが付属した交換用のホースはホームセンターや通販で2,000円前後から購入できます。
説明書も付属しているためDIY初心者でも取り替えられます。
【蛇口への取り付け方法】
蛇口に取り付ける際は、ホース側のつまみとロックレバーをいったん下に引き下げ、カチッと音がするまで口金に差し込みます。
取り付け後は、漏れがないか試運転してチェックしましょう。
交換作業は比較的簡単なため、劣化が見られる場合は早めに交換して水漏れトラブルを防ぐことをおすすめします。
緊急止水弁付き水栓への交換手順

古いタイプの水栓や、ハンドルが固着して回らない、水栓にさびやカビが見られる場合は、水栓を交換しましょう。
交換の際には、緊急止水弁付き水栓がおすすめです。
蛇口とホースが外れた際に自動で水を止めてくれるため、万が一の漏水リスクを大幅に減らせます。
DIYに慣れた方なら、自分で交換することも可能です。
【基本的な交換手順】
- 元栓を閉めて水を止める。蛇口を開けて配管内の水を抜く
- 古い水栓をモンキーレンチで取り外す
- 配管部の接続部分をきれいに掃除する
- 新しい水栓のネジ山にシールテープを巻く(方向はネジ山に合わせる)
- シールテープを巻いた状態で配管に取り付ける
- 元栓を開け、水漏れがないか確認する
配管の状態や劣化が進んでいる場合や、水栓が堅くて外れない場合は自分で取り替えるのは難しいといえます。
無理をせずに水道業者に依頼しましょう。
開けっ放しで起こる水漏れ予防のためにできる習慣
蛇口を閉めずに開けたままにすると水漏れリスクがあるため、日常的に取り入れられる予防習慣や、メンテナンス方法を見ていきましょう。
洗濯後は必ず蛇口を閉める習慣をつける

洗濯機の蛇口からの水漏れを防ぐ最もシンプルな方法は、「洗濯開始時に蛇口を開け、終わったら必ず閉める」習慣をつけることです。
この習慣があれば、ホース外れやパッキン劣化による水漏れリスクが激減します。
さらに、蛇口本体や内部パーツへの負担が軽減され、安心して洗濯機の蛇口を使い続けられます。
定期的なメンテナンス
蛇口やホースの劣化は気付かないうちに少しずつ進んでいきます。
ホースのひび割れ、ナットのゆるみ、パッキンの劣化から起こる水漏れは、掃除のついでに確認しましょう。
半年に一度程度、定期的に点検することをおすすめします。
異常を早めに発見できれば、大きなトラブルになる前に修理や交換ができます。
日頃から意識して点検することで、洗濯機の蛇口周りを長く使用することができます。
水漏れ防止アイテムの活用
万能水栓や横水栓など古いタイプの蛇口には、「緊急止水弁付きニップル 」を取り付けるという方法があります。
万が一ホースが外れても自動的に水を止められます。
また、水漏れを感知するとスマホに通知してくれる「水漏れセンサー」があります。
洗濯機周りや床など水漏れが起こったときに水がたまりやすい場所に設置すると、外出先でも水漏れを知ることができます。
自分で解決できないときは水道業者に相談
洗濯機の蛇口の修理や交換が難しいと感じたら、無理をせず水道業者に依頼しましょう。
ここでは依頼するメリットや費用の目安、業者選びのポイントを解説します。
業者に依頼するメリット
水道業者に依頼する最大のメリットは、短時間で確実に不具合を解決してくれる点です。
自分で修理すると、慣れない準備や作業がストレスや不安になるかもしれません。
技術を持っている水道業者なら安心して任せられます。
交換や修理だけでなく、配管の点検や劣化チェックも同時に依頼することもできるため、これから先のトラブル予防につなげることもできます。
相場費用の目安

水道業者へ依頼する場合の費用は、作業内容や交換する部品によって異なります。
パッキンは安価ですが、水栓本体や給水ホースの交換になると部品代が高めになります。
洗濯機の蛇口周りの作業費用相場
| 洗濯蛇口の作業内容 | 相場費用 |
| ハンドル水栓パーツ交換 | 3,000円~6,000円 |
| ニップル交換 | 6,000円~8,000円 |
| ビス止め口金交換 | 5,000円~8,000円 |
| ホース交換 | 4,000円~6,000円 |
| 単水栓交換 | 8,000円~14,000円 |
※地域や業者によって変動するため、上記は目安です。
出張手当、夜間などの緊急対応費などがかかることもあります。
見積もり無料の業者に依頼すれば、作業前に現地で見積もりをしてもらい、金額を確認してから依頼するかどうかを決められます。
信頼できる業者を選ぶポイント
水道業者を選ぶ際は、技術力がある誠実な業者を選ぶことが大切です。
以下の5つのポイントは必ず確認しましょう。
- ホームページに住所や電話番号などの基本情報がしっかり記載されているか
- 水道局指定業者か(地域の水道局のサイトで確認する)
- 料金は明確か、見積もりは無料か
- 施工後のサポート(保証)があるか
- SNSや口コミサイトで評判や対応力を確認
相場と離れた安すぎたり高すぎたりする料金は危険です。
十分に注意して信頼度の高い業者を見極めましょう。
洗濯機の蛇口を閉めて、安心な暮らしを
洗濯機の蛇口のトラブル例をあげながら、蛇口は閉めるのがベストということをご紹介しました。
洗濯機の蛇口は開けっ放しにせず、洗濯後に閉める習慣をつけることが、水漏れトラブルを減らす最も確実な方法です。
パッキンやホースなど部品の劣化による水漏れは、自分で修理・交換することもできますが、不安な場合は水道業者に依頼するのが安心で確実です。



