一軒家の水道管から水漏れしたら原因箇所の見つけ方は?費用はかかる?
一軒家の至る所に張り巡らされている水道管。
キッチンやトイレ、洗面台、浴室などといった直接的に水が出てくるところだけではなく、床下や壁の中にも水道管は通っています。
もし、そのどこかで水漏れが発生したら…
すぐに何らかの対処をしなければ、家中が水浸しになってしまう可能性があります。
とはいっても、水道管の水漏れが起こりうる場所を知っていなければ対処できません。
そこで今回は、一軒家の水道管の水漏れについての解説です。
家の中で水漏れが発生している事実を確認する方法や、原因となり得る場所、見つけ方についてお伝えします。
軽度の水漏れを修理する方法や業者に漏水調査を依頼した際の費用相場についてもご紹介いたしますので、是非最後までご覧ください。
目次
そもそも水道管ってどこにあるの?
水道管とは、文字通り水が通る管です。
といっても、一軒家の水道管には蛇口から出す水を運ぶための給水管と、使用した水を下水道管へと送る排水管の二つがあります。
それぞれ仕組みや役割が異なり、どちらからも水漏れは起こり得ます。
少しでも早く水漏れを発見するためには、水道管の場所や仕組みについて知っておいた方が良いでしょう。
この項目では、給水管と排水管について詳しくお伝えします。
給水管
水道管のうち、蛇口から出す水を運ぶためのものが給水管です。
道路に張り巡らされている水道管から各家庭に運ばれてくるものを一般的に給水管と呼びます。
ただし、住宅内の各水回りへと水を運ぶ給水管や給湯管、給水栓(水栓器具)も、給水管として分類されます。
給水管からの水漏れで多いのが、止水栓や接続部分のパッキンの劣化によるものです。
凍結によって水道管が損傷し、水漏れを起こす場合もあります。
排水管
水道管のうち、住宅内で使用した水を下水道管へと送るのが排水管です。
一軒家で見られる排水管は給水管よりも若干太いパイプです。
一般的には、キッチンでは蛇腹ホース、洗面台ではS字型のトラップパイプと、パイプ部分の素材は水回りや構造によって異なります。
排水管からの水漏れで多いのが、パイプが劣化して穴が空いてしまったことや、接続部のパッキン等の部品が劣化したことによるものです。
水道管には耐用年数がある
家中の蛇口へと水を届ける水道管。
実は水道管には耐用年数が設定されていて、その期間はなんと15年程度しかありません。
素材や設置されている環境によって寿命は変化しますが、一軒家にある鉄製の水道管は多くの場合、15年を超えると高い確率でサビが発生すると言われています。
錆が混入した水を体内に取り込むことで起こる健康への悪影響はもちろん、経年劣化による水道管の亀裂が起きる可能性が高くなるでしょう。
住宅内や敷地内に埋められた水道管に亀裂が生じ水漏れが発生していた場合、放置しておくとほんの少しの衝撃で水道管が破裂し、大規模な水漏れに発展してしまうかもしれません。
水道管からの水を吐水する水栓器具の耐用年数も、10年程度と言われています。
流量や温度、吐水量を調節するための様々な部品によって構成されて?いるのですが、摩擦によって消耗しやすく、経年劣化しやすいパッキンなども多く使用されています。
10年を過ぎると蛇口や本体部分から水漏れが起こりはじめるでしょう。
経年劣化による水漏れの場合は急に噴き出すような症状ではなく、ジワジワと本体根元や蛇口から水が漏れだすのが特徴的。
ほんの少しの水漏れだからといって放置しておくと、水栓器具自体の故障に繋がり、大規模な水漏れになってしまう可能性も否定できません。
水道管のどこからか水漏れしている場合は、これ以上の被害を食い止めるためにも、早急に水漏れ箇所を特定することが大切です。
給水管から水漏れしているとどうなる?
水道管のうち、給水管から水漏れが起きていると次のような状態になります。
- 水道料金が高くなる
- 水を止めても水道メーターが回り続ける
毎月又は2か月に一度送付されてくる水道料金表や屋外にある水道メーターの動きに変化が生じます。
この二つの方法で給水管からの漏水の事実を確認できます。
水道料金が通常よりも高くなる
水道を使用していないのにも関わらず水漏れが起きている場合は、当然ながら使った分以上の水道料金が請求されます。
ただし、ひと月分の請求金額だけを見ても漏水の事実や漏水量を判断することはできません。
数か月分の水道料金を比較し、確認しましょう。
1800円以上高い場合は水道管からの水漏れかも
1秒間にたった一滴の水漏れでも、それが一か月続くと300円も水道料金が上がると言われています。
蛇口から6立方メートル(6000リットル、6トン)の水漏れが一か月続くと、1800円が漏水量分の金額として出るとも言われています。
水道料金は地域や家族構成、生活スタイルによって大きく変わります。
夏は何度もシャワーを浴びるなど、時期によっても変化するでしょう。
ほんの数か月分の水道料金を比較するだけでは分かりませんが、前年分との比較によって漏水の事実が確認できるかもしれません。
具体的にどれくらい漏水しているのかを知ることができる方法でもありますので、水道料金請求書を保存している場合はチェックしてみましょう。
水道メーターについて
水道料金を検針する人がチェックする水道メーターですが、この見方を理解すれば自身で漏水調査をすることが可能となります。
簡単に見ることができますので、是非チェックしてみましょう。
一軒家の水道メーターは、玄関先や駐車場などといった敷地内屋外に設置されているのが一般的です。
蓋は鉄あるいは樹脂製で、色は黒・白・青のいずれかで、蓋には量水器や水道メーターと記載されています。
水道メーターと元栓バルブがボックスに入って埋められていますので、蓋を開けて確認してみましょう。
水道メーターのパイロットで水漏れがわかる
水道メーターには、下記の表示があります。
- メーター指針
- 10リットルメモリ
- 1リットルメモリ
- パイロット
水漏れのチェックをする場合は、パイロットと呼ばれる部品を見ます。
文字盤の下の方にある、メモリの付いていない銀色の小さく丸い部品です。
パイロットは、水が出ている間だけくるくると回って動くもの。
つまり、水を使用していないにもかかわらずパイロットが回っているということは、一軒家のどこかで水漏れが起きているということになります。
家中の止水栓を閉めてパイロットの動きを確認
水漏れのチェックをする場合は、家中の水回りの水を止める必要があります。
キッチン、洗面台、浴室、トイレ、洗濯機、外水道等、全ての蛇口を閉めてから確認しましょう。
自宅に家族がいる場合は、一時的に水回り毎の水を止められる止水栓を閉めておくことをおすすめします。
液晶表記の中でマークが点滅していたり、数字以外の見慣れないマークが点滅している場合は漏水の可能性を知らせている場合があります。
マンションで水漏れかもと思ったらメーターボックスで確認する方法
排水管から水漏れしているとどうなる?
水道管のうち、排水管から水漏れが起きていると、次のような状態になります。
- 排水管がつまり、水が流れなくなる
- 排水管ホースがある部分が水浸しになる
排水管内の水漏れは、つまりが原因となって発生する場合があります。
キッチンの油や食材カス、洗面台の石鹸カスや髪の毛などが管内に蓄積し、つまりが生じます。
そこに水を流し続けると排水パイプが耐えきれなくなり、圧によって生じた亀裂や結合部分から水漏れが発生するのです。
排水管の耐用年数も約15年程度。
ある程度使用するとパッキンが劣化・腐食したり、結合部にゆるみが生じ始めます。
それによって水漏れが発生することも少なくありません。
キッチンに設置されている蛇腹ホースの多くは樹脂製のため、劣化しやすく、水漏れが起こった場合は交換して修理することになるでしょう。
排水管の水漏れで起こる重大な二次被害とは?プロ到着までにできる処置は?
水漏れ原因箇所の見つけ方
お伝えした通り、水道管や水栓器具には寿命があり、経年劣化によって水漏れが発生しやすくなります。
また、地震などといった突然の衝撃も、水漏れの原因の一つとなるでしょう。
住宅には至る所に水回りがあり、そのどこでいつ水漏れが起こるか分かりません。
水道料金が高くなった、水道メーターのパイロットが常時動いている、床が水浸しになった…
このような水漏れの症状が起きたとき、いち早く対処できるよう、一軒家で水道管の水漏れが起きやすい部分や見つけ方について知っておくことが大切です。
一軒家にある水回りのうち、水漏れが起きやすい場所とその原因箇所は下記表の通りです。
トイレ | タンク・便器・給水管 |
キッチン | 蛇口・給水管・排水ホース |
浴室 | 蛇口・シャワーホースの接続部分 |
洗面台 | 蛇口・給水管・排水パイプ |
外水栓 | 接続部分 |
一軒家の水漏れで最も多いのは、トイレだと言われています。
便器内を確認し、タンクから水が流れ続けていないかを確認しましょう。
キッチンや洗面台、浴室にある水栓器具。
この本体や本体付け根、吐水口から水漏れしている可能性もあります。
意外に多いのが、庭や散水栓の給水栓からの水漏れです。
蛇口に取り付けられたシャワーホースのヘッド部分を操作して水の出し止めを調節している場合は、調整する部品が故障して少量の水が出しっぱなしになっているかもしれません。
外水栓は凍結等で破損しやすい場所でもありますので、必ず確認しましょう。
見つけ方のコツは、雑巾で水気を拭き取ること。
水栓器具本体はもちろん、シンクや浴室内の水気をしっかりと拭き取っておくと特定しやすくなりますよ。
水道管の水漏れを自己修理する方法
水漏れの修理なんて自分でできるの?と思われるかもしれませんが、実は部品を交換したり緩んだネジを締め直すことで簡単に直るケースもあるのです。
業者に修理を依頼すると基本料金+部品代+作業代等がかかり、軽作業でも1万円弱かかる場合がありますが、自己修理できれば部品代だけに抑えられます。
ここでは、水道管のうち給水栓・止水栓からの水漏れ修理方法についてご紹介します。
給水栓からの水漏れ修理方法
給水栓とは給水管から送られてくる湯水を吐水する水栓器具、つまり蛇口のことです。
蛇口の水漏れは、多くの場合はバルブカートリッジの不具合が原因であると考えれらます。
水栓器具の耐用年数は約10年。
これまでカートリッジ交換を行ってこなかった場合は、これを機に交換しましょう。
最近の一軒家のキッチンや洗面台にはシングルレバー混合栓(レバーハンドル一つで湯水両方の調節をする水栓器具)が設置されるのが一般的です。
この器具に内蔵されているバルブカートリッジは公式HPやネット通販で手に入れることができます。
水栓器具に貼ってあるシールや付属説明書に記載されているメーカー、品番を確認し、同じものを購入してください。
それでは、シングルレバー混合栓のバルブカートリッジ交換手順についてみていきましょう。
- シンクや洗面台下にある給水管の止水栓を時計回りに回して閉める
- レバーハンドルを外す(ワンタッチ式は上に引き上げる、ネジ止め式はドライバー又はレンチでネジを外す)
- カートリッジカバーを外す(手で回せるタイプと専用工具が必要なタイプがある)
- 古いカートリッジを取り外し、新しいカートリッジを入れる(取り付け向きに注意!)
- 取り外したときと逆の手順で部品を取り付ける
- 止水栓を開けて水漏れが直っているかをチェックする
止水栓からの水漏れ修理方法
止水栓とは、給水管から送られてくる水の流れを制御する部分です。
反時計回りに回すと開き、時計回りに回すと閉まります。
止水栓から水漏れが起こる多くの原因は、ハンドル付け根のパッキンの劣化によるものです。
三角パッキンと呼ばれるパーツを交換すれば、水漏れが直る可能性が高いでしょう。
三角パッキンはホームセンター等で購入可能です。
大きさや形を間違えると修理できませんので、同じものを購入してください。
それでは、止水栓の三角パッキン交換手順についてみていきましょう。
- 屋外にある元栓を閉める(量水器ボックス内に水道メーターと一緒に入っているハンドルを時計回りに回す)
- 止水栓のハンドルを外す
- モンキーレンチを使い、止水栓ハンドル根元にある上部ナットを緩めて取り外す
- 古い三角パッキンを外し、新しい三角パッキンをつける
- 取り外したときと逆の手順で部品を取り付ける(ナットが動かなくなるほど閉めないように注意!)
- 元栓を開け、水漏れが直っているかをチェック
早く発見できれば漏水や家具家電の水濡れも防ぐことができます!
ただし、水道管は家中の至る所に張り巡らされているもの。
目に見えないところで水漏れしている場合は特定するのが困難となるでしょう。
自身で特定できない場合は、専用機械を使って調査を行う業者の力が必要となります。
業者に漏水調査を依頼した時の費用は?
一軒家の水道管は屋外、住宅内床下や壁内など様々な部分を通っています。
そのような場所で発生する水漏れの場合、素人目では場所を特定し、対処するのは困難です。
水漏れの原因が特定できなかった場合は、水道修理等を行う専門業者に漏水調査を依頼しましょう。
業者は専用機械を使って調査を行うため、住宅の壁や床下を通る水道管の水漏れ箇所でも特定できます。
業者が行う漏水調査の種類と費用相場について、下記表をご覧ください。
調査の種類 | 費用相場 |
---|---|
音聴調査 | 1万円~1万5000円 |
漏水探知機 | 1万2000円~1万3000円 |
音聴調査とは、止水栓や水道メーターに音聴棒を当てて、漏水箇所を発見する方法です。
漏水している場所は独特な音がするため、それを聞き分けて特定します。
最もメジャーな方法ではありますが、漏水音を聞き分けるのが難しく、場所の特定が困難となる可能性もあります。
その場合、調査にかかる費用も高くなるでしょう。
漏水探知機とは、感電器の振動をメーターに表示させて漏水音を検出し、場所を特定する方法です。
漏水箇所をピンポイントに特定できるため、特定に時間がかかり費用が高くなってしまう音聴調査よりも、調査にかかる費用を抑えられるでしょう。
水道代が高いのは漏水が原因?業者に修理を依頼して料金はいくらかかる?
まとめ
ここまで、一軒家の水道管からの水漏れについてお伝えしてきました。
水が通る水道管には給水栓や給水管、排水管など様々な種類があり、耐用年数は10~15年ほどです。
内部部品は摩擦によって消耗しやすく、また、つまりによって水漏れが発生する場合もあります。
少しの水漏れだとしても、放置しておくと大規模な水漏れによる浸水等のリスクがありますので、早めに対処しましょう。
過去の水道料金と現在の料金を比較したり、水道メーターの動きをチェックすると水漏れの事実を確認できます。
水漏れが事実だった場合、原因箇所の特定をし、何らかの対処を行う必要があります。
一軒家で水漏れが起きやすい場所と原因箇所を記載しましたので、照らし合わせながら一つずつチェックしていきましょう。
水回りを確認しても水漏れ原因箇所が見つからない場合は、住宅の床下や壁内にある水道管に原因があるかもしれません。
専用機械で調査を行ってくれる業者に漏水調査を依頼しましょう。