水道局から「漏水の疑い」と言われたら?まず自分で確認すべきポイントとは
家に帰ってポストを見ると水道局からハガキが…。何事かと思い、内容を確認すると「漏水の疑いがある」とのこと。家の中で水漏れしていないけどなぜ?このような思いをしたことがある人もいると思います。自覚症状が全く無いのに、水道局から「漏水の疑いがある」と言われても信じられないと思う人もいるでしょう。もし水道局から「漏水の疑い」について口頭やハガキ、手紙等で連絡があった場合、驚いて戸惑う気持ちも分かりますが、早めの対処を心掛けましょう。即、水道業者を呼ぶことも良いですが、出来れば水道業者を呼ぶ前に自分で漏水チェックが出来ると尚良いです。今回は自分が気付かない漏水について詳しく解説して行きます。また、自分で漏水チェックをする時のポイントについても解説をして行きますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
自分では気づかない漏水に気付く状況は2つのケースがある
自分では気づいていない水漏れに気付く状況やタイミングとは、どのような時なのでしょか?大きく分けると2つのケースが考えられます。
- 水道局の指摘により(口頭、ハガキ、手紙等)
水道の検針は2ヶ月に1回、行われていますが、その検針時に検針員から「漏水している可能性がある」と言われることがあります。
水道の検針員は水道メーターの動きを見て「漏水の可能性がある」と判断した時に、その事実を伝えてくれます。
検針時に不在の場合は、漏水の疑いがある旨のハガキや手紙をポストに投函してくれたり、水道局から送られて来たりします。
この様に水道局(検針員を含む)からの指摘によって、漏水の疑いに気付くのが1つ目のケースです。 - 水道料金が大幅に高くなっている
2つ目は、水道料金の明細書を見て、料金が高くなっていることにより、漏水の疑いに気付くケースです。
水道料金は特別なことがなければそれ程、大きく変動するものではありません。特別なこととは、水道料金の改定であったり、ミスで水を出しっぱなしにしていたことがあったりという通常では起きないケースのことです、このような場合は水道料金が大きく増えていることもあります。
その様な特別な事象も無く、通常で水道料金が高くなっていた時に、「水漏れしているかも?」と気付きます。 世帯の人数にもよりますが、1,000円~2,000円位の増加であれば、たまたま水を多く使い過ぎたと思う方も多く、実際もそうだったというケースが多いです。
しかし、水道料金が2倍、3倍、もしくはそれ以上になっていたら、確実に漏水のトラブルが起きている思うでしょう。
このように水道料金が大幅に高くなっていた時に漏水の疑いに気付きます。
水道局は何を見て「漏水の疑いがある」と分かるのか?
水道の検針員や水道局は、具体的に何を見て漏水の疑いがあると判断するのでしょうか?
漏水判断のポイントは以下の2点となります。
・検針員の確認で水道メーターのパイロットの動きの異変があった ・水道使用量が前回、前々回と比べて大幅に増えている |
まずは水道メーターのパイロットについて解説して行きます。
水道メーターのパイロットは水道メーターの中心付近にある銀色の円形の部品です。
水の流れを感知するとパイロットがクルクルと回ります。
そして水道を使用していなければパイロットは動きません。使用水量が多ければ多い程、パイロットの回転も速くなり、少ない場合はゆっくりと回転します。
例えば、蛇口の水を全開で流すとパイロットも高速で回転します。パイロットの確認は漏水のチェックに必要不可欠で、水道業者も必ず確認します。
「検針員の確認で水道メーターのパイロットの動きの異変があった」場合は、検針員はパイロットの動き方を見て漏水の疑いを判断します。
もう一つの「水道使用量が前回、前々回と比べて大幅に増えている」場合ですが、各家庭の水道使用量は1年2年と生活していると大体その家庭での水道使用量が決まって来ます。
普段の水道使用量から大きく増えている場合は漏水の疑いがある為、水道局が知らせてくれるケースもあります。
これらのポイントにより水漏れの疑いが判断されます。
因みに、水漏れの疑いがあると指摘された場合は、ほぼ間違いなく水漏れが発生しています。
あくまでも「疑い」だから、水漏れしていない可能性もあるのでは?などと考えて、対応を後回しにすると被害が拡大する恐れもありますので気を付けましょう。
家庭内で普通に水を使えば、どこで水を出してもパイロットは早く回転します。どんな用途であっても水を使う場合はパイロットが早く回るのです。
それに対し、水漏れの疑いがある時のパイロットの動き方は「ゆっくり回転している」時です。
例えば、パイロットがゆっくり回転している時の水の出方のイメージは、蛇口の先端から糸状に少量の水が出ている時、または蛇口の先端から1秒に1滴ずつ水が出ている時などです。
水を使う時にこんな少量の使い方はしないですよね、ということは普通に水を使う場合、パイロットがゆっくり回ることはありません。
なので、ゆっくりパイロットが回っているのを確認できて時点で「漏水の疑いがある」と判断できるわけです。
漏水の疑いがあるがある時に自分で確認する時のポイント
漏水の疑いがあると分かった時は、まずは自分で漏水チェックをしてみるのがベストだと思います。
ここでは自分で漏水チェックをする為のポイントをご紹介します。
漏水チェック時のポイント | 内容 |
水道メーター確認 | メーターのある場所の把握、パイロットの確認 |
目視確認① | 目に見える所の漏水チェック |
目視確認② | 隠れている所の漏水チェック |
音確認 | 漏水音の確認 |
それでは一つずつ見て行きましょう。
水道メーター確認
漏水チェックをする上で水道メーターの確認は必須です。なので、水道メーターがある場所もしっかり把握しておかなければいけません。
水道メーターの場所は住宅によって違いがあります。
住宅 | 水道メーターのある場所 |
一戸建て | ・敷地内地面の「量水器」や「水道メータ」と書かれたBOXの中 |
マンション | ・玄関横の壁面にあるパイプスペース内 |
アパート | ・敷地内地面の「量水器」や「水道メータ」と書かれたBOXの中 ・複数戸のメーターBOXが並列に設置されている |
一戸建ては敷地内の地面にありますが、具体的にここに設置しなければいけないという様な決まりはありません。
ただし、水道メーターから先(家側)の水道管は居住者の管轄となる為、敷地内の外周ギリギリに取り付けられることが多いです。
マンションの場合は2階以上の階があるので全てを地面に設置することはありません。マンションには玄関横の壁面にパイプスペースが1つか2つあります。
このパイプスペースの中には上水管や下水管、ガス管やガスメーターなど、住宅に必要ないくつものパイプ類が通っています。その中にはもちろん、水道メーターもあります。
水道メーターは基本的に剥き出しに設置されていますが、中には量計器BOXの中に入っているケースもあります。このパイプスペースにホウキやチリトリを収納しているご家庭も多いでしょう。
ただし、パイプスペースは物置きでは無いので、あまり荷物を詰め込み過ぎないようにしましょう。
アパートはマンションと同じ集合住宅ですが、水道メーターの設置方法は大きく異なります。
アパートの場合は多くが2階建ての為、量計器は地面に設置されていることが多く、基本的には数戸単位でまとまって設置されています。
賃貸アパートに住んでいても、自分の部屋の水道メーターがどこのあるのかは把握をしておく必要があります。
水道メーターBOXの中には「水道メーター」と「元栓(メーターバルブ)」があります。
水道メーターを確認して、パイロットが回っているかどうかを確認しましょう。水道メーターのパイロットを確認する時は、家の中で水が使われていない時に行います。水道局から漏水疑いの指摘があった場合は、ほぼパイロットが回っていますので自分の目でも確認をしておきましょう。
目視確認①(見える所のチェック)
メーターのチェックが終わったら目視で水漏れを確認して行きます。
目視確認する所は以下の通りです。
・キッチン(蛇口) ・洗面所(蛇口) ・お風呂(蛇口、シャワー) ・洗濯場(蛇口) ・トイレ(便器、止水栓) ・外部(蛇口、給湯器、露出配管) |
これらの部分はひと目で水漏れしているかがわかりやすい場所ですが、意外とわかりにくいのは外部の水漏れです。
頻繁に外部蛇口を使う方は別ですが、そうでない方にとってみれば、外の少量の水漏れは気付きにくいのかもしれません。
見える所をチェックしても水漏れが発見できない場合は、次のチェックに移ります。
目視確認②(隠れている所のチェック)
次の目視確認は、普段隠れている所のチェックをして行きます。
尚、隠れている所を見る為には+ドライバー、-ドライバー、ライト等の工具は準備しておいた方が良いでしょう。
隠れている場所、及びチェックのポイントは以下の通りです。
- キッチンシンク下
キッチンシンクの下には2つの止水栓(水用、お湯用)があります。
また止水栓には蛇口からのホースや床下、壁中からの給水管、給湯管などが接続しています。
それらの部分で水漏れが起きていないかをチェックします。
尚、シンク下は暗いのでライトで照らしながら確認しましょう。 - 洗面台収納内
キッチンシンク下同様、洗面台の収納内にも2つの止水栓があり、それに接続する配管があります。洗面台の収納部内に荷物が多すぎると、中で水漏れが起こっても気付くことが出来ません。
水漏れに気付くのが遅かった場合は収納部の床がベコベコになってしまったり、カビが繁殖していたりとダメージが大きくなっていることもあります。
洗面台収納内も暗いのでライトで照らしながら確認しましょう。 - キッチン、洗面台、ユニットバス点検口内
水回りの各所に「点検口」が取り付けられている住宅もあります。
点検口の中には給水管、給湯管、及び接続のフレキ管などが通っています。
ユニットバスの点検口はビス留めされている為、取り外す時は+ドライバーが必要になります。
またビスを外しても固着している場合は、-ドライバーを隙間に差し込んで取り外します。
キッチンと洗面所の点検口はビス留めのタイプと点検板を差し込むタイプのものがあります。
点検口内も暗いのでライトで照らしながら確認しましょう。 - トイレタンク内
トイレのタンク内で水漏れしていても、見た目では分からないことがあります。
なので、タンクのフタを外してタンク内を確認します。
タンク内でチョロチョロと水が出続けている場合は、水漏れしている可能性が高いです。 - 各所床下収納内
キッチンに多いですが床下収納がある場合は、床下収納のケースを取り出して床下を確認しましょう。
床下も暗いのでライトで照らしながら確認します。
床下には給水管、給湯管が通っている可能性があり、水漏れしていると水溜まりになっています。
音確認
最後は漏水の音を確認します。漏水音には「シューッ」「シャーッ」「チョロチョロ」「ポタポタ」と言った漏れ方があります。
特に音確認が効果的なのはトイレのタンクです。
耳を澄ましてタンク音を聴いた時に「シューッ」「チョロチョロ」といった音がずっとしている場合は、ほぼ確実に漏水していると言えます。
後は各水回りで耳を澄ました時に「シャーッ」という音が壁中や床下付近から聞こえたら給水管がひび割れているか、給湯銅管にピンホールという穴が空いて水が噴き出しているか、と言ったことが考えられます。
尚、音確認時以外でも、普段生活している時に壁中や床下から「シャーッ」という音が聞こえたら水漏れの可能性が高いので、メーターのパイロット確認、水道業者への連絡等、早めの対処が必要になります。
水道局から指摘された漏水疑いの場合、隠れている所での水漏れが圧倒的に多いです。
また、外部地中を通っている給水管、壁中を通っている給水管、給湯管の水漏れなどが原因のこともあります。
この場合は水道業者に修理をしてもらうことになるでしょう。
自分で漏水チェックをして原因がわからなかった場合はもちろんこと、原因がわかっても自分で修理できない場合は早めに水道業者に依頼しましょう。
まとめ
水道局から漏水の疑いがあると指摘されたら、ほぼ間違いなくどこかで水漏れが発生しています。
なのでまず、自分で漏水チェックをすることがおすすめです。
直ぐに水道業者に連絡しても良いですが、連絡するタイミングによっては別日になるなど、業者が来るまで時間がかかることもあります。
自分で漏水チェックができ、原因が特定できると漏水箇所の止水栓を閉める等、日常生活の被害を最小限に食い止めることも出来ます。
また、水漏れの状況によっては自分で修理出来る可能性もあります。