
トイレのレバーハンドルのトラブルは、ある日突然起こります。レバーを回しても水が流れない「空回り」や、水は流れたものの「レバーが戻らない」「レバーの動きがゆるい」など、その症状はさまざまです。
トラブルが発生した際は、慌てて業者に連絡する前に、まず自分で修理できるかどうか検討してみましょう。 レバーの故障は、タンク内部の部品が原因で起こることがほとんどで、初心者でも修理できるケースは多いです。
この記事では、トイレのレバーが壊れたときの原因の探し方から、自分でできる修理・交換の方法を解説します。また、どうしても自分で修理できないときのために、水道業者への依頼方法や業者選びの注意点もご紹介します。
トイレのレバーに起きる主なトラブル
トイレのレバーハンドルに起きるトラブルには、いくつかのパターンがあります。それぞれの症状から原因を予測できると、確認や修理がしやすくなります。まずは、症状ごとに考えられる原因を見ていきましょう。
①レバーが空回りする
レバーを回しても空回りして、水が流れない場合、以下のような原因が考えられます。タンクを開けて確認が必要です。
| 原因 | ・レバーにつながっている鎖が外れている、または切れている ・レバーハンドルの固定ナットがゆるんでいる |
| 応急処置 | タンクのフタを開けて手でフロートバルブを持ち上げると、水が流れる |
②レバーが戻らない

レバーハンドルが戻らない場合、次のような原因が考えられますが、多くの場合は調整のみで解決できます。
| 原因 | ・鎖が内部で引っかかっている ・フロートバルブの位置がずれている ・レバーがさびついている、または変形している ・固定ナットの締めすぎで動きが悪くなっている |
| 応急処置 | タンクのフタを開けて、鎖の長さやパーツの位置、レバーの状態を確認する |
③レバーがゆるい・効かない
レバーがゆるくて反応しない場合、タンク内の鎖やフロートが動かず水が流れないケースが多く、以下の原因が考えられます。
| 原因 | ・固定ナットがゆるんでレバーがグラついている ・レバー自体が変形してうまく作動しない |
| 応急処置 | ナットを締め直しても改善しない場合は、レバーの交換をする |
④レバーが折れた・外れた
レバーが折れたり外れたりする主な原因は次のとおりです。交換する際は、品番に合った部品を選ぶことが大切です。
| 原因 | ・経年劣化でパーツが破損 ・固定ネジやナットが外れている |
| 応急処置 | レバー本体が折れている場合は、交換が必要 外れているだけの場合は、部品を正しく取り付け直す |
⑤水が止まらない・流れない

水が止まらない、または全く流れない場合、以下のような原因が考えられます。水が止まらない場合は、水道代が高くなる原因となるため、止水栓を閉めましょう。
| 原因 | 【水が流れないケース】 ・鎖がずれて長くなり、フロートバルブが持ち上がらない ・鎖がレバーから外れている 【水が止まらないケース】 ・フロートバルブが排水口に戻っていない ・鎖が絡まりフロートバルブが閉まらない ・レバーが正常に動かず、バルブが開いたまま ・フロートバルブやオーバーフロー管の破損 |
| 応急処置 | 止水栓を閉めて水の流れを止め、タンクを開けてパーツを確認する |
トイレのレバーで水が流れる仕組みを解説
修理を始める前に、トイレで水が流れる仕組みを簡単に理解しておきましょう。仕組みを知ることで、不具合の直し方も分かりやすくなります。
トイレタンク内の基本構造
タンクが付いたトイレでは、タンクから便器に水が流れ、空になったタンクには、給水管から水が供給されます。レバーを回すことで、鎖・フロートバルブ・浮き玉(ボールタップ)などが連動して、タンクの排水管から便器に水を流す仕組みになっています。
基本的な動作は以下のとおりです。
- レバーハンドルを回すと、フロートバルブ(ゴムフロート)につながった鎖が引っ張られ、フロートバルブが持ち上がる
- フロートバルブが上がることで排水口が開き、タンク内の水が便器に流れる
- 水が減るとフロートバルブが元の位置に戻り、排水口をふさぐ
- タンクの水位が下がると浮き玉が沈み、それに連動して止水弁が開く
- 給水管からタンクに給水され、一定の水位になると浮き玉が上がり、再び止水弁が閉まる
このように、便器へ水が流れるためには複数の部品が連携しています。構造を理解しておくことが、故障の原因特定や修理の第一歩になります。
トイレタンク内で故障が起きやすいパーツは?
トイレレバーの不具合の原因は、樹脂パーツの劣化や破損だけでなく、鎖のズレによる長さの変化や、使用中の微細な振動でゆるんだナットなどの場合が多いといえます。タンク内のパーツの劣化は水質の影響も受け、ゴムフロートの劣化なども起こる可能性があります。長年使用している場合は、タンクを開けて内部のパーツを確認することも大切です。
修理の際は、機種と品番をよく確認して、適合するパーツを使う必要があります。
トイレレバーの不具合の原因と修理・交換方法
トイレレバーの不具合のほとんどは、タンク内の部品の劣化やゆるみが原因で起こります。ここでは、不具合に対応した修理・交換方法を詳しく解説していきます。
①鎖が外れている・絡まっている
【トラブルの原因】
トイレレバーとフロートバルブをつなぐ鎖が外れていたり、絡まっていたりすると、便器へ水を流したり、止めたりする機能がうまく働きません。鎖が長すぎるとレバーを回しても空回りし、短すぎるとフロートバルブが完全に閉まらず水が止まらない原因になります。
【修理方法】
- 止水栓を閉め、レバーを回してタンク内の水を抜く
- タンクのフタを外し、レバー先端の鎖の状態を確認する
- 鎖が外れている場合は、フロートバルブの穴にフック部分を差し込み、レバーの先のフックに鎖を取り付ける。鎖が絡まっている場合は、丁寧にほぐして元の状態に戻す
鎖の長さの目安は、レバーを水平に戻したとき、鎖にわずかなたるみがある程度が理想です。レバーを引くとフロートバルブが上がり、戻れば閉じるのを確認しましょう。
②ナットがゆるんでいる
【トラブルの原因】
フロートバルブは、タンク内から便器への排水口を開閉するゴム製の部品です。位置がずれたり、経年劣化で硬化しひび割れを起こしたりすると、水が止まらなくなります。また、鎖の長さが合っていないと、フロートバルブが正しく戻らず水漏れの原因になります。
【修理方法】
- 止水栓を閉め、レバーを回してタンク内の水を抜く
- タンクのフタを外し、フロートバルブが、排水口の上に正しく乗っているか確認する
- バルブのズレが原因の場合は、手で押し戻して調整する
- ゴム部分が硬い場合や、亀裂や変形がある場合は交換する
新しいフロートバルブを購入する際は、メーカー(TOTO、INAXなど)とパーツの品番・サイズを確認し、適合する部品を用意しましょう。また、鎖の長さも再調整し、フロートバルブがしっかり閉まるように設定する必要があります。
フロートバルブの交換は初心者でも行える作業ですが、不安な場合は水道業者に相談することをおすすめします。
④レバー本体のサビ・変形・破損

【トラブルの原因】
トイレレバー本体に劣化が起こった場合も、レバーは正常に作動しません。
長年使用している金属製のレバーは、サビや腐食が進行すると動きが悪くなり固まることがあります。
一方、樹脂製やプラスチック製のレバーは、ひび割れや折れることがあり、空回りにつながります。
【修理方法】
- 止水栓を閉め、レバーを回してタンク内の水を抜く
- タンクのフタを外し、レバー本体を目視で確認する。サビ、変形、破損があれば交換
- レバーはタンク内側からナットで固定されているため、手やモンキーレンチなどでナットを外し、古いレバーを取り外す
- 新しいレバーを差し込み、内側からナットで固定(締めすぎに注意)
- 鎖を適切な長さに調整して、フロートバルブにつなげる
交換する際は、メーカーのサイトで品番や対応機種を必ず確認してから、新しいレバーを購入しましょう。
⑤ナットや部品の経年劣化

【トラブルの原因】
トイレタンクの内部パーツに使用されているナットや金具が、経年劣化により破損や不具合を起こすことがあります。樹脂製か金属製かにより不具合は異なりますが、交換が必要です。
- 樹脂製ナット:ひび割れが発生すると、しっかり固定できなくなる
- 金属製ナット:湿気の影響でサビが発生し、固着して外れなくなる
【修理方法】
- 止水栓を閉め、レバーを回してタンク内の水を抜く
- タンクのフタを外し、ナットや周辺パーツの状態を確認する
- 割れやヒビがある樹脂ナットはすぐに交換する。金属ナットが固着している場合は、潤滑剤(5-56など)を使ってゆっくり取り外し、交換する。
交換時は、品番に合ったパーツ(品番やサイズが適合しているもの)を選びます。同じメーカーでもタンクにより品番が異なるため、注意が必要です。陶器製のタンクでナットが固着してしまった場合、無理に外そうとすると割れる可能性があります。外すのが難しいと感じたら、水道業者に依頼するのが安心です。
取り付け完了後の動作確認と調整
レバーや部品の取り付けが完了したら、レバーハンドルがスムーズに動くか確認しましょう。あわせて、鎖の長さを再確認し、短すぎてフロートバルブが浮いた状態になっていないか、たるみすぎや引っ掛かりがないかも確認してください。
止水栓を開けて、試しに1、2度レバーを操作し水を流して、動作に問題がないか慎重にチェックしましょう。
トイレレバー修理前の準備と注意点
トイレレバーの確認や修理をスムーズに行うためには、事前の準備が欠かせません。あらかじめ行っておきたい準備や注意点を確認しましょう。
必要な道具と部品の準備
修理に使用する道具や部品を表にまとめました。作業箇所に応じて必要なものを準備しましょう。
| 工具・道具 | 使用ポイント |
|---|---|
| モンキーレンチかウォータープライヤー | ナットは基本的に手で回せるが、ゆるめる時と締め込みに使う。 |
| マイナスドライバー | ネジ式の止水栓を閉める |
| 軍手やゴム手袋 | 手の傷防止と滑り止め |
| タオル | 手拭き用 |
| 交換用部品(レバー) | 部品の品番やサイズが適合しているか必ずチェックする |
| バケツや雑巾 | 雑巾はふたを置く部分に敷く、バケツは念のために用意 |
スムーズに作業するために、必要なものを手元にそろえてから取り掛かりましょう。
止水栓を閉める手順
修理中に水が流れてこないよう、必ずトイレの止水栓を閉めましょう。止水栓が閉められない場合は、水道の元栓を閉めてください。トイレの止水栓を閉めるとトイレの水だけが止まりますが、元栓を閉めると家中の水が止まるため注意が必要です。
止水栓は、タンク横の壁や床付近にあり、ハンドルタイプとマイナスドライバーで開閉するネジタイプがあります。締める際に回す方向は、時計回りです、固く閉めすぎないように注意しましょう。何度回したかどの角度で止まっていたかを覚えておくと、開けるときがスムーズです。写真や動画を撮っておくと見返しながら開けられます。
止水栓を閉めた後は、レバーを一度回してタンクの水を空にします。その際に水が止まっていることも確認しましょう。
タンクのフタの外し方と注意点
手洗い付きタイプは給水ホースがつながっているため、フタを軽く持ち上げて隙間からホースを外してからフタを取り外しましょう。
陶器製のタンクの場合、フタにもかなりの重量があります。落とすと割れるだけでなく、足の上などに落とすと非常に危険です。あらかじめ置き場所を確保し、雑巾などを敷いておきましょう。
また、手洗いに給水ホースの接続部分とフタを外した後のタンク内部の写真を撮っておくと、元に戻す際に見返せるため安心です。
自分で修理が難しいケース
トイレレバーの修理は自分で対処が可能ですが、状況によっては専門の水道業者に依頼した方が安全で確実なこともあります。ここでは、自分では修理が難しいケースをご紹介します。
ボタン式・自動洗浄トイレなど特殊なトイレ
ボタン式や自動洗浄タイプのトイレは一般的なレバーハンドルがなく自分での修理は難しいといえます。水が流れない、水が止まらないなどの不具合の原因が、電子部品やセンサーの異常から起こるケースもあるためです。
無理に自分で対応しようとせず、水道業者やメーカーに相談するのが安全です。
原因が特定できない場合

タンクのフタを開けて、レバーや鎖、フロートバルブなどを確認しても原因が分からない場合があるかもしれません。たまたま発生した再現性のないトラブルの場合は、同じトラブルが起こるまで様子を見てもよいでしょう。ただし、タンク内部は連動して動く構造になっているため、ひとつの小さなトラブルが、別の部品の動作に影響した可能性もあります。2度目のトラブルが起こったときは、放置せずに、水道業者への相談を検討しましょう。
工具がない・時間がない・自信がない
自分で修理できそうでも、「工具がない」「時間が取れない」「自信がない」などの場合は、無理せず水道業者に依頼するのがおすすめです。
トイレは毎日何度も使う場所のため、不具合があると生活のストレスが大きくなります。特にレバーの不具合は水の流れに影響するため、毎回止水栓を開け閉めするわけにもいきません。早めにプロに任せて、確実かつ迅速にトラブルを解決しましょう。
業者に依頼する際のポイントと費用相場
水道業者に依頼する場合に、気になるのは費用ですよね。
レバーのトラブルの作業費用の相場は、調整作業で3,000円~5,000円、タンク内のパーツ交換は7,000円~10,000円程度です(いずれも作業費のみ、部品代は別途)ぐらいでしょうか。
作業時間は調整作業なら10分~20分、パーツ交換が30分~60分前後を目安に終わるでしょう。
また問い合わせ時に確認する料金の注意点は以下の通りです。
- 業者により、出張費や深夜料金などがかかる
- パーツ代、廃材処分費は別途というところが多い
- 現地での見積もりまでが無料かどうかを問い合わせ時に確認
- 極端に安い、高い業者は悪質なケースもあるため注意
正確な見積もりは、実際に家に来て見積もりを取った際に提示されます。修理料金に納得できれば依頼を決めましょう。業者を選ぶ際は、料金だけで判断をせず対応がどうだったかや水道局指定工事店かどうかを自治体の水道局のサイトで確認してから決めるのが安心です。
賃貸は管理会社や大家さんに連絡を
賃貸住宅でトイレのレバーに不具合が起きた場合は、まず管理会社や大家さんに連絡し、指示を仰ぐのが基本です。
経年劣化の場合は、修理費用を貸主側が負担するケースが多いですが、許可を得ずに修理すると自己負担になる恐れがあります。トラブルの様子は写真や動画で記録し、連絡時に見てもらえるようにするとスムーズにやり取りが進みます。
トイレのレバーハンドルの修理が難しい場合はプロへ相談を
トイレのレバーハンドルの不具合は、鎖の調整やナットの締め直しなど、自分で修理できるケースが多くあります。タンクのフタを開けるのは少々手間ですが、まずは内部を確認し、原因を見極めることから始めましょう。
ただし、部品がよく分からない場合や自分での修理が難しい場合は、無理をせず水道業者に相談するのが安全です。プロによる迅速な対応で、快適にトイレを使い続けることができます。必要に応じてプロの力を頼ることも大切です。

