洋式のトイレのつまりは直せる?素人でも解消出来る直し方や修理方法まとめ
洋式トイレのつまりは、症状が軽いケースですと自分で直せます。
トイレットペーパーなどの水に溶けるものが原因で、便器内でつまっているようなら対処しやすいです。
素人でも扱えるつまり解消アイテムがいろいろありますので、そちらを活用してみましょう。
一方で固形物を落としてしまった時や排水管でつまりを起こしている場合は、業者の力が必要となることが多いです。
解消法を試しても直らないようなら、業者への修理依頼を検討しましょう。
洋式トイレでつまりが起きた際の直し方についてまとめます。
目次
洋式トイレの特徴と詰まりの原因
洋式トイレがつまる原因は異物を流すことによって引き起こされることが多いです。
トイレの種類によってもつまりやすさは若干異なるため、まずは洋式トイレの特徴を押さえましょう。
また、どのような異物を混入させたのかによっても、つまりに違いが生じます。
つまりの原因やつまった時に見られる兆候について、掘り下げて見ていきましょう。
トイレから水が流れる仕組み
洋式トイレから水が流れる構造として、タンク内に溜まった水がレバーを引くことで一気に放出される仕組みとなっています。
タンク内には以下のようなさまざまな部品が設置されており、それぞれ異なる役割を果たします。
タンク内の部品
- フロートバルブ
- ボールタップ
- オーバーフロー管
洗浄用レバーを動かすと、レバーの動きに連動してフロートバルブが開閉し水が流れます。
オーバーフロー管は、タンク内の水が増えすぎた時にあふれ出さないよう調整する役割を担っています。
オーバーフロー管があることで、万一ボールタップで誤作動が起きても安心なように作られているのです
洋式トイレの種類
トイレには和式と洋式という大きな違いがありますが、洋式トイレの中にもいくつか種類があります。
主な洋式トイレとその特徴に関しては、以下の表をご確認下さい。
洋式トイレの種類 | 特徴 |
---|---|
従来型のトイレ | タンクと便座部分が分かれたスタンダードなタイプのトイレ |
タンクレストイレ | タンクが付いていないスリムな形状のトイレ |
シャワートイレ一体型 | タンクと便座部分が繋がった形状をしているトイレ |
節水型トイレ | 1回に流れる水の量が少なくなるよう計算されたトイレ |
以前まではタンクと便座が別々となったタイプのトイレが主流でした。
それが近年ではさまざまな形状のトイレが誕生し、よりスタイリッシュでおしゃれになっています。
また節水型トイレのような機能性に優れたものもあり、選択肢が広がっています。
同じ洋式トイレでも、タイプによってつまりやすさは少し異なるので要注意です。
タンクレストイレと節水型トイレは特に要注意
節水型トイレは、従来の洋式トイレよりも下水でつまりやすいと言われています。節水型トイレは1回で流す水の量が少なくなるように設計されたトイレです。
水量が不足すると下水でつまりが生じやすく、十分に流しきれないことがあります。
ただし、これは便器に問題があるのではなく下水管の構造に問題がある場合がほとんどです。
便器自体は、少量の水でも正常に汚物を排出できる様計算されて作られてます。
しかし、下水管の距離が長かったり、トイレの設置位置の問題等で従来のトイレでは流れていた物が水量が少なくなった分流れきらないケースがあります。
そもそも、この様な事が起きるのは便器を新しく交換する際に施工業者がそこまで予想、確認できないのが全ての原因です。
もし皆さんが節水タイプのトイレを希望する場合、この様な事が起こらない様に水道業者へ念入りに確認してもらう事が必要です。
トイレつまりの原因は?
つまりを起こす理由はいくつかあるため、なぜつまっているのか判断しなければなりません。
トイレつまりの原因によって、つまりの解消しやすさは変わってきます。
また、つまりが生じている箇所によっても、自分で対処できるかどうかに影響します。
便器内で排泄物やトイレットペーパーの詰まりなら後述するつまり解消法で何とかなる可能性が高いですが、異物を流し便器の脱着が必要なつまりを起こしてしまうと厄介です。
どのような理由でつまりを起こしやすいのか、見ていきましょう。
大量のトイレットペーパー
つまりを引き起こしやすいものとして、大量のトイレットペーパーがあげられます。
トイレットペーパーは水に溶けるため本来はつまりを起こすものではないのですが、大量に流した場合話は別です。
まとまりになるとほぐれにくくなるため、つまりの原因になります。
同じような理由で、下記のような流せるタイプのものでも、大量に流しすぎないように注意しましょう。
大量に流しすぎるとよくないもの
- お掃除用シート
- おしりふき
これらはトイレットペーパーよりもさらに溶けにくいですから、大量に流すと案外すぐにつまります。
流すのであれば1枚ずつを徹底するようにして下さい。
水に溶けないものを流した
水に溶けるものが原因でつまった場合ですと、時間が経つと自然につまりが解消する場合もあります。
しかし水に溶けないものを流した場合、自然解消は期待できません。
なんとかして自力で取り出すしかないため、非常に厄介です。
トイレに流してしまいやすいものとして、おむつや生理用品があげられます。
これらは水に流れないどころか、水を吸収すると膨張するため注意が必要です。
また他にも、ボールペンなどの固形物も落としやすいです。
ポケットから誤って落としてしまうというケースが多く、便器脱着の必要がでてきます。
水に溶けないものがつまってしまうと素人では解消が難しくなるため、手で取り出せるところにあるうちに取出すのが肝心です。
水圧不足
水圧不足が原因でつまりを起こすパターンもあります。
流す際に十分な水量がないと、しっかりと排水管の奥まで流しきることができません。
中途半端な水圧ですと途中で止まってしまうため、つまりを起こさないために水圧は非常に大切な要素になります。
誤った節水方法がつまりの原因となることもありますよ
たとえばタンクにペットボトルを入れている場合など、自分で水量調整をおこなうとつまりを引き起こしやすいです
また、流す時にレバーの大ではなく小を使っている場合も要注意です。
しっかりと流しきれないため、汚物がつまりやすくなってしまいます。
トイレつまりが起きた際の症状
トイレつまりが起きた際に見られる症状はいくつかあります。
症状を知っておくことでいち早くつまりに気づけますので、知っておくとよいでしょう。
つまり発生時に起きる主な症状は以下です。
つまり発生時の主な症状
- 流した後少しするとボコッボコッという異音を発する
- 流した後便器に溜まっている水位が高い、もしくは低い
- 水がほとんど流れない(便器に水が溜まる)
異音はつまりのサインです。
下水でつまりを起こしている時に異音が生じやすく、屋外の排水枡を確認すると汚水でいっぱいな場合もあります。
水位がいつもと違う時も何らかの異常が生じている合図です。
どこかで異物が止まっているがゆえに水位が変わっている可能性が高いです。
水がほとんど流れない場合、完全につまりの症状ですね。
素人でも実施できるトイレつまりの解消法
つまりの症状が軽い場合は、自分でも対処可能です。
皆さんでも実践できる解消方法がたくさんあるので、試してみるとよいでしょう。
どの方法も手軽におこなえるため、業者を呼ぶ前に一度は試してみるのがおすすめです。
つまりの解消法ごとにやり方は異なるため、手順をしっかりと押さえていきましょう。
まずは止水栓を閉める
修理をおこなう前に、まずは止水栓を閉めなければいけません。
止水栓を閉めずにトイレ修理をおこなってしまうと、もし不具合が発生した際にタンクの水が流れ汚水があふれるリスクがあります。
安全に修理をおこなうために止水栓は閉めてレバーを動かさない様にしましょう。
また自動洗浄トイレはコンセントを抜いておきましょう。
お湯を流す方法
素人でも手軽にできるつまり解消方法として、お湯を使う方法があげられます。
少量のトイレットペーパーでのつまりの場合なら直せる事もあるかもしれません。
手順は以下です。
トイレつまり解消方法手順
- 便器内の汚水を出来る限り取り除く
- バケツを使いお湯を流し込む
- 1時間程度そのまま放置する
- 時間が経過したら再度バケツで水を流し、スムーズに流れるか確認する
- つまりが解消するまで数回繰り返す
- 完全につまりが直れば完了
ポイントとして、お湯の温度は45度~60度くらいになるようにしましょう。
高温を流してしまうと便器を痛める要因になるため、少し冷めたお湯を使うことが重要です。
また、お湯を流す際は少し高い位置から流し込むのもコツです。
重曹とお酢で修理する方法
この場合も少量のトイレットペーパーでのつまりであれば直る場合があるかもしれません。
方法は次の通りです。
重曹とお酢でトイレつまりの修理方法手順
- 便器内の汚水を汲み取り、水位を低くしておく
- カップ1杯分の重曹を便器にふりかける
- その倍の量にあたるカップ2杯分のお酢を流し込む
- 発砲するのを確認したら、しばらくの間放置する
- 放置し終えたら、お湯を流し込んでいく
- 水がスムーズに流れるようになっていれば完了
きちんと汚水の汲み取りをおこない、水を無くすことがポイントです。
重曹を入れてからお酢を入れないと発砲しないため、順番を間違えないようにしましょう。
お酢の代わりにクエン酸を代用することもできます。
ラバーカップを使う方法
トイレつまり解消の定番方法として、ラバーカップもあります。
スッポンとも呼ばれ、つまりを動かすことによって直すことができます。
使い方は以下の通りです。
ラバーカップを使ったトイレつまり解消方法手順
- カップ部分が浸るくらいの水位になるよう調整する
- 便器の排水口にしっかりとカップを着ける
- 押し付けたら今度は一気に引き戻す(カップを便器から離さない)
- つまりがなくなるまでこの動作を繰り返す
- 解消したらバケツで水をしっかりと流す
ラバーカップを使う際は汚水が飛び散りやすいですから、便座周辺をしっかりと養生しましょう。
また最初の水位調整も大事です。
水位が低すぎると圧着力が弱まりますし、高すぎると汚れが漏れだす危険性があります。
カップが浸るくらいの適量になるよう、水を調整しましょう。
ラバーカップの選び方
ラバーカップでつまり解消をおこなう場合、ラバーカップ選びが肝心です。
どの製品も同じように見えるラバーカップですが、下記のような種類があります。
ラバーカップの種類
- 柄が長くゴムがしっかりした物
- 柄が短くゴムが小さく弱い物
通常ホームセンター等で1,000円位の商品を購入すれば間違いないでしょう。
先端ゴムはワン型よりラッパ型の方があつかいやすいかもしれません。100円均一店で売られている柄の短い小さい物はトイレでの使用は適さないかもしれません。
真空式パイプクリーナーを使う方法
つまりが強力な場合は、真空式パイプクリーナーを用いるのもおすすめです。
ラバーカップの強力版ですから、ラバーカップで吸引できないつまりでも解消する可能性があります。
手順は以下です。
真空式パイプクリーナーを使ってトイレつまり解消方法手順
- トイレの排水口にしっかりと押し当てる
- ハンドルをしっかりと引き上げる
- つまりが解消されるまで数回繰り返す
- 流れが良くなる感覚があったら、水を排水口に流しいれる
- スムーズに流れれば完了
ラバーカップ使用時と同じく、カップ部分が浸るくらいの水量になるよう調整してから使用しましょう。
真空式パイプクリーナーは持ち手が付いているため、使いやすいです。
吸引力も高いため、効率的につまり解消をおこないたいのであれば、最初からパイプクリーナーを利用しても良いかもしれません。
ワイヤーブラシを使う方法
トイレが詰まった時にワイヤーブラシを便器に入れると陶器を破損させる危険性があるので絶対に行わないで下さい。
それぞれの方法を比較
ここまでさまざまなつまり解消法をご紹介しましたが、基本、つまりの時はラバーカップが良いでしょう。
どれも基本としては簡単に実践できる方法ではあるものの、種類によって少し難易度は変わってきます。
またアイテムを購入するうえでの費用も若干変わります。
ただしラバーカップも無理に行うと階下に漏水する事がありますので十分注意して下さい。
以下の表を参考にして下さい。
つまり解消方法 | 実践するにあたっての難易度(状況に応じて) | アイテム購入費用 |
---|---|---|
お湯を使う方法 | 簡単 | リーズナブル |
重曹とお酢を使う方法 | 簡単 | リーズナブル |
ラバーカップを使う方法 | やや簡単な場合もあり | 普通 |
真空式パイプクリーナーを使う方法 | やや簡単な場合もあり | やや高め |
トイレつまりで業者を呼ぶ時のポイント
軽度なつまりであれば素人でも直せますが、状態が悪い場合は対処が難しいので業者に、修理依頼をおこなう必要があります。
水に溶けないものを流してしまったり、下水管でつまりが発生した時は、業者へ依頼して下さい。
業者を呼ぶ際には、注意点があります。
特に業者選びは修理の成功を左右する要素となりやすいため、じっくりとおこなうべきです。
詳しく見ていきましょう。
賃貸は確認を取ってから修理依頼しよう
賃貸の場合は業者をいきなり呼んではいけません。
管理会社や大家さんに、修理業者を依頼してよいか確認してから頼む必要があります。
賃貸ですと規約として、入居者による修理はNGとなっていることが多いです。
勝手に修理をおこなうと規約違反に該当するため、トラブルに繋がります。
また賃貸物件によっては、修理の際に頼む水道業者が決まっていることもあります。
馴染みの水道業者に頼んだ方が何かと好都合なため、他の業者にはお願いしたくないという管理側の意向があるかもしれません。
修理費の費用負担に関しても、入居者と管理側のどちらになるかケースバイケースですから、相談をおこなう必要があります。
いずれにしろ自分の一存で決めず、きちんと確認を取った方が無難です。
つまり修理の費用相場は?
つまり修理を自分でおこなった場合、アイテム購入費の数百円~数千円程度で収まります。
一方で業者を呼ぶと修理費用は高くなりがちです、
人件費や出張費が発生するため、自分で修理した際と金額が大きく変わることも珍しくありません。
業者に頼んだ場合の一般的な費用として、簡単な作業程度なら8000円~1万2000円程度です。
便器脱着作業が必要な場合ですと、2万円程度の加算となります。
また、トーラー作業や高圧洗浄などの大がかりな作業を要する場合ですと、別途費用がかかる場合もあります。
費用に関しては、深夜や早朝に依頼をおこなうと追加料金が発生しがちです。
よって業者に駆けつけてもらう時間帯も考える必要があります。
水道業者選びを失敗しないためのポイント
水道業者によって料金設定はさまざまです。
中には悪徳業者もいるため、避けなければならない業者というのも存在します。
水道業者選びを間違えると、大きな負担を被ることになるため慎重におこないましょう。
とはいえどのような点に気をつけて選ぶべきなのか、分からないのが実情ではないでしょうか。
水道業者は馴染みのある存在ではあまりないため、選ぶ際のポイントが掴みにくいかもしれません。
基本的には対応の良さや料金などで選んで問題ありませんが、その他にも確認したいポイントがいくつかあります。
修理実績を確認する
修理業者選びで確認しておきたい点として、修理実績があげられます。
技術力に自信のある業者ですと、ホームページなどで実績を紹介している業者が多いです。
これまでどのような修理をおこなってきたのか、年間で何件程度修理をおこなっているのかなど、実績に関する情報を確認していきましょう。
またSNSや口コミサイトなどを活用して調べるのも一つの方法です。
数多くの修理をこなしている業者であれば、少なからず口コミが見つかるものです。
修理の腕前はどうだったのか知る貴重な情報ですから、実際に利用した方の意見を参考にしてみるとよいでしょう。
水道局指定工事店になっているか確かめる
水道業者を決める際のポイントとして、水道局指定工事店になっているか確かめましょう。
水道局指定工事店を名乗れるのは、自治体の水道局から許可された業者だけです。
きちんと許可を受けた業者でないと、パッキン交換などの軽作業はできても水道工事はおこなえないことが法律で決まっています。
よって水道局指定工事店の指定を受けるためには、さまざまな条件をクリアしなければなりません。
給水装置工事主任技術者という有技術者がいることも条件の一つですから、水道局指定工事店であれば一定の技術力が期待できます。
もちろん水道局指定工事店の中でも良し悪しはさまざまではあります。
とはいえ一定の基準は満たしている業者であることに間違いはないため、水道局指定工事店になっている業者を選んだ方が賢明です。
相見積もりを取る
良い水道業者を見極めるためには相見積もりを取るのがおすすめです。
複数業者の見積もりを見比べることで、適正価格を提示してくれているのか確かめることができます。
極端に相場からズレた価格設定をしている業者を避けられるため、訳あり業者を選ぶ確率はぐっと下がります。
相見積もりは非常に有効な方法ですが、注意点もあります
相見積もりで稼ぐ業者も存在することです。見積もり料や出張料などを取られることがあるため、見積もり後のキャンセル規定を確認してから頼みましょう
まとめ
大量にトイレットペーパーを流したり、おむつのような水に溶けないものを流した時は、トイレつまりが生じます。
水に溶けるものであれば時間経過と共に症状が改善することもありますが、基本的には早めに対処するのに越したことはありません。
軽いつまりなら解消アイテムを使えば直るケースもあります。
さまざまなつまり解消アイテムがありますので、扱いやすさや予算に応じて選ぶとよいです。
つまりが頑固な場合ですと自分自身では対処しきれないため、業者を頼ることになります。
その際は業者選びが肝心です。