止水栓でトイレの水量を調整!種類別の止め方・開けすぎ注意点も解説

監修者情報

浜中英俊
アクアレンジャー LABO
名前 浜中英俊
経歴 一級配管技能士
所属 株式会社住まいる設備

水道局指定工事店で24時間365日お客様の水道のお困りごとを解決。記事監修者の浜中は業界26年の経験があり一級配管技能士として軽度なトラブルから配管工事まで幅広く対応してきました。施工対応件数16000件以上を丁寧に解決してきた知識をもとに直し方や役立つ情報を掲載しています。

トイレの水漏れや水が止まらないときなどに、まずできる応急処置は「止水栓を閉める」ことです。でも急な水のトラブルでは、「止水栓はどこにあるの?」「回す方向は?」「固いときはどうする?」など戸惑う人も多いはず。

止水栓の場所は家庭により異なり、トイレに設置されてない事もあったりします。

この記事ではトイレの止水栓とは何かから、種類別の止め方・開け方、回らないときの対処法まで、初めて止水栓を閉める方にもわかりやすく解説します。

トイレの止水栓はどこにある?

止水栓はトイレの水を止めたいときや水量の調節に使います。しかし、普段使わないだけに、「止水栓ってどこにあるのが」と考える方は多いのではないでしょうか。まずは、止水栓の役割や設置場所を紹介します。

止水栓の役割、水道の元栓とは別物

止水栓とは、タンクや便器へ水を送るため給水管の途中に取り付けられている部品で、一時的に水を止める際やタンクに水がたまるスピードの調整に使います。普段は意識することが少ないのですが、トイレへの給水には欠かせず、水を止めたい修理時には欠かせない存在です。止水栓の主な役割は以下の通りです。

  • 水漏れ時にトイレへの給水を一時的に止める
  • 水量を調整することでタンクに水がたまるスピードを調整
  • 修理で分解する際に水が噴き出ないように止める

「水を止める」と聞くと、水道の元栓を思い浮かべる方もあるかもしれません。しかし、止水栓と元栓は別物です。元栓は家全体の水を止めるためのもので、水道メーターの近くにあり、閉めると家中の水が止まります。一方、止水栓はトイレなど水道設備ごとに設置されていて、その設備だけを止められます。

止水栓はトイレ内のどこに付いてるの?

トイレの止水栓は、一般的に以下の場所に設置されています。

場所ポイント
壁給水タイプ壁からタンクへ伸びる給水管の根元付近、壁から突き出している
床給水タイプ床からタンクへ伸びる給水管の根元付近。
【注意】ウォシュレット が設置されているトイレは止水栓から分岐されているので、止水栓から給水管が2本伸びている。

ウォシュレット分岐付きの止水栓

止水栓は、ハンドルかネジのような見た目をしており、ネジ式はマイナスドライバーで右回りに回します。 止水栓が見当たらず、閉められない場合は、水道の元栓を止めますが、元栓を閉めると家全体の水が使えなくなります。

床に設置してるD式止水栓

賃貸で止水栓や元栓が分からない場合は、管理会社や大家さんへ問い合わせてみるのが良いでしょう。

また、タンクレストイレの場合は便器の側面カバーパネルの内側にある場合も。

親レンジャー
親レンジャー

一見すると止水栓がないように見えるが、内側に設置されている。メーカーにより位置やパネルの外し方が異なるため注意が必要です。まずはマニュアルの確認がおすすめ。

【応急処置】トイレの止水栓の閉め方

止水栓を閉める前に、以下の道具や準備を整えておくと安全かつスムーズに作業できます。
 ■工具・アイテム

用意する工具・アイテムなぜ必要か
マイナスドライバーネジ式の止水栓用(外ネジ式の場合はコインで代用できる場合もある)
軍手(あれば)手の保護と滑り防止に
懐中電灯(必要な場合)便器の下など暗い場所での作業用
雑巾床が濡れた場合の拭き掃除用

事前準備

ウォシュレット がある場合は、万が一の感電や故障を防ぐために、必ず電源プラグを抜きましょう。

また、止水栓がある場所は、トイレの裏側の狭くて暗い場所にあることが多いため明るさを確保し、工具などを準備して取りかかるのがうまく行うポイントです。

止水栓の閉め方開け方、回す方向は?

■回す方向と回数

止水栓は右回りに回してくと閉まっていきます。何回転で完全に閉まるかは、ご家庭の器具や調節具合によって異なります。基本的に給水を止めるためには、止水栓が回らなくなる位置まで回しましょう。そして開ける際も、基本的に全開まで回します。ただお住まいの地域によっては水圧が強く全開だと水はねしてしまうような状況な時に少し閉めて水量を調整します。

止水栓は時計回り(右回り)で閉める、反時計回り(左回り)で開きます。

 ■閉めすぎに注意!
回す時に力を入れて、思いきり閉めると、開けるときに開かなくなったり、パッキンを傷めたりすることがあります。きゅっと止まったところでやめましょう。


■固くて回らないときの対処法
 ・ゴム手袋で滑らないようにして回す
 ・ウォーターポンププライヤーなどの工具で慎重に回す
 無理に力を入れると部品や給水管が破損する可能性があるため、焦らずに対応しましょう。どうしても回らない場合は、水道業者への依頼する事をおすすめします。

止水栓が閉められないときの応急処置

止水栓が固まってしまい、どうしても閉められない場合や、工具が手元になく止水栓が閉められない場合に、止水栓以外で水を止める方法は2つあります。

水道の「元栓」を閉める

止水栓が閉められないときは、水道の元栓を閉めて水を止める方法があります。

住居の種類元栓の場所備考
戸建て敷地と公道などの境の地面にあるメーターボックス内「止水栓」と表示されたハンドルがある
マンション玄関横などのパイプスペース内水道メーターの隣のハンドル
アパート外廊下の地面にメーターボックスがある
 塀や壁際に住戸の分がまとめて設置されている
他の部屋のメーターや止水栓と並んで設置されていることが多いため、他の部屋のものを間違えないように注意

バルブは時計回りに回して閉めるのが基本です。元栓を閉めると家中すべての水が止まるので、他の家族がいる場合は一言声をかけておきましょう。

トイレタンク内の浮き球を固定する(応急処置)

トイレタンクの上部にある「浮き球」を持ち上げて固定すれば、給水弁が閉じるため、一時的に水が止まります。割り箸や紐で浮き球を持ち上げた状態で支えるといいでしょう。ただしこの方法は一時的な処置で、止水栓自体の修理が必要です。

トイレの止水栓の種類と見分け方

トイレに使われている止水栓には、主に3つのタイプがあり、それぞれ構造や操作方法が異なります。タイプを把握しておくと、止水栓を確認した際に、必要な工具が判断できますので、修理がスムーズに行えます。以下は、代表的な3種類の止水栓の特徴の一覧表です。

 ■トイレ止水栓の代表的な3種類と特徴

種類特徴操作方法・必要な工具
外ネジ式止水栓の先端にネジの溝が見えているタイプマイナスドライバーで回す
 (コインで代用できる場合がある)
内ネジ式【ネジのまわりが出っ張っているタイプ】
 ネジ部分が内側に入っている
マイナスドライバーで回す
【ネジ部分が2重になっているタイプ(ストレーナ付止水栓)】
 止水栓を閉めるときは内側の小さい部分だけを回して閉める
先の細いマイナスドライバーか、止水栓付属のネジを回すパーツを使う
ハンドル式ハンドルを手で直接回せるタイプ工具は不要、手で回すだけで開閉できる

■見分け方
 止水栓は、便器の後ろ側やタンクの横、または床から伸びる給水管の途中にあります。狭い場所ですが、明るさを十分確保すれば、のぞき込んで目視で判断できます。

ハンドル式止水栓

■使い勝手と注意点
 外ネジ式・内ネジ式は、工具の準備が必須で、硬くて回らない場合は潤滑剤などで対処する必要があります。
 内ネジ式のストレーナ付止水栓 は、2重になっているネジ溝の外側は給水フィルターの蓋になっているため、内側の小さなネジだけが止水栓のネジです。

ハンドル式は操作が簡単で、力の弱い方でも扱いやすいのが特徴です。ただし、力を入れて閉めやすいため、締めすぎに注意する必要があります。

止水栓の種類を知り見分けることで、トイレの水漏れや水量調整などのトラブルにも慌てることなく対処できます。止水栓を扱う作業前には、どのタイプかを確認しましょう。

【水量調節】タンクに水がたまるスピードを調整する方法

トイレのタンクに水がたまるスピードが遅いと感じたときは、止水栓で水量を調整するのが効果的です。この章では、調整の理由や手順、注意点をわかりやすく解説します。

水量調整が必要なわけ

便器に流れる水は、タンクにたまった水が、タンク下部の排水管を通じて便器に流れ込んでいるものです。タンクに水がたまるスピードが遅い場合、連続して水を流す必要が生じたときに、2度目に流す際に水が少なかったり時間がかかったりといったことが起こります。快適に使用できるように、供給する水量を調節しましょう。

止水栓を開けることで給水量が増えるためタンクに水がたまるのを早くできます。注意が必要な点は、止水栓からの水量が変わっても便器に流れる水の量は変わらないことです。
 タンクにたまる水の量は、タンク内の浮き球の位置とオーバーフロー管により決まります。

調整の手順|開けすぎ・閉めすぎに注意

止水栓で給水量を調整するときは、一気に回さず少しずつ開閉していきます。水を流して、様子を見ながら最適な位置を見つけましょう。以下の手順で慎重に行います。

■水量を増やす際の調整の基本手順

  • 止水栓をゆっくり「反時計回り(左)」に回すと水がたくさん流れるようになる
  • トイレを一度流して、タンクに水がたまる時間を確認
  • 必要に応じて微調整を繰り返す

■開けすぎ・閉めすぎの影響

開けすぎ水が勢いよく出すぎて手洗い管から出る水が跳ねたり、水のたまる音が大きくなる可能性がある
閉めすぎタンクに水がなかなかたまらず、2度目を流すまでに時間がかかる

水位線(タンク内のオーバーフロー管にある水位の目印)が水量の目安です。水のたまり具合を見ながら調整すると、快適なスピードを設定できるでしょう。

うまくいかないときのチェックポイント

水のたまるスピードがうまく調整できない場合は、以下のポイントをチェックしてみましょう。

  •  止水栓の開けすぎ・閉めすぎになっていないか
  •  どれくらい回したかわからなくなったら、いったん閉めてから少しずつ開け直す
  •  給水管内に詰まりがあると、止水栓では改善できない

サビ 詰まりの可能性がある場合や、自分で調整するのが難しいと感じたら、水道業者に相談してみましょう。

トイレの止水栓の水漏れ・不具合の対処法

止水栓から水漏れ

トイレの止水栓からジワジワ水が漏れていたり、ポタポタと漏れていたら要注意です。
 止水栓からの水漏れの原因や、応急処置・修理の方法、業者に頼む判断基準や費用相場までを詳しく解説します。

よくあるトラブルと原因

トイレの止水栓でよくあるトラブルには、以下のようなものがあります。

トラブル原因
止水栓の接続部から水がにじみ出て床が濡れる内部のパッキンの劣化、ナットのゆるみ
ハンドルやネジが固くて回らないサビや汚れで固着
ハンドルが空回りするハンドル部部品の摩耗や破損

これらの不具合は、使用期間の長い止水栓や、長期間回されることがなく放置された場合に発生する可能性が高いです。軽度なものなら自分で対応できますが、部品の劣化が進んでいる場合は交換が必要になります。

自分でできる応急処置と修理|止水栓の漏水の止め方

止水栓からの水漏れは、軽度なものは自分で修理が可能です。ナットのゆるみの対応とパッキンの交換方法をご紹介します

1.ナットのゆるみを締め直す
止水栓の接続部分にあるナットがゆるんでいると、水がにじむように漏れだします。モンキーレンチやウォータープライヤーでナットを軽く締め直しましょう。ただし、力を入れすぎると部品が破損する恐れがあるので注意しましょう。

2. パッキンを交換する

■必要な道具

  •  モンキーレンチまたはウォータープライヤー
  •  水栓に対応した新しいパッキン
  •  雑巾・バケツ
  •  軍手やゴム手袋

■手順(ハンドルタイプの場合)

  1. 水道の元栓を閉める
  2. ハンドルの中心のキャップを外し、ハンドルを抜く
  3. 古い三角パッキンを外し、新しいパッキンに交換して、元の通りに組み立てる
  4. 止水栓をいったん閉める(時計回り)
  5. 元栓を開けて、止水栓をゆっくり開け(反時計回り)、水漏れが止まったか確認する


パッキンを準備する際には、古いパッキンを外してホームセンターなどに持っていき、同じサイズを購入するのがおすすめです。通販で購入する場合は、型番を調べるか、サイズをよく確認する必要があります。

軽度な漏水であれば、自分で対応が可能ですが、改善しない場合や難しいと感じる場合は、無理せず水道業者に相談しましょう。

業者に依頼するべきかの判断基準とポイント

止水栓の修理や調整に自信がない場合は、悩むより業者に依頼しましょう。以下のような状況は、プロに任せる判断ポイントになります。

止水栓を分解する


 ■業者に依頼すべき主なケース

  • 止水栓が固くてどうしても回らない
  • ハンドルが空回りする
  • 自分で修理しても漏れが続く
  • 設備が古く、部品のサビや腐食が進んでいる
  • 自分での分解・修理に不安がある

築年数がたっている家の場合、止水栓そのものがサビなどで劣化や固着している場合があります。自分で修理するのが難しい場合は、早めに水道修理業者へ相談しましょう。

水道業者を選ぶ際には、費用や作業内容が明確であるか、問い合わせ時の対応が丁寧か、自治体の「水道指定業者(給水装置工事事業者)」であるかなどを事前に確認するのがポイントです。自分で修理をするのが無理と感じたら、プロに任せましょう。

業者に依頼した場合の料金相場

止水栓回りの修理を業者に依頼した場合の費用は、業者や作業内容によって多少異なりますが、作業費用の目安は以下の通りです。別途出張費(2,000~5,000円程度)、部品代、廃材処分費、夜間料金がかかる場合があります。全体の費用は依頼を検討する業者に、事前に見積もりを依頼し、費用を確認してから依頼しましょう。

作業内容費用相場(税抜き)  所要時間目安
簡単な調節作業(ナットの締め直し・止水栓での水量の調節)3,000円~6,000円10~20分
パッキン交換4,000円~8,000円
(部品代は数百円程度)
20~30分
止水栓の本体交換8,000円~12,000円
 (部品代は3000~6000円)
30分~60分
フレキ管の交換6,000円~10,000円30分~40分

自分で止水栓を扱うのが無理と思ったらプロに相談

トイレの止水栓が「どこ」にあるのか、種類別の止め方や回す方向、注意点と修理方法などを解説してきました。 止水栓は、トイレの給水をコントロールする大切な部品です。水漏れや修理の際には、閉める(時計回り)水を出す際には開ける(反時計回り)をまずは覚えておきましょう
 ただし、固く締めすぎたり、経年で固着したりしている場合は、無理に回すとトラブルにつながることもあります。自分で対処するのに自信がないときは、水道業者に相談しましょう。
 24時間受付の対応業者もあるので、急なトラブル時にも安心です。トラブルが起こってから慌てるよりも、余裕のある時に信頼できる水道業者を見つけておくこともおすすめです。

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