便器はひび割れたまま使える?応急処置の補修と便器の取り替え費用
便器のひび割れは掃除中や、床への水漏れが発生して気が付くことが多いトラブルです。便器は頑丈な陶器でできているため、割れそうにありませんが、経年の劣化や誤った使い方でひび割れが発生します。そして、ひびは補修しても元へは戻らず、大きくなる可能性があるため便器の取り替えが必要になるのです。
便器のひび割れが起こったときにするべき応急処置での仮補修と、業者に便器の取り替えを依頼した際の費用を解説します。
とくに、2階のトイレや集合住宅の上階のひび割れの放置は、大きな水漏れの被害につながりかねません。早めの対処で被害を抑えるように本記事をお役立てください。

目次
ひび割れの原因
便器は長持ちすると数十年使えます。頑丈な陶器でなめらかな表面は汚れが付きにくく、掃除がしやすい素材です。近年は、メーカーの研究と開発が進み、表面がより滑らかに、汚れや菌が付きにくい便器が開発されています。
頑丈な便器ですが、陶器であるため状況によってはひび割れや破損が発生します。
便器に熱湯を入れた

原因としてまず、考えられるのは、トイレに熱湯を流してしまうことです。掃除の際に熱湯をかけたり、つまり解消のために熱いお湯を流し込んだりすると便器は割れやすくなります。
熱湯が当たる部分は温度が高くなるため膨張します。しかし周囲は冷たいままのため膨張して大きくなろうとする部分の圧がかかり、ひび割れが発生してしまうのです。
お湯の温度が高いほどひび割れは発生しやすくなります。気温の低い冬場は特に要注意です。
トイレに流し込むお湯は40℃~60℃までにしておきましょう。
タンクのフタなどを便器の上に落とした
掃除の時にひび割れが起こる可能性があるのが、タンクのフタを便器の上に落としてしまうケースです。
タンクも重い陶器製です。手洗い器とつながっているものを外すときや、どこかに置く途中で便器の上に落としてしまう事故が起こると、便器もタンクのフタも高確率でひび割れます。
足の上に落とすと骨折やけがの原因にもなります。掃除の際は、タンクのフタの取り扱いには十分注意しましょう。
タンクのフタだけでなく他にも固くて重い物を落とした場合も同様です。
具体的には陶器やガラス製の花瓶、モンキーレンチやウォーターポンププライヤーなど金属製のの工具が代表的な物です。
便器の上に乗った

便器を踏み台代わりにすることも危険です。トイレ内は狭いので、踏み台が置きにくい場所です。高い棚のものを取るときや、換気扇の掃除の際に、便器を踏み台代わりにして乗った経験がある方は多いのではないでしょうか。
便器に乗った時に、足がおかれる位置に集中して重さがかかった結果、ひび割れが起こる場合があります。落下の危険もありますので、便器には乗らないようにしましょう。
ちなみに、便座(ウォシュレットやウォームレットを含む)の上に乗ることももちろんNGです。
便座は便器よりも弱いので、上に乗ったら確実にひび割れすると思ってください。
ひび割れで起こるトラブル
便器のひび割れで起こるトラブルは水漏れです。
便器の下が濡れてしまう水漏れ時には、ひび割れがないかもチェックしましょう。トイレの水漏れを放置すると、床が傷むだけではありません。2階のトイレの場合は、階下の天井へ伝わり被害を及ぼす場合もあります。大切な家財を濡らすことがないよう、早い目に対処しましょう。
集合住宅の場合、トイレの水漏れは階下の部屋の被害にもつながります。損害賠償などの大事にならないよう、ひび割れを見つけたらすぐに対処をしましょう。
賃貸でトイレがひび割れたときの対処方法
トイレのひび割れに気づいたら大家さん。管理会社に連絡を
賃貸の部屋のトイレにひびを見つけた場合、パテやテープなどで補修をする前に大家さんや管理会社に連絡を取りましょう。
経年劣化や通常の使用でのひび割れの場合は、貸主(大家さん)が費用を負担しての交換になるケースがあります。契約書を確認してみましょう。
ただし、通常の使用以外の理由での破損は借りた方の負担になるケースが多いでしょう。熱湯を入れた、便器に乗った、ものを落としたなどのケースはこれに当たるかもしれません。
いずれにしろ、勝手に修理や交換をしてしまうと、費用は自己負担になる可能性があるので、まずは大家さんに連絡します。
火災保険が使える場合もある

部屋のものが壊れたら、借主(借りている自分)が負担する契約になっている場合は、自己負担で補修・交換をしなくてはなりません。もし、火災保険に入っていたら保険がきく場合もありますので、保険会社に問い合わせてみましょう。保証金額や免責金額、手続きなどを確認して、専門業者に修理を依頼しましょう。
指定の業者を紹介してもらえるかも
万が一、自己負担で修理する際は、集合住宅の修理の場合指定業者を紹介してもらえるかもしれません。よくわからないまま、知らない業者に依頼するのが不安な場合は、大家さんに聞いてみてもよいでしょう。
便器にひび割れが入ったときの段取りは応急処置⇒便器交換
便器にひび割れができたら、ひびが大きくなっても元の状態に戻ることはありません。いつひび割れが大きくなるかわからないため応急処置で仮補修をした後、早い目に便器の交換をしましょう。水漏れがひどくなってからでは、便器を選んだり、依頼先の業者を選んだりする余裕がなくなります。また、それ以外の被害が出ていることも多く、修理費用も割高になります。
早い目に、交換依頼をして、納得のいく便器に交換したいものです。
ひび割れが大きくて応急処置では間に合わない時は、すぐに便器の取り替えをしましょう。
便器のひび割れの応急処置
ひび割れから、水が漏れている場合は、止水栓を閉めます。次に、ひびがある高さ以下になるように便器内の水をくみだしましょう(※)。これで、水漏れはいったん止まります。
※水をくみだす際に使う給油ポンプは100均で購入できます。
しかし、このままではトイレを使用できません。すぐに専門の業者に便器の交換を依頼するのが、最もよい対処方法です。しかし、すぐに交換ができない場合は、ホームセンターなどで入手が可能なパテ・コーキング・ダクトテープなどで仮補修をしましょう。
【便器のひび割れの応急処置】防水パテ
防水パテは、粘土状のパテで価格も500円前後からと買いやすい値段です。塗り広げるため広い範囲のひび割れを覆うように補修できます。パテはホームセンターだけでなく100均でも購入可能です。
【道具】
・雑巾 ・へら ・パテ ・ゴム手袋
【手順】
- 水漏れしている場合は止水栓を閉め、便器から水をくみだす
- ひび割れ周りの濡れているところを、水分や油分が残らないようにきれいに雑巾で拭き、乾かす
- へらにパテを取ってひび割れに塗り込む、ゆっくり塗り込むとパテが固まるので、手早く行う
(注意:練って使うタイプのものは十分に練る) - 使用した防水パテの説明書にある時間を放置して乾かす
時間が来たら、バケツで便器に水を入れ、水漏れがしていないか確認する
通常の防水パテの他に、水に強いエポキシパテもあります。水漏れがある場合や便器の中のひび割れは、水に強いパテを使いましょう。
【便器のひび割れの応急処置】コーキング

パテに似た補修材にコーキングがあります。コーキングはピンポイントで細かな補修ができるため、パテの補修より見た目がきれいな仕上がりになるでしょう。
ホームセンターでの価格は500円前後から市販されています。100均でも購入が可能です。
【道具】
・雑巾 ・コーキング剤 ・ヘラ ・ゴム手袋
【手順】
- 水漏れしている場合は止水栓を閉め、便器から水をくみだす
- ひび割れ周りの濡れているところを、水分や油分が残らないようにきれいに雑巾で拭き、乾かす
- コーキング剤をひび割れに沿って塗りひび割れを埋める(チューブから直接押し出す)
- 使用したコーキング剤の説明書にある時間放置して乾かす
- 時間が来たら、バケツで便器に水を入れ、水漏れがしていないか確認する
【便器のひび割れの応急処置】ダクトテープ
ダクトテープは、ガムテープより粘着力が強く、テープ内に繊維が入っています。しなやかで、表面は耐水性のあるポリエチレンです。重ね張りもできるのでDIYでパイプの補修などに使われることが多いテープです。幅の狭いものや、5mくらいの短いものは500円前後で販売されています。100均でも購入できます。
【道具】
・雑巾 ・ダクトテープ
【手順】
- 水漏れしている場合は止水栓を閉め、便器から水をくみだす
- ひび割れ周りの濡れているところを、水分や油分が残らないようにきれいに雑巾で拭き、乾かす
- ひび割れにダクトテープを貼る
- バケツで便器に水を入れ、水漏れがしていないか確認する
それぞれの違いと、ベストな選び方は?
気になるのは、パテとコーキングの違いではないでしょうか。
パテは内部まで固まりますので、柔軟性がありません。塗り広げるという使い方ができるため、ひび割れが広がっているときに使うと手早く補修できます。
コーキングは、表面は固まりますが柔らかいため柔軟性があるのが特徴です。浴槽の周りなどの、水回りに使われています。コーキングのチューブから直接ひび割れに出して埋めていきます。ただし、便器は表面をコーティングしていてツルツルするため、はがれやすいこともあります。
ダクトテープは細かい作業は不要で、貼り付けるだけですので補修に慣れていない方におすすめです。デメリットはテープが目立つことですが、便器の取り替えまでの仮補修と割り切れば、ダクトテープを貼るのが最も簡単な方法といえるでしょう。
見た目のいい順番は、
- パテ
- コーキング
- ダクトテープ
です。
簡単な順番は、
- ダクトテープ
- コーキング
- パテ
です。
パテは手早く作業をしないと固まってしまうものがありますので、固まり始める時間を確認して購入しましょう。
それでは実際に依頼であった便器ひび割れの作業の事例を2つご紹介いたします。
作業事例①
| 依頼内容 | 便器にひびが入った、応急処置をしてほしい |
| 住宅、年数 | マンション、築9年 |
| 不具合の原因 | 花瓶を落としてしまった |
| 改善作業 | コーキングでの補修 |
| 作業時間 | 30分 |
■依頼内容
便器がひび割れてしまったとの依頼がありました。ひび割れた経緯を伺うと窓際に置いてあった花瓶の水を変えようとしたら手を滑らせて便器に落としてしまい、ひび割れしたとのことでした。
■不具合の原因
花瓶を落としたことによる便器のひび割れです。
尚、ひび割れしていたのは便器の淵の部分でした。割れた部分が完全に分離しているわけでは無く、ひびが入っている状態。ちなみに水漏れはしていませんでした。
■改善作業
割れてしまった以上、改善方法は便器の交換しかありませんが、お客様の要望は「まだ9年しか経っていないのでなんとかあと2~3年持たせたい、便器の交換ではなく応急処置をしてほしい」とのことでした。
応急処置は出来ますが年数の保証はできない旨をご説明したところ、それでも構わないから応急処置をしてほしいとのことでした。
応急処置はコーキングで補修することにしました。
ひび割れしたのが便器の淵で、水に浸かっていたり水が流れたりする場所ではなかったので、しっかりコーキング補修すればある程度は持つと思いました。
まず、便器のひび割れ周辺のコーキングを塗布する場所の水分、油分、汚れを落としました。そして、マスキングテープは範囲を決め、コーキング剤を塗布し、ヘラでならしました。
作業はこれで終了ですが、使用するにはコーキングが乾燥するまで待つ必要があります。お客様には丸一日、明日のこの時間までトイレの使用をしないでほしい旨をお伝えして終了となりました。
■まとめ
便器がひび割れた場合の改善は便器の交換しかありません。ただし今回は、それをご理解いただいた上での応急処置の依頼でした。
作業事例②
| 依頼内容 | 便器とタンクの接続部が割れた |
| 住宅、年数 | 戸建て 築30年 |
| 不具合の原因 | タンクに寄りかかったら割れた |
| 改善作業 | 便器、タンク交換 |
| 作業時間 | 2時間30分 |
■依頼内容
便器とタンクの接続部付近が割れているので見てほしいとの依頼がありました。詳しく伺うと、よろけてタンクに寄りかかったら割れてしまったとのことでした。
■不具合の原因
現場を確認すると便器とタンクを接続している便器側の陶器が割れていました。確かにタンクの正面から後ろに向けて強い力が加わった時になるであろう割れ方をしていました。
タンクと便器は基本的に2本の密結ボルトで接続されていますが、便器が割れていることによって片側が固定できず、水漏れもしている状態だった為、選択肢は便器とタンク交換の一択でした。
■改善作業
お客様にご了承いただき、便器とタンクの交換をすることになりました。タンク側にひび割れや破損はありませんでしたが、30年使用している便器だったので、取り付けられるタンクは既に生産を中止していた為、便器とタンク一式の交換となりました。
幸い、水漏れの量は多くなく、便器が割れたあとすぐに依頼していただいたので床へのダメージはほとんどありませんでした。
ウォシュレット、タンク、便器の順に取り外し、新しい便器、新しいタンク、既存のウォシュレットの順で取り付けを行いました。
■まとめ
今回は応急処置もできない便器の割れ方をしていたので、便器、タンクの交換一択でしたが、お客様が便器が割れたあとすぐに依頼してくれたので、被害が最小限だったのが不幸中の幸いです。
便器の交換はどこに頼む?費用はいくら?

便器の交換はどこに依頼すればいいのでしょうか。気になる費用はどれくらいかかるかを知っておきましょう。
便器の交換は水道の業者、リフォーム業者に依頼
便器の取り替えは、水道業者かリフォーム業者に依頼します。
便器の取り替えであれば、水道業者の方が対応が早い可能性があります。また、床や壁紙の張替えにも対応している水道業者もありますので、合い見積もりを取って費用を比較するとよいでしょう。
費用は便器の価格によって大きく異なる
便器の交換費用は、25,000円~が相場です。
便器を依頼先で購入するか、便器を依頼者が購入し、交換だけを依頼するかによっても費用が異なります。
また、夜間料金や出張料金が別途かかる業者もありますし、はずした便器の処分費用(8,000円~)も別途必要でしょう。
便器の交換費用以外に、便器の購入費用がかかります。
価格は50,000円~300,000円くらいと幅があります。選ぶ便器により費用は大きく異なってくるのがおわかりいただけるでしょう。
希望の便器がある場合はそれを伝えて見積もりを取りましょう。とくに希望の便器がない場合は、欲しい機能や条件と予算を伝えて業者にアドバイスをもらうとよいでしょう。
タンクも交換か便器だけか
便器のひび割れで交換する時は、タンクも交換する必要があるのかも気になる点ではないでしょうか。
新しい便器であれば、タンクの交換はなしで便器だけの交換ですむケースもありますが、通常はタンクと便器をセットで交換します。
便器は長く使えるものですので、取り付けから10年、20年たっているというケースは多いものです。メーカーに今あるタンクと適合する便器の在庫がない場合はどちらも交換になります。
便器の選び方
便器の交換はたびたびあることではないので、適当に選ばず機能やタイプを見極めて使いやすいものを選びましょう。ここではトイレのタイプ別にメリットデメリットを確認していきます。
タンク付きトイレ

一般的によく見かけるトイレです。タンクとトイレ・便座がそれぞれ独立しているタイプです。
| メリット | 価格が安価 温水便座だけの取り替えが可能 水圧が低くてもタンクに水がたまるので安心して使える 手洗いなしと手洗い付きが選べる |
| デメリット | パーツが独立しており形が複雑な分、掃除がしにくい部分もある |
一体型トイレ

便器とタンクが一体になっており、つなぎ目がなく、見た目がシンプルなトイレです。
| メリット | 凹凸が少なく掃除がしやすい 水圧が低くてもタンクに水がたまるので安心して使える 手洗いなしと手洗い付きが選べる |
| デメリット | 温水便座が故障した場合、市販のものを取り付けられない。純正品を使うので高くつく(一体型の為、温水便座とタンクの交換になる) |
タンクレストイレ

見た目がすっきりしてコンパクトでおしゃれなトイレです。
| メリット | タンクがない分コンパクトで、トイレが広くなる 水道から直接水が流れるので、連続して水を流せる |
| デメリット | 便器が高価 温水便座が故障した場合、市販のものを取り付けられず、純正品を使うので高くつく 手洗いを別に設置する必要がある |
床から浮いたトイレ(フロートタイプ)

おしゃれなうえに掃除がしやすく、シンプルな床から浮いたトイレが登場しています。気になる耐荷重は200kg(TOTOレストパルF)で体格の大きな方でも安心です。
| メリット | 床と便器の隙間がなくなり、掃除が楽になり清潔 スタイリッシュでおしゃれ |
| デメリット | 便器の価格が高価(定価は400,000円前後) 選択肢が少ない ・TOTO「レストパルF」 ・LIXIL「フロートトイレ」 |
便器の取り替え工事は、壁や床のリフォームをする機会でもあります。1畳ほどの広さのトイレであれば、クッションフロアと壁紙を50,000~80,000円くらいで張り替えられますので、便器の交換と一緒に見積もりをとってもよいでしょう。
便器を取り替える際の業者の選び方
便器の取り替えは見積もりを取って、便器やタンクの価格・工事費用・廃棄費用・出張費などそれぞれの項目をきちんと確認しましょう。
取り付け費用だけを見て、安くても技術のない業者に頼んでしまうと後悔することになりますので、業者選びは慎重に行いましょう。下記が業者選びのポイントです。
- 地域での営業が長い
- 水道局の指定業者
- 対応が丁寧
- 見積もりの詳細がきちんと書かれており、不明点を説明してくれる
- 万が一の時の保証がある
高すぎる業者はもちろん、安すぎる業者も技術がない可能性があるためおすすめできません。相場を参考に、適正な価格できちんと工事をしてくれる業者を選びましょう。
まとめ
便器のひび割れの応急処置の仮補修と、業者に便器の取り替えを依頼した際の費用を解説しました。
薄いひび割れなら平気かもと仮補修を怠っていると、ある日突然ひび割れが大きくなる可能性もあります。ひび割れでお困りの場合は、きちんと補修をして、早いうちに便器を取り替えましょう。
アクアレンジャーは、知識や経験も豊富なスタッフが揃っています。東京都指定給水装置工事事業者で、作業後の保証も充実していますので、安心して便器の取り替えを依頼いただけます。
見積もりは無料ですので、便器の取り替えはまずはアクアレンジャーにお問い合わせください。




