洗濯機の蛇口にサビや水漏れなどのトラブルはありませんか？
もし、洗濯機の蛇口が古い場合は、交換を検討してみましょう。
洗濯機の単水栓は構造がシンプルなので、DIY初心者も蛇口の交換に挑戦できます。
最近は、ホースが抜けた際に自動で水が止まるなど、安全性の高い蛇口が主流です。
すっきりしたデザインの蛇口にすれば、洗濯機まわりが快適になります。
この記事では、洗濯機蛇口の種類と交換の方法や必要な道具、費用の目安、交換を業者に依頼したい場合のポイントなどをわかりやすく解説します。
洗濯機の蛇口交換を検討するタイミングと必要性
洗濯機の蛇口は、一度設置すると長年使い続ける家庭が多いですが、およそ10年が交換の目安といわれています。
洗濯機の蛇口を開けっぱなしにしている場合、水圧がかかりっぱなしになっているため、見た目以上に劣化しているケースもあります。
その結果、起こるのがサビ・固着・水漏れといったトラブルです。
また、古い蛇口は「緊急止水機能」がないため、ホースが外れると水が止まらず、床の水浸しや階下への漏水トラブルにつながる恐れもあります。
最新の蛇口へ交換すれば、安心感・使い勝手・デザイン性が格段にアップします。
まずは、洗濯機の蛇口の種類を見ていきましょう。
洗濯機の蛇口の種類
洗濯機の蛇口にはいくつか種類があり、それぞれ特徴や使い勝手が異なります。
ハンドルタイプの単水栓から、最新の緊急止水機能付きまで幅広いタイプがあるため、交換時には機能やデザインを見て選びましょう。
ここでは代表的な蛇口の種類を紹介します。
万能ホーム水栓
万能ホーム水栓は、古い住宅の洗濯機の蛇口によく見られるもっとも基本的なタイプの蛇口です。
戸外の立水栓などでも使われており、蛇口のスパウト（水の出るパイプ部分）が360度回転するのが特徴です。
蛇口の角度が変わるため、洗濯機の位置や高さに合わせられるメリットがありますが、洗濯機用ホースを直接接続することはできません。接続には、専用のアダプター（ニップル）が必要です。
また、緊急止水機能などは備わっていないため、ホースが抜けると水が出っぱなしになる心配があります。
蛇口が本体に一体化している単水栓は「横水栓」と呼びます。
洗濯機用ホーム水栓（ワンタッチ水栓）
洗濯機用ホーム水栓（ワンタッチ水栓）は、洗濯機ホースを「カチッ」とはめ込んで接続できる便利なタイプです。
ホースを取り付けるアダプターを使わずに取り付け・取り外しができるため、慣れない方にも接続しやすいという特徴があります。
洗濯機用ホーム水栓の中でも、水漏れ防止機能付きのモデルを選ぶとさらに安心です。
緊急止水弁付き水栓
緊急止水弁付き水栓は、万が一、蛇口からホースが外れたときに、自動で水を止める機能が付いています。スパウトは短く本体と一体型で、回転しません。ワンタッチでホースを簡単に接続でき、見た目がシンプルなため、洗濯スペースがすっきりします。
蛇口からホースが抜けたら、自動で水が止まるため、マンションや戸建てを問わず近年人気があるタイプです。交換の際には、安心と、見た目のすっきりさを両立してくれるこのタイプがおすすめです。
洗濯機用混合水栓（緊急止水弁付き）
洗濯機用混合水栓（緊急止水弁付き）は、水とお湯の両方を使える便利なタイプです。単水栓が通常水だけなのに対し、混合水栓は温度を調整できるため、冬場の洗濯に最適です。
さらに緊急止水弁付きであるため、ホースが外れても自動で止水できます。
現在の洗濯機の蛇口が単水栓の場合は、自分で混合水栓に交換するのは難しいため、新築時やリフォーム時に導入するのがおすすめです。
洗濯機の蛇口を自分で交換する方法
洗濯機の蛇口交換は、基本的な手順を守ればDIY初心者でも行えます。
必要な道具や注意点を押さえれば、スムーズに作業できるでしょう。
ここでは既存の水栓を外し、緊急止水弁付き洗濯機用水栓を取り付ける際の手順を解説します。
準備する道具と部品
洗濯機の蛇口交換をスムーズに進めるには、事前の道具と部品の準備が大切です。
洗濯機の蛇口交換に必要な工具が、ウォーターポンププライヤーとシールテープだけで済む点も、DIY初心者が取り組みやすい理由です。
下記に一覧表にしました。
| 道具・部品名 | 目的・用途 |
| ウォーターポンププライヤー | 水栓本体の取り外し・締め付けに使用（モンキーレンチでも可） |
| シールテープ | 接続部の水漏れ防止 |
| 新しい蛇口 | 既存水栓と同じ規格のものを使用（管の径を合わせる） |
| タオル・バケツ | 作業中の水拭き用と床の水濡れ防止 |
交換手順
洗濯機の蛇口を交換する際は、基本の手順を正しく踏むことが大切です。
元栓の閉栓から新しい蛇口の取り付けから通水確認までの流れを順に解説します。
①ホースを外し水道の元栓を閉める
洗濯機の蛇口を開けっぱなしにしている場合は、蛇口を閉め、洗濯ホースを取り外すことから始めます。
次に蛇口の交換作業に入りますが、その前に必ず「水道の元栓」を右に回して閉め、給水を止めてください。
（元栓がハンドルの場合、何度回したかを覚えておくと、開ける際の調節が楽になります）
元栓を開けたまま作業すると、水が噴き出してしまう危険があります。
■元栓の場所
戸建て：道路から敷地に入ったあたりの地面にあるメーターボックスの中にあります。
マンション：玄関横のパイプスペースの床に近い部分に、水道メーターがありその隣のハンドルが元栓です。
アパート：1階の共用の廊下や、壁際・塀際にまとめて取り付けられていることがあります。
■元栓の締め方
ハンドルやレバーを手で時計回りに止まるまで回します。
②既存の蛇口を取り外す
元栓を閉めたら、一度蛇口を開けて給水管内の水を出し切り、水が止まっていることを確認します。
次に、既存の蛇口を取り外すために、モンキーレンチで水栓本体をはさんで左回り（反時計回り）にゆっくり回します。
モンキーレンチが滑りやすい場合は、水栓本体との間にタオルなどを挟んで滑り止め代わりにしてください。
蛇口が外れたら、配管内に残った水がこぼれることがあるので、下にタオルを置いておくと安心です。
③配管部分を掃除する
蛇口を外したあとは、給水管部分をしっかり掃除します。
古いシールテープやサビが残っていると、新しい蛇口を取り付けたときに水漏れの原因になることがあります。
【掃除のポイント】
- 配管のネジ山に残った古いシールテープを丁寧に除去
- サビや汚れは布やブラシできれいに拭き取る
- 破損やひび割れがないか目視でチェック
取り付け面のゴミを取り除くことで、接続部がしっかり噛み合い、長く安心して使えるようになります。
④新しい蛇口を取り付ける
配管をきれいにしたら、新しい蛇口を取り付けます。新しい蛇口のネジ部分にシールテープを引っ張りながら時計回りに6～7回巻きつけ、ネジ山になじませます。
巻く向きは、ネジを締める向きと同じです。
逆向きに巻くと取り付け時に緩んで、やり直しになるため注意しましょう。
取り付けの手順は、蛇口にネジ部分をまっすぐ差し込んで、手で軽く締めます。
その後ウォーターポンププライヤーで固定しますが、このとき締める方向を戻してしまうとシールテープがよれるため、水漏れの原因になります。戻してしまったらやり直しです。
締めすぎは破損の原因になるため、手ごたえがあったところから少し増し締めをするというイメージで閉めましょう。
これで蛇口の取り付けが完了です。
⑤通水チェック
取り付けが完了したら、元栓を開けて通水し、水漏れがないかを確認します。
【チェックポイント】
- 壁と蛇口の接続部からの水滴やにじみがないかしっかり確認
- 水漏れがある場合は、ナットを少し増し締めする
- シールテープのヨレやズレが原因なら、蛇口を外して巻き直しからやり直す
この段階で水漏れがないことをしっかり確認します。
洗濯機ホースをつないで、洗濯機に給水してみて、蛇口から水が出ても漏れがないかも確認しましょう。
DIYで交換する際の注意点｜賃貸・作業方法
DIYで洗濯機の蛇口を交換する際は、いくつか注意すべきポイントがあります。
【賃貸物件の注意点】
賃貸物件では、勝手に蛇口を交換すると退去時に原状回復費用が発生する可能性があります。事前に管理会社や大家さんへ相談してから作業を行いましょう。
【作業時の注意点】
- 蛇口を締めすぎない：配管が破損するおそれがあります。手ごたえがあったところから少し増し締めをする程度が目安です。
- シールテープの巻き方：巻く方向を間違えると水漏れの原因になります。時計回りに6～7回、均一に巻くのがコツです。
- 無理は禁物：配管が古い、固着して回らないなどの場合は、早めに水道業者へ依頼しましょう。
洗濯機の蛇口の水漏れの応急処置と対処
ここからは、洗濯機の蛇口のトラブルの対処法を見ていきましょう。
洗濯機の蛇口は、開けっぱなしにしているご家庭が多いため、万が一蛇口からホースが抜けたときは大惨事につながる可能性があります。
ただし、緊急止水弁付き洗濯機用蛇口を使っている場合は、自動で水が止まるため（※）、蛇口のホース抜けによる水漏れの被害のリスクは激減します。
しかし、古いタイプの万能ホーム水栓の場合は要注意です。水漏れが起こったときの対応を見ていきましょう。
※：水が止まるのは、蛇口からホースが抜けた場合で、洗濯機側が抜けた場合、水は止まりません。
【応急処置】蛇口・止水栓・元栓を閉める
洗濯機の蛇口から水漏れが起きたときは、まず水を止めることが最優先です。
水漏れといっても、さまざまな状態が考えられます。
開けっぱなしにしていた蛇口のホースが外れて、全開状態の蛇口から水が出続けているような場合には、蛇口を閉め、洗濯パンや床の水を速やかに拭き取りましょう。
戸惑うのは、蛇口本体からの水漏れです。
通常水回りには止水栓がありますが、洗濯機の蛇口には止水栓が付いていないことがほとんどです。
水を止めるためには、水道の元栓を閉める必要があります。
しかし、元栓を閉めると、家中の水道が一時的に止まるので、トイレやキッチンの水も使えなくなる点に注意してください。
洗濯機の蛇口の水漏れ｜安く済ますならパッキン交換
蛇口からの水漏れが、蛇口本体のじわじわ漏れポタポタ漏れなど軽度な場合は、パッキンの劣化かナットの緩みなど、比較的簡単な修理で対処できます。
パッキン交換はDIYで可能なケースが多く、費用も安く済むメリットがあります。
洗濯機の蛇口の水漏れ｜蛇口の劣化・固着があれば交換がおすすめ
蛇口自体の劣化やサビが進行している場合は、パッキン交換だけでは対応しきれないことがあります。
また、長年使用していると、ハンドルが固く回らなくなったり、ネジが錆びついたりしていることも少なくありません。
緊急止水機能付きの蛇口であれば、万が一、ホースが外れても自動で水が止まるため、大きな被害につながりにくく安心です。
蛇口の劣化が進んでいる場合は、この機会に最新タイプの蛇口への交換を検討しましょう。
洗濯機の蛇口のパッキンの交換
蛇口からの水漏れは、パッキンの劣化が原因であることも多く、交換すれば改善できる場合があります。
ここでは、ナットの増し締めからパッキン交換手順まで、初心者でもできる方法を解説します。
パッキン交換の前に試したい、ナットの増し締め
蛇口からの水漏れがパッキンの劣化ではなく、ナットの緩みが原因であることもあります。
とくに、ホーム水栓の場合は、水漏れか所のナットを少し増し締めするだけで水漏れが止まるため、パッキンを交換する前に試してみましょう。
【増し締めのポイント】
- 緩みがあれば、モンキーレンチで少し右回し（時計回り）に締める
- 一気に強く締めず、様子を見ながら調整する
- 締めすぎるとパッキンを潰したり、配管を傷めたりする可能性があるため注意
まずはこの方法を試し、それでも水漏れが改善しない場合は、パッキンの交換を行いましょう。
洗濯機の蛇口のパッキン交換と準備
パッキンを交換する際は、必要な部品と工具をそろえておくことが大切です。
万能ホーム水栓のパッキン交換を例にして解説します。
ホーム水栓で使われているパッキンと水漏れの関係を下記表で確認しましょう。
パッキンは蛇口を構成する部品のつなぎ目に使われています。
| 水漏れか所 | パッキンの場所 | パッキン名 |
| スパウト根元 | 蛇口の胴の部分とスパウトの接続部 | Uパッキン |
| ハンドル下 | ハンドル下のナットの中 | 三角パッキン |
| 蛇口 | 胴の中 | コマパッキン |
パッキン交換に準備する工具と道具は、以下です。
- 交換用パッキン
- モンキーレンチ
- ドライバー
- ピンセットかラジオペンチ
- タオル、バケツ
交換用パッキンは、事前に蛇口のメーカーや品番を確認してから、合うものを購入しましょう。パッキンの品番が分からない場合は、パッキンを外して、ホームセンターに持って行き、同じものを購入するという方法が確実です。
交換手順
単水栓のパッキン交換は正しい手順を踏めば、DIY初心者でも交換できます。
ここでは三角パッキン（ハンドル下水漏れ）とコマパッキン（蛇口の水漏れ）の交換方法を解説します。
- 止水栓または元栓を閉める（作業中に水が出ないよう、必ず水を止める）
- ハンドルの上のネジをモンキーレンチで回して緩め、手で回し取りハンドルを抜く
- モンキーレンチを使い、ハンドル下のナットを反時計回りに回して取り外す。
ナットの中にあるのが三角パッキン。
三角パッキンのみを取り替える場合は、座金と三角パッキンを取り替えて、逆の手順で戻す。 - コマパッキンを取り替える場合は、三角パッキンと座金を外し、スピンドルを反時計回りに回して外す。
胴の中に残ったコマパッキンをピンセットかラジオペンチでつまみ上げ、新しいものと交換する。 - スピンドルを戻し、座金と三角パッキンをセットし外したときと逆の手順で戻す
- 交換が終わり、組み戻しができたら、元栓を開けて、水漏れがないかを確認する。
必要に応じてナットを微調整する。
この手順を守れば、パッキンが原因で起こる蛇口からの水漏れや、ハンドル下の水漏れは解決できます。
洗濯機の蛇口交換にかかる費用の目安
洗濯機の蛇口交換にかかる費用は、DIYと業者依頼で大きく異なります。
ここでは、それぞれの費用目安と、業者を選ぶ際に知っておきたいポイントを解説します。
DIYの場合
DIYで洗濯機の蛇口を交換する場合、費用は比較的安く抑えられます。
蛇口本体の価格は、シンプルな万能ホーム水栓で1,500～2,500円程度、緊急止水弁付きタイプで5,000～8,000円程度が目安です。シールテープは数百円程度で購入可能です。
パッキン交換の場合は、パッキンの費用だけで、数百円程度です。
モンキーレンチなどの工具をすでに持っていれば、材料費だけで交換が可能なため、全体で数千円程度に収まることもあります。
業者に依頼する場合の費用
業者に依頼して洗濯機の蛇口を交換する場合、費用は作業内容や業者によって異なります。
パッキン交換であれば比較的安く済みますが、蛇口本体の交換や夜間や休日の緊急対応になると費用が高くなる傾向があります。
また、作業費用に加えてかかるのが、出張費や部品代、夜間料金などです。
問い合わせ時に、どのような料金がかかるかを確認し、見積もり無料の業者に現地での見積もりをしてもらいましょう。
費用を確認したうえで作業に取りかかる流れになっているため、安心して依頼できます。
以下は作業費用の目安です。
| 作業内容 | 費用目安（税込） | 備考 |
| 増し締め | 約3,000円 | 軽度な水漏れの応急処置 |
| パッキン交換 | 3,000～4,000円 | 部品代は別途 |
| 単水栓の交換 | 約8,000円 | 蛇口代は別途 |
業者選びのポイント
洗濯機の蛇口の交換を業者に依頼する際は、料金だけでなく「信頼できる業者」に依頼しましょう。
業者選びに迷ったときは、地域の水道局指定業者を探しましょう。
有資格者が在籍しており、自治体に認可されているため技術面が安心できます。
【業者選びのポイント】
- 水道局指定業者か確認（水道局のサイトで検索する）
- 相場からかけ離れた「激安価格」の広告には注意
- 事前に見積もり内容を確認し、不明点をきちんと説明してくれる業者を選ぶ
- 口コミや評判もチェックしておくと安心
安さだけで判断せず、信頼性と技術力を重視することがトラブル防止につながります。
洗濯機の蛇口を交換して、快適で安心な洗濯空間に
洗濯機の蛇口の水漏れの応急処置や、蛇口・パッキンの交換方法について解説しました。
洗濯機の蛇口の寿命は、およそ10年とされています。
もし、洗濯機の蛇口が古い場合や、水漏れがある場合は交換を検討しましょう。
人気の「緊急止水弁付き洗濯機用水栓」に交換すると、水漏れの危険性を減らせます。
ただし、途中で自分での交換は無理だと感じた場合や、忙しくて時間がない場合などには、業者に依頼しましょう。
早く、確実に、快適な蛇口が使えるようになります。
ご自身で作業しても、プロに依頼しても、安全性が高くすっきりとした洗濯機用蛇口に交換できます。快適な洗濯空間をぜひ実現してください。
