【失敗しない】KVK混合水栓の交換方法|DIY手順と業者の費用相場
浴室やキッチンなどの混合水栓で水漏れや不具合が発生した場合は、パッキンなどの部品交換や水栓本体の交換を検討するタイミングです。
まずは水栓のメーカーを確認しましょう。
KVK製の水栓をお使いの方も多いのではないでしょうか。
KVKは水回り製品を作っている国内メーカーで、混合水栓も数多く展開しています。
混合水栓のカートリッジやパッキン、本体の交換は、DIYに不慣れな方にとっては、ややハードルが高い作業かもしれません。
この記事では、KVKの混合水栓を対象に、交換方法や準備する工具、業者に依頼した場合の費用相場まで詳しく解説します。
自分で交換にチャレンジする際の準備や注意点も紹介しますので、ぜひ最後までご覧いただき、水漏れのない快適な水栓へと交換してください。
目次
KVK混合水栓を交換する前に知っておきたい基本知識
KVKの混合水栓を交換する前に、そもそも混合水栓の種類や特徴、KVKの水栓が多く使われている理由を理解しておきましょう。
混合水栓とは?種類と特徴をチェック
混合水栓とは、水とお湯を一つの蛇口から出せる水栓です。浴室やキッチン、洗面所などお湯を使う場所で使われており、機能によっていくつかの種類があります。
交換を検討する際は、まず現在取り付けられている混合水栓のタイプを把握することが重要です。
各タイプの特徴を知っておくことで、新しい水栓を選びやすくなります。
代表的な混合水栓は、以下の3タイプです。
種類 | 主な設置場所 | 特徴(メリット・デメリット) |
ツーハンドル混合水栓 | 浴室・キッチン・洗面所 | ・お湯と水のハンドルが別々で、温度を手動で調整するタイプ ・シンプルで価格が安い |
シングルレバー混合水栓 | キッチン・洗面所 | ・レバー1本で蛇口の開閉(水の出し止め)ができる ・レバーの位置により温度調整ができる ・操作が簡単で片手でも使える ・カートリッジが劣化すると水漏れが発生する可能性あり |
サーモスタット混合水栓 | 浴室 | ・設定した温度でお湯が出るので、温度変化に強い ・蛇口からの温度が安定し安全性が高い ・価格や交換費用がやや高い ・カートリッジの交換が素人では難しい |
交換時には、現在の設置状況(壁付タイプか台付タイプか、ワンホールかツーホールかなど)を確認し、取り付ける混合水栓の種類や適合するサイズを検討する必要があります。
混合水栓について理解しておくことで、DIYでも業者に依頼する場合でも、スムーズに交換できます。
KVKの混合水栓が人気の理由
KVKは1939年創業で、国内メーカーとして長年の実績があります。
製品の信頼性が高く、多くの家庭で水回り製品が使われているメーカーです。
- ラインナップが豊富
浴室用、キッチン用、洗面用水栓など、用途に合わせて幅広いモデルを展開。 - 価格のバランスが良い
高価な高機能モデルから手頃な価格の製品もあり、予算に応じて選びやすい。
TOTOやLIXILより価格が抑えられている。 - 部品交換が容易
パッキンやカートリッジなど消耗部品が入手しやすく、品質が安定しているため長く使い続けられる。 - コストパフォーマンスが良い
安心な国内メーカー、サポート体制があり、修理やメンテナンスがしやすい。
これらの特徴から、KVKの混合水栓は「安心して使えるコストパフォーマンスの高い製品」として、多くの方に選ばれてきました。
自分で交換するか業者に依頼するかの判断基準
混合水栓の交換はDIYでも対応可能ですが、条件によっては業者に依頼した方が安心です。
ここではDIYに向くケースと、業者に依頼する方が良いケースを解説します。
DIYで交換はこんな人におすすめ
混合水栓の交換は条件が合えばDIYでも可能です。
例えば、「ワンホール混合水栓で既存と同じサイズの水栓に交換する場合」は比較的スムーズに作業できるでしょう。
そのほか、次のような条件やケースもDIYに適しています。
- モンキーレンチなどの工具が揃っている
- DIYや水栓の修理の経験がある
- 軽微な水漏れで、パッキンやカートリッジ交換のみで済むケース
自分で交換を始めてみて、途中で「難しい」と感じた場合は、無理をせず業者に依頼しましょう。
業者に依頼をおすすめするケース
混合水栓の交換はDIYができる場合もありますが、次のようなケースでは業者に依頼がおすすめです。
- 配管部分が劣化している
古い住宅では接続部が錆びていることがあり、無理に外すと破損の恐れがあります - 違うメーカーの水栓に交換する
サイズや規格が合わない場合、アダプターが必要になることがあります。 - 水栓や配管の状況や作業環境が悪い
キッチン下のスペースが狭い場合や、止水栓やナットなどが固くて回せないなど、作業自体が難しい場合
このようなケースでは無理をせず、経験と技術のある業者に依頼することで、確実に交換作業をしてもらえます。
KVK混合水栓の交換に必要な準備
KVKの混合水栓を交換するには、事前の確認と準備が大切です。
品番やサイズの確認ポイント、必要な工具や部材、作業前に必ず閉める止水栓の操作方法を順に見ていきましょう。
品番や適合サイズの確認方法
混合水栓の交換やパッキン、カートリッジの取り替えを行うには、品番やサイズの確認は欠かせません。
誤ったものを選ぶとサイズや形状が異なり、取り付けができなかったり水漏れの原因になったりします。
- パッキン交換の場合
水栓本体の品番を確認し、取扱説明書やKVK公式サイトで、適合する部品を調べる - 水栓本体交換の場合
KVKの公式サイトで、現在使用している水栓の解説(図面)を確認する。新しく交換する水栓の取り付け穴の位置やサイズ、規格が今ある穴と一致しているかを必ず確認する - 不安な場合
ホームセンターなど、水栓を購入予定の店舗で相談するという方法も
事前にしっかり確認することで、購入ミスや、作業の途中で中断するのを防げます。
準備する工具・部材
混合水栓の交換やパッキンなどを交換する際は、必要な工具やパーツをあらかじめ準備しておくと、作業がスムーズに進みます。
以下の一覧を参考に準備しましょう。
作業内容 | 必要な工具・パーツ |
パッキン交換 | 交換用パッキン、スパナ(モンキーレンチ・ウォーターポンププライヤーなど)、ドライバー、シールテープ、先の細いドライバーかキリ |
水栓本体交換 | 新しいKVK混合水栓本体、モンキーレンチ(またはウォーターポンププライヤー、)、シールテープ、ドライバー、先の細いドライバーかキリ |
その他 | ゴム手袋、タオル、45Lゴミ袋(排水口を覆いパーツ落下を防止)、浴槽の栓(閉めておく) ※交換場所により、KVK専用の工具 が必要になる場合がある |
これらを準備しておくことで、作業がスムーズに進みます。
止水栓と元栓の場所と閉め方
混合水栓本体を交換する際は水道の元栓を、パッキンなどのパーツを交換する際は止水栓を、必ず閉めてください。
止水栓・元栓とも閉める際は時計回り(右回り)に回します。
閉めた後は、蛇口を開けて水を出しきり、配管内の水を抜いておきましょう。
■元栓の場所
建物の種類 | 元栓の場所 |
戸建て | 敷地内のメーターボックスの中 |
マンション | 玄関横のパイプスペースの中、水道メーターの隣 |
アパート | 廊下や敷地内のメーターボックスの中、壁や塀の付近に設置されているケースも。他の部屋の止水栓を閉めないように注意する |
■止水栓の場所
作業場所 | 止水栓の位置 |
浴室 | 壁付混合水栓の蛇口の奥、壁からの配管の接続部分近くの左右2か所。 マイナスドライバーで閉める。 |
キッチン・洗面台 | シンク下・洗面ボウル下の収納庫内部に2本(水と湯)の止水栓があり、手でハンドルを回して閉める。 |
DIYでできる!KVK混合水栓の交換手順
KVK混合水栓は、DIYが得意な方であれば本体の交換やパッキンなどの交換も可能です。
ここでは壁付タイプとキッチン用ワンホールタイプの水栓交換の手順、さらにパッキンとカートリッジ交換の方法を解説します。
KVK壁付混合水栓の交換手順
浴室で多く採用されているのが壁付混合水栓です。
DIYに慣れていれば交換も可能です。
取り付けサイズや配管の状態を事前に確認してから、作業を始めましょう。
■交換手順
- 元栓を閉める
必ず元栓を閉め、水抜きをする。 - 既存の水栓を取外す
モンキーレンチを使って、左右のナットを手前から見て時計回り(右回り)に緩め、水栓本体を取り外す。
次に、左右のクランク(偏心管とも呼ぶ)を、手で時計回りに回して外す。 - 壁の配管を掃除し、新しいクランクを取り付ける
クランクを取外した給水管内に、ゴミが付いている場合は掃除して取り除く。
新しいクランクのネジ山にシールテープを伸ばしながら時計回りに7~8回巻き、なじませる。
壁の給水管に取り付けるが最後まで締めずに、水栓本体を取り付ける位置の少し手前で留めておく(位置を調整するため)。 - 新しいKVK混合水栓を取り付ける
本体とクランクの位置を合わせてパッキンを入れ仮付けする。
水平になるように慎重に合わせて、モンキーレンチで本締めする - シャワーホース・ハンドルを接続する
付属のシャワーホース・ハンドルを取り付け、緩みがないか確認する。 - 通水チェック
元栓を開けて水を流し、水漏れがないか確認する。接続部からのにじみがあれば増し締めする。
壁とクランクの接続部分からの水漏れの場合は最初からやり直す。
作業に不安がある場合は、無理をせずに業者への依頼を検討しましょう。
KVKキッチンのワンホール混合水栓の交換手順
キッチンにはワンホール混合水栓が多く取り付けられます。
シンクの上部に開けられた一つの穴に取り付けるタイプです。
準備を整え、手順を確認してから作業を始めましょう。
■交換手順
- 止水栓を閉める
シンク下の収納を開け、給水・給湯2本の止水栓を時計回りに回して閉め、水抜きをする。 - 既存の水栓を外す
シンク下の作業で、水栓の配管ホースと給水・給湯管の固定金具(ナットやクリップ)を外し、配管ホースを外す(配管ホースが外れないときは、水栓本体を上から持ち上げる際に外す) - シンク下から水栓の下部を見ると、水栓を固定しているナットが見えるのでモンキーレンチか専用工具で外す。
既存の水栓を上から持ち上げて引き抜く - 新しい水栓を取り付ける
KVKワンホール水栓をシンク上から差し込み、固定ナットでしっかり固定する - 給水・給湯ホースを接続
新しい水栓の配管ホースを給水・給湯管に接続する。 - 通水チェック
止水栓を開け、レバーを操作して動作確認をする。
接続部からの水漏れがないかも丁寧にチェックする。
シンク下での作業は、必要に応じて懐中電灯などのライトを用意すると、よりスムーズに作業できます。
KVKワンホール混合水栓|パッキン・カートリッジの交換方法
水栓は部品の劣化によって、水漏れやレバーの不具合が発生することがあります。
ワンホール混合水栓では、パッキンやカートリッジを交換します。
必ず止水栓を閉めてから行いましょう。
■カートリッジ交換の手順
- 止水栓を閉める。
- ハンドル上部のキャップを外し、中にあるネジを外してレバーを外す
- 本体を固定するためにKVK用の専用工具「台付きシングルレバーカートリッジ取外し工具PG26」を本体の後ろの穴に差し込む。
取外し工具は時計回りに支えて固定し、カートリッジカバーのナットをモンキーレンチなどで反時計回りに回して外す。 - 古いカートリッジを取り出し、同じ品番の新しいものに交換する。
- 外したときとは逆の手順で戻していく
(戻す際も専用の固定工具を使用する)。 - 止水栓を開き、レバー操作で水漏れや動作の確認を行う。
■パッキンの交換の手順
- 止水栓を閉める。
- ハンドル上部のキャップを開け、中にあるネジを外してレバーを外す
- カートリッジを外す際に、蛇口本体を固定するためにKVK用の専用工具「台付きシングルレバーカートリッジ取外し工具PG26」を本体の後ろの穴に差し込む。
取外し工具は時計回りに支えて固定し、カートリッジのカバーのナットはスパナなどで反時計回りに回して外す - カートリッジを外し、吐水パイプと上下のスリップ板を外す。
本体にパッキンが2個あるので、ドライバーを使って外す。
新しいパッキンを装着し、外したときとは逆の手順で戻す。
(パッキンは水栓によりUパッキンやXパッキンがある) - 止水栓を開き、レバー操作で水漏れや動作の確認を行う。
カートリッジやパッキンは品番の確認がとても重要で、誤った部品を使用すると不具合の原因になります。
必ず水栓本体の品番を確認し、KVK公式サイトや取扱説明書で正しい部品を確認しましょう。
他メーカーからKVKへの交換で気をつけるポイント
他メーカーの水栓からKVK製へ交換する場合は、サイズや規格の違いに注意が必要です。
ここでは確認すべきポイントを解説します。
サイズ・規格の確認
他メーカーの水栓からKVK製へ交換する際は、サイズや規格の違いに注意が必要です。
以下の点を必ず確認しましょう。
- 芯間距離(取り付けピッチ)
壁付混合水栓の場合150mmが一般的だが、85mmや120mmなど異なる場合がある - ワンホール混合水栓の取り付け穴径
穴の直径が合わないと基本的に取り付けできない - 配管ホースの径や規格
配管と水栓のホースを直接接続できない場合は、アダプターがあるか確認 - 既存配管の劣化
配管が錆びていたり劣化していると水栓を取り替えても水漏れのリスクがある
実は、KVKには可変ピッチの水栓や、穴径33~47mmに対応できるワンホールレバー水栓もあります。
ピッチや穴の大きさが合わない場合は、このような製品の導入も検討してみましょう。
必要なアダプターや部材
他メーカーからKVKの水栓へ交換する際や、パーツ交換を行う場合は、必ず適合するものを事前に確認することが大切です。
交換予定の水栓は、KVK公式サイトで型番を調べて、既存の水栓との互換性を確認しておきましょう。
パッキンやカートリッジなどのパーツは、取扱説明書や公式サイトで適合パーツを特定することが大切です。
ホームセンターで探す際は、メーカー名・型番・取り付けサイズのメモを持って行くか、外したパーツを持参してスタッフに相談するという方法もあります。
互換性やアダプターなどが分からない場合でも、水道業者に依頼すれば、確実に交換してもらえます。
業者に依頼する場合の費用・相場
業者に依頼してKVKの混合水栓を交換する場合、部品代は別途かかるため、交換する水栓やパーツの種類・価格により、費用も大きく異なります。
また、出張費や緊急対応費なども別途かかる点も理解しておきましょう。
■主な費用相場の目安
蛇口の修理内容 | 修理工賃の相場(税抜) |
ツーハンドル混合水栓交換 | 12,000円~18,000円 |
シングルレバー混合水栓交換 | 12,000円~18,000円 |
シングルレバー混合水栓のカートリッジ交換 | 8,000円~12,000円 |
サーモスタット混合水栓交換 | 12,000円~18,000円 |
サーモユニット交換 | 8,000円~12,000円 |
開閉バルブユニット交換 | 8,000円~12,000円 |
パッキン交換 | 3,000円~6,000円前後 |
見積もり無料の業者に依頼し、現地で作業を始める前に、正確な費用を確認しましょう。
見積内容に納得できたら、そのまま修理を依頼し、その後作業が開始されます。
交換後に注意したいメンテナンスと長持ちのコツ
交換した混合水栓を長く快適に使うためには、定期的に点検を行い、必要に応じて部品を交換することが大切です。
日々使う中で、ハンドルの動きや吐水口の水の出方、水圧に注意し、根元の水垢や接続部のにじみがあれば水漏れを疑いましょう。
異変があれば、早めに原因を特定して対応しましょう。
■チェックポイント
- ハンドルやレバーの動きが重くないか
- 吐水口からの水の出方や水圧(止水栓で調整)
- 掃除をしてもいつの間にか根元に水がたまる場合は、水漏れを疑う
- 接続部に水のにじみがないか確認
パッキンやカートリッジを定期的に交換すれば、本体の寿命(一般的に10年前後とされています)を延ばすこともできます。
小さな異変も見逃さず、こまめにメンテナンスすることで、水栓を長持ちさせることができます。
KVK混合水栓交換は事前の確認と準備がポイント
KVKの混合水栓の本体交換や、パッキンなどの交換は、DIY経験者であれば対応可能です。
交換を行う際は、必ず品番や適合サイズを確認し、工具やパーツの準備と交換手順の確認を事前に行いましょう。
もし、止水栓や水栓のナットが固くて回らない、最後までできそうにないなど作業に少しでも不安を感じた場合は、無理をせず、業者に依頼することをおすすめします。
新しいパッキンやカートリッジに交換すると、水漏れが解消され、レバーの操作もスムーズになります。
水栓本体を交換すれば、見た目も美しくなり、より快適に使用できます。
KVKの水栓に交換して、ストレスのない快適な水回りを手に入れましょう。