流し台の蛇口水漏れを自分で修理!原因別に見る部品・パッキンの対処法

流し台の蛇口水漏れを自分で修理!原因別に見る部品・パッキンの対処法

家の蛇口は流し台、お風呂場、洗面所、洗濯場、外部(庭やベランダ)というようにそれぞれの場所によって使用用途が変わり、機能の違いも出て来る為、様々な部品が使われています。
では、一つの場所に限って見てみたらどうでしょうか?
実は一つの場所でも複数の場所でも使われている部品の種類はそれほど大きく数は変わりません。
例えば流し台と洗面所で見比べると、形状、機能の違いはあっても共通するような部品も数多くあります。

今回は流し台の蛇口を例に、原因(部品)別に見る部品・パッキン交換修理方法を解説して行きます。
流し台に使われている蛇口部品の交換修理方法を解説して行きますが、他の水回りと共通する部品が多い為、他の場所の水漏れ修理にも役立つはずです。
また、工具に関して、同じ工具名(例えばモンキーレンチ)でも水道修理に向いている工具の特徴、向いていない工具の特徴なども紹介して行きます。

【原因別】流し台の蛇口の部品劣化による水漏れ症状

流し台・キッチンに設置される蛇口に使われている部品はいろいろとありますが、その部品が壊れるとどのような水漏れ症状となるのか、部品(原因)別の水漏れ症状をご紹介します。

部品対象蛇口水漏れ症状
コマパッキン単水栓、自在水栓、2ハンドル混合水栓  ・吐水口から水漏れ
三角パッキン・ハンドル下から水漏れ
スピンドル・ハンドル下から水漏れ ・ハンドルが空回りして水止まらず
Uパッキン単水栓、自在水栓、2ハンドル混合水栓、壁付シングルレバー混合水栓・スパウト付け根から水漏れ  
偏心管パッキン壁付単水栓、壁付自在水栓、壁付2ハンドル混合水栓、壁付シングルレバー混合水栓  ・水栓本体と偏心管の接続部から水漏れ
シールテープ・偏心管と給水管・給湯管の接続部から水漏れ
水栓カートリッジシングルレバー混合水栓  ・吐水口から水漏れ ・レバー下からの水漏れ
Xパッキン台付シングルレバー混合水栓  ・水栓本体の胴体回転部から水漏れ
シャワーホースシングルレバー混合水栓  ・シャワーホースから水漏れ ・シンク下の水受けに水が溜まる

※壁付、台付表記の無い水栓は全て壁付、台付共にあります。

部品が劣化、故障するとどんな水漏れが起こるかを知っておくことはとても大切です。
部品から症状を導き出せると、修理で部品を間違うことも交換する部品が分からないと言ったことも起きないでしょう。

自分で蛇口の修理する際に適した工具

ホームセンターへ行った時に、「こんなに工具の種類があるの?」と驚いたことがある人もいるのではないでしょうか?
一つの工具で見ても「大きさ」「太さ」「長さ」「開口幅の広さ」等、いろいろな違いがあり、その違いの分、種類も多くあります。
カラーバリエーションで見たら更にその何倍にもなります。

例えば、水道修理未経験の方がネット記事に「水道修理にはモンキーレンチが必要」と書いてあったという理由でモンキーレンチを購入するとします。
ホームセンターに行ってモンキーレンチを探すと、小さいモンキーレンチ、大きいモンキーレンチ、開口部の狭いモンキーレンチ、開口部の広いモンキーレンチ、柄の短いモンキーレンチ、柄の長いモンキーレンチ、といろいろなタイプがあった、しかしモンキーレンチが必要としか書いてなかったのでどれを買って良いのかよくわからない…、しかたがないから好みの色で選んで購入。
いざ購入したモンキーレンチで水漏れ修理をしてみると「あれ…使いにくい!何かこの修理に合ってない気がする…」、という購入した工具が水道修理に向いていなかった例です。
せっかく買ったのに使いにくいのでは損をした気分になりますよね。

水道修理を行う上で必要になる工具があります。
更にその工具の中にも水道修理に向いている工具、向いていない工具があるので、水道修理に向いている工具を購入することが修理をスムーズに行う為にとても重要なポイントになります
水道修理に向いていない工具を使うと、簡単な作業でも大変な作業に感じることがありますのでご注意ください。

それでは水道修理に必要な工具と、その中で水道修理に向いている工具の特徴と水道修理に向いていない工具の特徴をご紹介いたします。

水道修理に必要な工具水道修理に向いている工具の特徴水道修理に向いていない工具の特徴
モンキーレンチ・開口幅が広い(最大40mm以上)
・柄が短い(全長150mm位)
・滑り止め加工してある
・開口幅が狭い
・柄が長い
・重い
・滑り止め加工してない
ウォーターポンププライヤー・挟む部分がギザギザしている ・滑り止め加工してある・重い
・挟む部分に凹凸がない
・滑り止め加工してない
プラスドライバー・ある程度軸棒が長い(軸長100mm位)
・滑り止め加工してある
・軸棒が長すぎる物、短すぎる物
・組み立て式のドライバー
・滑り止め加工してない
マイナスドライバー・ある程度軸棒が長い(軸長100mm位)
・先端の幅が狭すぎない(先端幅6mm位)
・滑り止め加工してある
・軸棒が長すぎる物、短すぎる物
・組み立て式のドライバー
・滑り止め加工してない
・先端の幅が狭い
ラジオペンチ・先端が細い
・軽い
・滑り止め加工してある
・先端が太い
・重い
・滑り止め加工してない

水回りの修理なので基本的に工具は滑り止め加工してある物を選びましょう。
ホームセンターで触ると滑り止め加工されている工具とそうでない工具にさほど差はないように感じるかもしれません。
しかし、作業中はゴム手袋を付けていて、時にはゴム手袋が濡れることもあります。
この時に滑り止め加工されていない工具はとても扱いにくいのでご注意ください。

部品別に解説!流し台の蛇口水漏れ修理方法

流し台蛇口の部品別の修理方法(交換方法)の内、以下の修理をご紹介いたします。

  • コマパッキン
  • 三角パッキン・スピンドル交換方法
  • Uパッキン交換方法
  • 偏心管パッキン交換方法・水栓カートリッジ・Xパッキン交換方法

それでは一つひとつ解説して行きます。

コマパッキン・三角パッキン・スピンドル交換方法

コマパッキン・三角パッキン・スピンドル交換方法

  1. 止水栓を閉める
    ・止水栓を時計回りに回して閉めます。
    ・止水栓が無い、または止水栓が固くて回らない場合は元栓(メーターバルブ)を閉めましょう。

  2. ハンドルを取り外す
    ・アクリルハンドルはカラーキャップを外して、中にあるハンドル固定ネジを外します、プラスドライバーで反時計回りに回して外します、ネジが取れたらアクリルハンドルを上に引き抜けば取り外せます。
    ・三角ハンドルはカラービスを取り外します、ウォーターポンププライヤーで反時計回りに回して外します、ネジが取れたら三角ハンドルを上に引き抜けば取り外せます。

  3. カバーナットを緩めてスピンドルを取り外す
    ・カバーナットを反時計回りに回して緩めますが、六角ナットの場合はモンキーレンチで、円形ナットの場合はウォーターポンププライヤーで回します。
    ・カバーナットがネジから外れたら、もう一度ハンドルを差し込んで回し、スピンドルを取り外します。
    ※三角パッキン交換の場合はカバーナットを外して、中にある三角パッキンを交換します。



  4. コマパッキンを交換する
    ・コマパッキンを交換します、蛇口内に残っている場合はラジオペンチやピンセットで取り出しましょう。
    中にはスピンドルと一体になっているコマパッキンもあります。
    その場合はスピンドルごと交換する必要があります。

  5. スピンドルを取り付けてカバーナットを締める
    ・新しいコマパッキンをセットしたらスピンドルを取り付けます。
    ※スピンドル交換の場合は新しいスピンドルを取り付けます。
    ・最初は手で回し入れ、最後に工具で締めましょう。
    ・カバーナットをきつく締め過ぎないことがポイントです。
    きつく締め過ぎるとハンドルが重く、固くなってしまいます、1/4周は遊びがある位が良いですね。

  6. ハンドルを取り付ける
    ・ハンドルを差し込み、固定ナットを締め、カラーキャップ/カラービスを取り付けます。

  7. 止水栓を開く
    ・止水栓を反時計回りにゆっくり回して開きます。
    水圧は強いので、急に全開で開くと急激な負荷がかかって蛇口を痛めたり、管内の汚れが動いて目詰まりを起こしたりしますので気を付けましょう。

Uパッキン交換方法

Uパッキン交換方法

  1. スパウトナットを緩め、スパウトを取り外す
    ・ハンドルやレバーで水を止めているので、止水栓を閉める必要はありません。
    ・スパウトナットをモンキーレンチで反時計回りに回して緩めます、ナットがネジから外れたらスパウトを引き抜きます。

  2. Uパッキンを交換する
    ・マイナスドライバーで引っかけてUパッキンを取り外します。
    ・Uパッキンには向きがあります、Uパッキンの二層になっている方を蛇口本体側に向けてセットしましょう。

  3. スパウトを差し込み、スパウトナットを締める
    ・Uパッキンを潰さない様に気を付けながらスパウトを差し込み、スパウトナットを締めます。
    ・最初は手で回し入れ、最後に工具で締めましょう。

偏心管パッキン交換方法

偏心管パッキン交換方法

  1. 止水栓を閉める
    ・偏心管に止水栓機能が付いている場合は、偏心管の止水栓をマイナスドライバーで閉めます。
    ・止水栓が無い、または止水栓が固くて回らない場合は元栓(メーターバルブ)を閉めましょう。

  2. 偏心管ナットを緩めて蛇口本体を取り外す
    ・偏心管ナットをモンキーレンチで反時計回りに回して緩めます。
    偏心管ナットを回す時は反対の手で蛇口本体をしっかり押さえて行いましょう。
    手の支えが甘いと蛇口の本体が落ち、蛇口を壊してしまったり床に傷を付けてしまったりするのでご注意ください。


  3. 偏心管パッキンを交換する
    ・偏心管パッキンが劣化していると、触っただけで墨の様に真っ黒になるので気を付けてください。

  4. 蛇口本体を取り付け、偏心管ナットを締める
    ・蛇口本体を取り付ける時、セットした新しい偏心管パッキンが落ちない様に注意しながら偏心管ナットを締めて行きます。
    ・偏心管ナットの締め方によっては蛇口本体が斜めになってしまうこともあります、左右少しずつ締めて行き、まっすぐ取り付けましょう。

  5. 止水栓を開く
    ・止水栓を開きますが、ハンドルやレバーがちゃんと閉じているかをチェックしてから開きましょう、蛇口本体を脱着していると、気付かぬうちに触っていてハンドルやレバーが開いてしまいがちです。
    それに気付かず止水栓を開くと、頭からシャワーを浴びる事になってしまうかもしれませんのでご注意ください。

水栓カートリッジ・Xパッキン交換方法

水栓カートリッジ・Xパッキン交換方法

  1. 止水栓を閉める
    ※注意点はコマパッキンの所と同じです。

  2. レバーを取り外す
    ・レバーの湯水表示キャップを取り外し、レバーを固定しているネジを取り外します。
    ・レバー固定ネジは六角レンチやプラスドライバーで外すものなどがあります、共に反時計回りに回して外します
    ネジ固定ではなくはめ込みタイプのレバーもあります、はめ込みタイプは手で引っ張って取り外します。

  3. カートリッジカバーを取り外す
    ・モーターレンチかモンキーレンチでカートリッジカバーを回して取り外します、工具は反時計回り回します。
    ・カートリッジカバーを外す時、蛇口本体が一緒に動かない様に気を付けましょう。一緒に動いてしまうと下の水道管がねじ切れてしまうことがありますのでご注意ください。

  4. 水栓カートリッジを交換する
    ・古い水栓カートリッジを取り外して新しい水栓カートリッジセットします。
    ※Xパッキン交換の場合は水栓カートリッジを取り外したら、蛇口の回転部を上に引き抜きます。
    回転部が外れると2本のXパッキンが見えるので、マイナスドライバーを引っ掛けてXパッキンを取り除き、新しいXパッキンに交換します。

    水栓カートリッジを交換する

  5. カートリッジカバーを取り付ける
    ・新しい水栓カートリッジがセット出来たら、カートリッジカバーを取り付けます。
    ・最初は手で回し入れ、最後に工具で締めましょう。

  6. レバーを取り付ける
    ・レバーがグラつかない様にしっかり固定しましょう。

  7. 止水栓を開く
    ※注意点はコマパッキンの所と同じです。

まとめ

今回は流し台蛇口の部品交換修理方法を紹介しましたが、洗面所やお風呂でも使える修理内容は多くあります。
ハンドル蛇口は全般同じですし、カートリッジ交換は洗面所、偏心管パッキン交換はお風呂でも代用できます。

また、工具に関しては水道修理に向いている物と向いていない物があります。
基本的には滑り止め加工されてる工具が良く、比較的に軽い工具が向いています。
工具を購入する場合はそれらのことをチェックして、水道修理に向いている物を買いましょう。