その“お風呂つまり”は甘くない!パイプユニッシュが効かない原因と解決法!

その“お風呂つまり”は甘くない!パイプユニッシュが効かない原因と解決法!

お風呂の排水口の流れが悪い…「パイプユニッシュが効かない」とお困りではありませんか。
つまりの主な原因は髪の毛や石けんカス・皮脂の固まり、薬剤が届かない配管奥の汚れなどが挙げられます。

本記事では、正しい使い方と放置時間、ラバーカップを使ったつまり解消など、パイプユニッシュ以外の対処法から、水道業者へ依頼すべきタイミングまで丁寧に解説します。
パイプユニッシュが効かずにお困りの場合は、ぜひ参考にしてください。

お風呂つまりにパイプユニッシュが効かない理由とは   

お風呂の排水口がつまってパイプユニッシュを使っても効かないのは、原因と薬剤が合っていないことが多いです。
ここでは「汚れの種類」「薬剤が届かない」「長年の蓄積」という3つの理由を解説します。

汚れの種類に合っていない

パイプユニッシュは強力なアルカリ性洗剤で、髪の毛や皮脂汚れなどをしっかり分解する効果があります。
しかし、どんな汚れにも万能に効くわけではありません。

例えば、アクセサリーやキャップなどを落として排水口につまっている場合、薬剤では溶かせません。また、汚れの性質によって効果の出方が異なるため、つまりの状況を見極めることが大切です。

●パイプユニッシュが効きやすい汚れ

  • 髪の毛
  • 皮脂
  • ヌメリ

●パイプユニッシュが効きにくい・効かない汚れ

  • ヘアピンやイヤリングなどの金属
  • ボトルのキャップなどの固形物
  • アルカリ性の汚れ(層になってこびりついた水あかや石けんカス)

このように、汚れの種類を理解せずに薬剤だけに頼ると「効かない」と感じてしまうのです。

汚れまでパイプユニッシュが届いていない

パイプユニッシュは排水口付近の汚れは効果的に落としてくれます。
しかし、つまりの原因が排水トラップの奥やその先の配管部分にある場合、薬剤がつまりまで届かず十分な効果を発揮できません。

お風呂の排水口にはトラップがあるため、液体がその先へ流れ込まずに手前で滞留してしまうことがあります。
その結果、奥にたまった髪の毛やヘドロが残り、つまりが解消されないため「効かない」と感じてしまうのです。

薬剤が届かない部分のつまりには、ラバーカップや真空式パイプクリーナーなど物理的な方法を組み合わせる必要があります。

長年の蓄積で汚れが固まっている

排水管に層になってこびりつき固くなった汚れは、パイプユニッシュを数回使った程度では溶かしきれません。

お風呂を長年使っている間に、皮脂や石けんカスが層となって蓄積し固まってしまうことがあります。さらに、髪の毛や細かなゴミがその層に絡みついて固まると、薬剤だけでは解決できないケースになってしまいます。

●薬剤で落とせない汚れ

  • 長年の皮脂や石けんカスの固着
  • 髪の毛やゴミが絡みつき固形化

このような蓄積汚れは、業者の専門的なつまり取り作業が必要になります。

パイプユニッシュの効果と正しい使い方

パイプユニッシュはお風呂の排水口のつまりに効果的ですが、使用量や放置時間など正しく使わないと十分な効果が得られません。

他の洗剤と混ぜるのは危険

他の洗剤と混ぜるのは危険

パイプユニッシュは強力なアルカリ性の薬剤のため、酸性タイプの製品(洗剤・酢・クエン酸など)と混ぜると有毒ガスが発生し、大変危険です。

【まぜるな危険】と記載されているのはこのためで、最悪の場合は命に関わる事故につながる恐れもあります。

何とか排水口のつまりを解消したいという思いがあっても、複数の洗剤を同時に使うのは絶対に避け、パイプユニッシュは必ず単独で使用しましょう。

長時間放置しすぎる

パイプユニッシュを長く放置しすぎると、つまりの悪化を招く恐れがあります。
長く置いたほうが効果が高まると思いがちですが、放置時間は必ず守りましょう。

パイプユニッシュによって溶けた汚れが排水管のトラップなどの下部にたまり、パイプの途中でつまりになる可能性があり、悪臭の発生につながります。

説明書に記載された放置時間を守り、必要以上に長く置かないことが重要です。

熱湯を流すのはNG

熱湯を流すのはNG

パイプユニッシュを使用したあとに熱湯を流すのは絶対に避けましょう。
塩素系洗剤の成分が熱湯を流すことで、一気に分解され有害なガスが発生する可能性があります。

パイプユニッシュを洗い流すときは、バケツや洗面器にためた水を一気に流し、溶けた汚れを押し流すのが効果的です。

パイプユニッシュが効かないときのつまり解消法

パイプユニッシュでお風呂のつまりが解消しない場合でも、自分で対処できる方法はいくつかあります。ここではパイプユニッシュ以外のつまり取りの方法を紹介します。

ラバーカップ(スッポン)で圧力をかける

ラバーカップ(スッポン)で圧力をかける

ラバーカップ(スッポン)は、お風呂の排水口のつまりに圧力をかけて解消する定番の道具です。
道具さえあれば、手軽に試せる方法で、薬剤が効かないときの対処法として効果的です。

準備・ラバーカップ(ホームセンターやネットで入手可能)
・ゴム手袋
手順1.浴槽側の排水口のフタを閉め、排水口カバーやヘアキャッチャーを外し、排水口周辺に水をためる
2.ラバーカップを排水口に密着させ、カップのふちがしっかり水に浸かるようにする
3.ゆっくり押し、勢いよく引く動作を数回繰り返すことで、圧力と吸引力で汚れを動かす
4.汚れが動いたら、水が流れるため、水を流してスムーズに流れるか確認する。
コツ・ポイント・「押す」よりも「引く」動作を意識してラバーカップを操作する
・複数回繰り返すことで効果が出やすい

薬剤が効かない場合でも、ラバーカップでつまりが取れるケースは多いといえます。 

真空式パイプクリーナーを使う

真空式パイプクリーナーを使う

真空式パイプクリーナーは、ラバーカップよりも強力な吸引力を持ち、お風呂の排水口のつまりに高い効果を発揮します。
ハンドルを上下させて真空状態を作り出す仕組みのため、力の弱い高齢者や女性でも比較的扱いやすいのが特徴です。
パイプユニッシュが効かないときでも、髪の毛やヌメリが原因のつまりであれば十分に解消できる可能性があります。

準備真空式パイプクリーナー、ゴム手袋
手順1. 浴槽側の排水口のフタを閉め、排水口カバーやヘアキャッチャーを外し、排水口周辺に水をためる
 2. 真空式パイプクリーナーのカップを排水口に密着させる
 3. ハンドルを数回押し引きして圧力をかける
 4. 汚れが動いたら水が流れるため、水を流してスムーズに流れるか確認する。
コツ・ポイント・排水口にしっかり密着させることが大切
・「押す」より「引く」動きでつまりを引き出すイメージ
・数回繰り返すことで効果が高まる

浴室用の真空式パイプクリーナーかラバーカップを一つ置いておくと、万が一のつまりの際に安心です。

ワイヤーブラシや針金ハンガーで物理的に取り除く

ワイヤーブラシや針金ハンガーで物理的に取り除く

ワイヤーブラシや針金ハンガーを使った方法は、髪の毛やゴミなど排水口近くにたまった汚れを直接取り出せるのが大きなメリットです。
薬剤が届かない部分のつまりに直接アプローチできるのが特徴です。

ただし、無理に押し込むと配管を傷つけたり破損させたりする恐れがある点に注意が必要です。

準備・ワイヤーブラシ(パイプクリーナー・市販品)、ゴム手袋、ゴミを入れる袋
 ※針金ハンガーを使う場合は伸ばして、先端を折り返しフック状にする 
手順1. 浴槽側の排水口のフタを閉め、排水口カバーやヘアキャッチャーを外す
2. ワイヤーやハンガーを排水口に差し込み、汚れを引っかけて取り出す
3. 髪の毛やゴミを取り除き、数回繰り返す
4. 最後に水を流して排水の流れを確認する
コツ・ポイント・強く押し込まず、汚れを「引っかけて抜き取る」意識
・針金ハンガーは長さと柔軟さがワイヤーブラシより劣るため、トラップより先のつまりはワイヤーブラシがおすすめ

この方法は、物理的に汚れにアプローチできるため即効性があります。

重曹とクエン酸の自然派掃除

重曹とクエン酸を使った掃除は、手軽で安全性が高い掃除方法です。
お風呂の排水つまりには大きな効果は期待できませんが、軽度のヌメリや臭い対策になるため、日常の定期ケアに適しています。

ただし、クエン酸は酸性なので、パイプユニッシュとは絶対に併用しないようにしましょう。
有害なガスが発生する危険があります。

準備重曹(大さじ6)、クエン酸(大さじ3)、60℃程度のお湯200ml
手順1. 排水口に重曹を直接振りかけ、その上にクエン酸を振りかける
2. (1)の上から、お湯を回しがけるように注ぎ、 発泡させる 3.10~15分程度放置した後、浮き上がった汚れをこすり洗いし、ぬるま湯で流す
コツ・ポイント・つまり解消より臭いや軽い汚れの除去に向いている

発泡する力を利用しての汚れ落としで、髪の毛を分解するなどの効果はないため注意しましょう。

お風呂つまりにパイプユニッシュを効果的に使うコツ

パイプユニッシュは正しい手順と使い方で高い効果を発揮します。
効果的に使うためのコツを見ていきましょう。

事前に掃除してから投入する

事前に掃除してから投入する

パイプユニッシュを効果的に使うためには、投入前の掃除がポイントです。

汚れに薬剤がしっかり届くように、まずはゴミ受けやワントラップを外し、髪の毛やゴミを取り除きましょう。

古歯ブラシなどで排水口の入り口付近の汚れをこすり落としておくと、薬剤が排水管にスムーズにいきわたります。

パイプユニッシュを注ぐ際は、必ずゴミ受けやワントラップを外し、排水口や排水パイプに直接注ぐことがとても重要です。

浴槽排水口にも注入する

浴槽排水口にも注入する

お風呂のつまりでは、洗い場の排水口だけに注意が向きがちですが、実は浴槽側の排水口も見落とせないポイントです。

浴槽の排水口から洗い場の排水口へつながる管の途中に髪の毛やゴミが引っかかり、つまりを起こしてしまうことがあります。

また、ボタン式の排水栓の場合は、その部品自体に髪の毛や石けんカスが絡みついて流れを妨げることもあります。
外せるパーツは外して洗い、パイプユニッシュを浴槽側の排水口にも注入して内部までしっかり洗浄しましょう。

使用量や放置時間を守る

パイプユニッシュを使うときは、ボトル裏のラベルに記載されている使用量と放置時間を守ることが鉄則です。

【量の注意】
 パイプユニッシュにはボトルに目盛りがありますので、使用量の目安を元に適量を注ぎます。
【放置時間の注意】
 放置時間が長すぎると、溶けた汚れが再び固まり、排水管の途中でつまる可能性があります。

使用量、放置時間をしっかり守るのが、安全で効果的な使用方法です。

パイプユニッシュが効かないときはプロに依頼を!

パイプユニッシュを試してもつまりが解消できない場合は、自己対応では取れないつまりかもしれません。業者に依頼した方がよい状況と、費用相場について解説します。

業者に依頼した方がいい状況

パイプユニッシュだけでなく、ラバーカップを使っても効果がなく水の流れが改善しない場合は、専門業者に依頼する方が、解決が早く安心です。
特に以下のような状況では早めに相談することをおすすめします。

  • 排水口から強い異臭や逆流がある
  • 同じ場所で繰り返しつまりが発生している気がする
  • 配管の奥で汚れや異物が固まっている可能性がある
  • 自分での作業に不安がある、対応できない

これらのケースは、放置するとつまりの悪化や固着につながるため、プロの作業ですっきり取り除いてもらいましょう。

業者に依頼するメリット

業者に依頼する最大のメリットは、自分では届かない位置のつまりを解消してくれる点です。

例えば、高圧洗浄機を使えば排水管の奥にこびりついたヘドロや石けんカスも一掃できますし、カメラを差し込んでつまりの場所や原因を特定してもらうことも可能です。

また、つまりの原因に応じた再発防止のアドバイスも受けられるでしょう。

料金はかかりますが、根本解決ができ、予防策も取れるようになるのが大きなメリットです。

費用の相場

費用の相場

お風呂のつまり取りを業者に依頼する場合、特に気になるのは費用面です。

作業前に料金や出張費などの内訳を出してもらいましょう。
見積もり無料の業者であれば、現地での見積もり後に、費用の詳細を確認して納得できたら最終的に依頼を決定するという流れです。

つまりが軽度であれば数千円程度で済むこともありますし、排水管の奥で汚れが固まっている重度のケースでは数万円かかることもあります。

お風呂のつまりは、放置して重症化すると高額になる傾向があるため、早めに依頼することで費用を抑えられる可能性が高くなります。

お風呂つまりでの作業内容作業費用の相場
薬剤を使った作業約5,000円
浴室排水トラップ分解・清掃8,000円~12,000円
ローポンプによるつまり除去8,000円~15,000円
トーラー(ワイヤー)作業15,000円〜
高圧洗浄作業15,000円〜

業者を選ぶ際には、激安の料金は怪しいと考える方が安全です。
水道局指定事業者など安心できる業者を選んで依頼し、見積り額をしっかり確認してから作業を頼みましょう。

お風呂のつまり予防法

お風呂のつまりは、日頃のちょっとした習慣で予防できます。
ここではヘアキャッチャーの掃除や定期的な洗浄など、効果的な予防法を紹介します。

ヘアキャッチャーをこまめに掃除する

ヘアキャッチャーをこまめに掃除する

お風呂のつまりの原因は髪の毛が大半を占めます。
排水口に設置されているヘアキャッチャーは、ゴミをせき止めてくれる役割がありますが、髪の毛はすり抜けて、排水管へ流れていくこともあります。

市販の目の細かいネットをかぶせておくと、髪の毛もしっかりキャッチでき、排水管に流れ込むのを防ぐのに効果的です。

また、ゴミはこまめに捨てて、排水口の流れをスムーズに保ちましょう。

定期的にパイプユニッシュや重曹で洗浄

お風呂の排水口のつまり予防には、定期的な掃除が大切です。
市販のパイプユニッシュを月1回程度使用して、ぬめりや皮脂汚れを取り除きましょう。

パイプユニッシュは予防で使うときはボトル本体の1目盛り分を使います。
800gのタイプなら10回分ですので、コスパのいい予防策といえます。

また、重曹とクエン酸を使った掃除も汚れや臭い対策に効果的です。
ただし、強力な汚れ落としパワーはないため、軽度の汚れ落としや予防として活用しましょう。

継続的なケアでつまりを防ぎ、快適な浴室環境を保てます。

固形物を流さないように注意する

お風呂の排水口にアクセサリーや洗顔料のフタなどの固形物が流れてしまうと、パイプユニッシュでは溶かせません。
プラスチックや金属は溶かせないため、固形物を流してしまった場合は、つまっているものを取り除く必要があります。

自分で取ることが難しい場合は、早めに水道業者へ相談しましょう。
自分で取ろうとして、固形物を奥へ押し込んでしまうと、状況が悪化する場合があります。

固形物が流れないよう、排水口のヘアキャッチャーを外したままにしないなど、日頃から注意しましょう。

お風呂つまりにパイプユニッシュが効かないときは原因を見極めて対処を

お風呂の排水口のつまりにパイプユニッシュが効かない場合、多くは「原因となるつまりがパイプユニッシュで溶かせないケース」や「使用量・放置時間などの使い方の誤り」が理由です。

使い方を見直してもつまりが解消しない場合は、ラバーカップやワイヤークリーナーを試すという方法を取るか、水道業者に相談しましょう。

正しい判断で早めに対処すれば、逆流や水漏れなど大きなトラブルを防げます。